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試写状 逢いたくてヴェニス

2 MÄNNER, 2 FRAUEN-4 PROBLEME

1998年ドイツ 監督ビビアン・ネーフェ 出演アグライア・ススコヴィチ/ハイノ・フェルヒ/ヒルデ・ファン・ミーゲン/ゲデオン・ブルクハート ●93分 パンドラ配給
1999年12月18日よりシネマカリテにて公開予定

売れない画家の夫とふたりの子供と暮らすエバ(シスコヴィッチ)は、ロンドン出張に行ったはずの夫ルイス(ブルクハート)が、銀行副頭取のシャルロット(ミーゲン)と浮気旅行に出かけたことを発見。シャルロットの夫で弁護士のニック(フェルヒ)をむりやり車にのせ、ベニスまで追いかけていく。道中、一文無しになり、ヒッチハイクでベニスまでたどりついたエバたち。ふたりはようやくお互いのパートナーとめぐりあうのだが……。ドイツの女流監督がメガフォンをとったロマンチック&コミカルな珍道中ムービー。
SHIMIZU―『ラン・ローラ・ラン』『ノック・オン・ヘブンズ・ドア』など最近元気なドイツ映画からの、女流監督によるロードムービー仕立てのラブコメディーです。

 主人公はピアニストの夢を諦め、売れない画家の夫のもと2人の子を育てながらウェイトレスのパートもこなす主婦エバ。そんな彼女が客できた鼻持ちならない弁護士に粗相してクビになったのがこと発端。時間があいたので、子どもにせがまれ、旅行にでる夫を空港に見送りに。が、そこで夫が銀行副社長の女傑と不倫旅行に旅立ったことを知ります。頭に来たエバは相手の夫ニック(それがくだんの弁護士)を拉致し、旅行先のベニスに向かう展開。

 旅の途中、エバとニックは反目。手錠をかけられたニックは何度も逃走しようとする(そのSM的な関係が可笑しい)が、脱走がいつも阻まれる。彼は子どもアレルギーで水恐怖症。しかも亡き父親と決別の過去を持つトラウマ男。旅のなかで、ニックは金もカードもなくし、シャッツもボロボロ。次第に「虚飾」をはぎとられた状態になるわけで。当然のごとく、角つきあわせたふたりが物語の進行に従い、ラブラブ・モードになり、それにあわせ彼の性癖克服されていく趣向だ。

 どちらかというと、エバの地味な気丈さがかすみ、ニックの心変化だけが先導されている感じで、物足りないといえば、ものたりない。片や、夫と女傑がホテルでセックス三昧のスケッチは結構、濃い艶笑の味わい。ま、そこそこ味な、ハリウッド映画調のスクリューボール・コメディーのりで楽しめます。クライマックスはヨーロッパにおけるロマンの都のひとつベニスで、ベニス好きのshimizuめとして心躍る懐かしさ。レストレンの「アンティコ・マルティーニ」とか、美術館の「カラヴァッチョ」の絵とか、ゴンドラや水上バスとか。また行きたいな。質問責めの子どもが大人を翻弄する笑いも、ひと味。(99/11/04 ビデオ)

YAZAKI★★売れない画家の夫に代わって家計を支えている気丈なヒロインのエバと、そんな彼女を貧民呼ばわりするイケすかない弁護士のニック。たがいの夫と妻がベニスへ浮気旅行に出かけたことから、エバが強引にニックを誘拐する形で、後を追いかけることになったふたり。まったく住む世界の違う男女が、車を盗まれるわ、一文無しになるわのサバイバルな旅を続けるうち、お約束どおり恋に落ちていく。その模様を、ドタバタチックなギャグを交えて描いた、『或る夜の出来事』パターンのロード&ロマンチック・コメディ。

 サバイバルの旅を通じて、どんどん役立たずであることが証明されていくニック。反対にエバのほうは、車の修理や無銭飲食に有能ぶりを発揮。「カラバッジョの絵の足が汚れているのは、人間の足がもともと汚れているから」と、人間の真実の姿について言及する世慣れた一面を光らせ、ニックを魅了する。そんな彼女に感化される形で、ニックが「いい人モード」になっていく展開が、どうもいまひとつ食いたりない。エバが彼のどこにひかれたかという点が、「根はいいヤツだった」で片づけられちゃうのが、ちょっとご都合主義っぽく感じられちゃう。

