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![]() 写真提供 ソニー・ピクチャーズ |
ヴァーチャル・セクシュアリティ
VIRTUAL SEXUALITY 1999年イギリス 