 が、いつも狭い場所でしかセックスしたことのない浮気カップルが、ベッドだとできなくなっちゃうとか、ドタバタ系のギャグはけっこうイケてます。「いま注目のドイツ映画」という色眼鏡をはずして見れば、案外楽しめるのでは?(99/10/27 ケイエスエス試写室)

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試写状 アフターグロウ

AFTERGLOW

1997年アメリカ 監督アラン・ルドルフ 出演ジュリー・クリスティ/ニック・ノルティ/ジョニー・リー・ミラー/ララ・フリン・ボイル ●113分 インタラクティブ・シネマ=クエストコミュニケーションズ配給
1999年11月27日よりシネマカリテにてレイトロードショー予定

モントリオールの若き起業家ジェフリー(ミラー)と、心の通わない結婚生活に苛立つ妻マリアン(フリン・ボイル)。人妻にモテモテの修理屋ラッキー(ノルティ)と、家出した娘を探し続ける妻フィリス(クリスティ)。2組の夫婦の愛のもつれを描くアラン・ルドルフ監督作。製作はロバート・アルトマン。クリスティがオスカーの主演女優賞にノミネートされた。
SHIMIZU―試写の時間があわずビデオでの鑑賞ですが、僕にとってベスト監督のひとりアラン・ルドルフの新作。正座をして拝見しました。彼の作品では『チューズ・ミー』が最高傑作と信じる僕は、この映画にもその片鱗を感じ、暫し満足です。しっとり濡れたような架空の都会と、そこで「運命的」な男女の出会いを「神経衰弱ゲーム」のような謎めいたタッチで綾なすルドルフ・ワールド。今回はトロントを舞台に、虚ろな男女「ツーペアー」の心模様を描く展開です。

 1組目のカップルは仕事一筋の若き重役と子どもを欲しがっている欲求不満の若妻。2組目は熟女のつまみ食いも営業品目に入っているような中年の便利屋と、かつてB級ホラー映画のヒロインだった元女優の妻。原題は「夕映え」のこと。光を失っていく瞬間。それを倦怠カップルの愛の「残照」にひっかけてあるあたりのセンスからして、たまらない。4人のキャラが独創的で、まず1組目の若き重役は仕事の合間にビルのベランダの手すりに上り、スリルのなかに生を実感しようとする。女の好みは妻と違うは「熟女」タイプで、まだ大人になりきっていないキャラだ。そんな夫と「セックスレス状態」の妻は便利屋のノルティと情事。そうとは知らない夫は偶然ホテルのバーでノルティの妻に接近するが、セックスまでには至らない曖昧な関係。4人の偶然の関係がひとつに収斂していく作劇の妙が楽しめる。監督の独壇場だ。

 僕が気に入ったキャラは、B級ホラー映画(ハマー・プロの作品のような)の元女優役のジュリー・クリスティ。自宅で自分の出演作を見て、思いは「過去」にあるといった風情だが、実はそこが現在の彼女を不幸にしている源泉がある。彼女の「娘」をめぐる出生のいきさつ。家出した娘」をめぐる謎はそこにあり、それがふたりの溝になっていることが判明する展開。

 彼女はこの映画の「支柱」という感じで、屈折感を抱え込んだ中年女の心理を自在に演じてみせる。相手の手のうちを推し量りながらカードを切る名うて人生ギャンブラーという趣。彼女が画面に出てくるだけで、淡い存在感が浮き出る。決してハリウッドの老化した演技派女優とは明らかに違う「アフターグロウ」なのです。撮影は我らが栗田豊通。彼はもう忘れているかも知れないけど、その昔、僕達の作っていた「FILMEX(映画博覧会)」なる野球チーム(ちなみに僕の背番号はベルトリッチの『1900年』からの頂きで1900)と彼が所属していた東陽一監督のチームと野球で対戦した経験があるのです。栗田くんの撮影では、この映画の「夕映え」も素敵だけど、なんといっても同じルドルフ『トラブル・イン・マインド』の美しい赤い夕陽がわすれられません。(99/11/03 ビデオ)

YAZAKI★★☆メインの登場人物は、4人。アラン・ルドルフのオリジナル脚本だけど、かなり舞台劇臭の強い映画。2組のカップルの愛のもつれを描いているところは、「クローサー」という芝居にもちょっと似ています。

 母親ほど年の離れた秘書を「上質のワイン」にたとえるババセンの起業家(ジョニー・リー・ミラー)と、彼がかまってくれないことに苛立つ神経症的な若妻(ララ・フリンボイル)。人妻キラーの異名をとる便利屋(ニック・ノルティ)と、B級映画の女優だったころの思い出に生きる妻(ジュリー・クリスティ)。ミラー宅のドアの修理に行ったノルティがフリンボイルと不倫の関係になり、そのふたりの密会を探偵しに行ったミラーとクリスティが、おたがいの正体を知らぬまま恋仲になる。というシチュエーションから、熱烈に愛し合って結ばれた(はずの)カップルの「愛」が、「アフターグロウ」(夕映え)の時期を迎えてどうなるか? をみつめた作品。

 作劇のキーになっているのは、子供。いまの倦怠期を乗り切るには、何としても子供を作らねばと考えるフリンボイル。かたやクリスティ&ノルティのカップルは、娘の家出事件が元で気まずい関係に陥っている。子はかすがい、と言うけれど、2組のカップルは、そのかすがいを欠いた不安定な状態。だから、フリンボイルは子作りに強烈なオブセッションを抱き、クリスティも、行方の知れない娘をみつけだそうと必死になっている。

 結局のところ、人間が永久に無償の愛を捧げられるのは子供だけで、男女の愛は冷めゆくもの、というのが、この物語の前提。そういう諦念のなかで、ノルティ&クリスティはおたがいへの「いたわり」を見出し、かたやミラー&フリンボイル組は、愛の残り火をかきたてて子作りを成功させる。それで彼らが幸せになれるかという部分に、かなりの不安を感じさせるところが、ルドルフ映画らしい味わい。

 夫婦の営みにトンと縁のない私めには、テーマ自体がやけに遠く思えた映画だけど、現実に「アフターグロウ」の時期にいるカップルにはリアルに感じられるかも。でも、個人的には、女がクヨクヨと停滞している辛気臭い映画は、あまり好きではないです。(99/09/29 シネカノン試写室)

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試写状 季節の中で

THREE SEASONS

1999年アメリカ 監督・脚本トニー・ブイ 出演ドン・ズオン/グエン・ゴック・ヒエップ/ゾーイ・ブイ ●108分 エース・ピクチャーズ=日本ビクター配給
1999年12月中旬よりル・シネマにて公開予定

娼婦のラン(ブン)に心寄せるシクロの運転手ハイ(ズオン)。ハンセン病にかかった詩人の書記役を買って出る蓮摘みの少女キエン(ヒエップ)。ヴェトナム戦争時代に生まれた娘を探しにやって来た元米兵ヘイガー(ハーヴェイ・カイテル)。サイゴンの街を舞台に交錯するさまざまな人間模様を、「花」と「詩」をモチーフに描いたヒューマンドラマ。サンダンス映画祭審査員グランプリ受賞。
●オフィシャル・サイト● http://www.asmik-ace.co.jp
SHIMIZU★★★「詩」と「花」をモチーフにして現代のヴェトナムを詩情豊に描いた心優しい人間賛歌です。現代のヴェトナムを描いたといえば、残酷にワイ雑にヴィトナムの現在を切り裂いた『シクロ』が思い出されます。が、あれは国を離れた監督の独善的世界がどうにも鼻につき、好きになれなった。でも、この映画は多少演出力に青さがあるけど、故郷を愛する、その純な志を無碍には出来ない、と思わせる作品です。

 物語はサイゴンの街を舞台に、3組の男女が厳しい現実をふまえながら、強く生きようとする設定。3組は街中ですれ違い言葉を交わす程度で、その街の同時多発的な人間モザイクは、ちょっぴり、僕の愛するシャーウッド・アンダーソンの小説(ここは架空の街なのですが、いつかこんな小説が書けたらな?)『ワインズバーグ・オハイオ』を思わせます。

 1組目は輪タク「シクロ」の運ちゃんと娼婦、2組目は蓮の花を摘む仕事を得て田舎から出てきた若い娘と詩人でもあるハンセン氏病を患った主人、3組目は木箱の時計などの雑貨を入れて売り歩く少年と路上をさすらう孤児(?)の少女。監督は「3つの季節」(原題)があるヴェトナムを3組の人間模様にあてはめ、ベトナムの現在を描こうとしたそう。僕としては、現地人には夢のような高層ホテルが乱立し、経済によって人心がスポイルされつつあるヴェトナムの現在の危機感もさることながら、彼らの風雅なメンタリティーに興味をそそられました。

 とりわけ、1組目と2組目が「花」と「詩」の中核。1組目の運ちゃんが屈折した娼婦の心を開かせるまで(運ちゃんが、シクロ競走で得た賞金で彼女を1晩買い、彼女のために豪華ホテルでゆっくり眠らせてやる図も泣かせます)、2組目の純粋な蓮摘み娘がハンセン氏病で世捨て人になった主人の詩を代筆し心を開かせるまで、それぞれの「無償の愛」が自然の慈しみと相まって色鮮やかなイメージを作り出します。

 クライマックで娼婦が昔の純な学生時代に思いをはせ、白のアオザイ(民族衣装)を着て、赤い花が満開の並木道に立つ姿。この鮮やかな蘇生イメージ。そして世捨て人として言った主人の言葉通り、白蓮の花を川の市場に流してやるイメージ。それぞれの「生」が静かに連動し、それが「少年」の明日への希望につながる余韻。

 出演交渉を受け、脚本が気に入ったと、製作総指揮も買ってでたカイテル。彼がこうしてアジアの名もない監督に手をさしのべる姿に、文句なく「アンタはエライ!」の声援を送りたいところ。ま、劇中のカイテルはベトナムでもうけたハーフの娘と再会するためにやってくる元米兵役で、カメオ出演と少々物足りないけれど、それでも存在感はあるんだよね。(99/10/26 メディアボックス試写室)

YAZAKI★★☆ハーヴェイ・カイテルが出ているからというわけではないけれど、人間に与えられる「救済」を描いた作品という意味で、「ベトナム版の『スモーク』」と名づけたくなった。4つの短編小説が綾を成すようなドラマの雰囲気も、ちょっと似ているし。

 映画には、3組の「癒す人」と「癒される人」が登場する。好き勝手な人生を送ってきたすえにハンセン病を患った富豪の詩人ダオ、娼婦のラン、ベトナム戦争時代の落し子を探しにやって来た元米兵ヘイガー。以上の3人が「癒される人」で、ダオの書記係を買って出る蓮摘みの少女、ランに無償の愛を注ぐシクロの運転手、ヘイガーと運命的なめぐりあいを果たす娘が、「癒す人」。これにもうひと組、物売りの少年と彼を慕う少女が登場し、相互に癒し癒される関係を構築する。

 「癒す人」たちは無条件に「癒される人」を受け入れ、癒される人々の罪深さは、それぞれ花をモチーフにした情景によって浄化されていく趣向。その単純さが、私にはひっかかった。何か、きれいごとすぎる感じがしてね。映像は美しく、繊細だけれど、レデンプションの映画としては、もうちょっと人間描写の深みが欲しかったところ。(99/09/03 メディアボックス試写室)

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試写状 ジーンズ/世界は2人のために

JEANS

1998年インド=アメリカ 監督シャンカル 出演アイシュワリヤ・ライ/プラシャーント/ラクシュミ ●175分 ザナドゥー=電通配給
2000年1月1日よりシネセゾン渋谷にて公開予定

ヴィスとラムー(プラシャーント2役)は、LAで医学部に通う双子兄弟。ある日、空港で困っていたマドゥ(ライ)の一家を助けたことから、ヴィスとマドゥは恋仲になるが、兄弟の父は「息子は双子姉妹と結婚させる」の一点張り。そんな彼に、マドゥの祖母が「マドゥにも双子の妹がいる」と言ったから、さあタイヘン! インドへ訪ねて来たヴィスやラムーたちを前に、マドゥは2役を演じるハメになる。恋のもつれをドタバタな笑いに包んで描いたインド製ミュージカル・コメディ。
YAZAKI★★『ムトゥ/踊るマハラジャ』と同じ配給会社のマサラ・ムービーということで期待が高まったが、アメリカ資本が絡んでいる分、フツーのBムービーになってしまった印象。ミュージカル・シーンに、ピサの斜塔や万里の長城、エッフェル塔が登場したり、3DCGのSFXが導入されていたり、ハデさでは群を抜いているものの、『ムトゥ/踊るマハラジャ』や『ラジュー出世する』のような「ドロ臭い懐かしさ」は感じられず、インド映画としての魅力は半減。ま、ヒロインのマドゥちゃんがひとり2役を演じる場面は、そこそこ楽しめますが。(99/08/30 メディアボックス試写室)

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試写状 ワイルド・ワイルド・ウエスト

WILD WILD WEST

1999年アメリカ 監督バリー・ソネンフェルド 出演ウィル・スミス/ケビン・クライン/ケネス・ブラナー ●106分 ワーナー・ブラザース映画配給
1999年12月より丸の内ルーブルほか松竹・東急洋画系にて公開予定

1965年から5年に渡って放映された人気TVシリーズの映画版。舞台は、西部開拓時代。大統領の命を受けた連邦特別捜査官ジェームズ・ウエスト(スミス)とアーティマス・ゴードン(クライン)のコンビが、狂気の天才発明家ラブレス(ブラナー)の陰謀に挑むアクション・アドベンチャー。
●オフィシャル・サイト●http://www.warnerbros.co.jp
SHIMIZU★「差別」(黒人のヒーローに対する)と「身障者」(敵役の半身欠損のブラナー)に関するジョークネタと「巨大なクモ型ビークル」によるSFXネタがすべて。それのすべては退屈で、時間の無駄。米国1億ドル突破のヒットになったのは予告編とウィル・スミスの「ラップ」の効果だろうか。ソネンフェルドのファンとしては、やはりご贔屓だったリーマン監督の『ハドソン・フォーク』を見て以来の失望作。とにかく、正月映画中で最も「疲れる大作」です。見たい人は勝手にドーゾ。(99/10/26 ワーナー・ブラザース映画試写室)

YAZAKI★こういう娯楽モンはアメリカの映画館で見ると楽しかろうと思い、NYの公開初日に劇場へ出かけて行ったのだが、結果はハズレ。最初から最後まで、8割方埋まった客席はシーンと静まりかえり、まるで芸術映画を鑑賞しているノリ。アメリカ人をこれほど笑わせないコメディも珍しいだろうな、と、逆の意味で感心しちまったです。

 直情径行熱血タイプのウィル・スミスと、発明家で頭脳派のケビン・クライン。タイプの異なる2人がコンビを組み、ケネス・ブラナー演じるマッド・サイエンティストと対決を演じる。いわゆるバディ・ムービーに属する作品だけど、いかんせん主人公2人のキャラが面白くない。クラインは女装を見せたりするが、ふりまく笑いはトーン・ダウンするばかり。これは元々ジョージ・クルーニーのために書かれた役だから仕方ないのかとも思ったが、クラインびいきのYAZAKIは、かなりガッカリさせられました。

 反対に超ハイパーなノリでせめまくるのが、車椅子のマッド・サイエンティストを演じるケネス・ブラナー。目をギョロつかせ、大仰なセリフまわしで劇を盛り上げようとするが、彼が頑張れば頑張るほど、見ているこっちの気持は萎えていく。本来なら、きちんと字幕付きで再鑑賞しなけりゃならないところだけど、この映画だけはカンベン願いたいと思ったです。(99/06/30 ソニー・アスタープレイス・シアター)

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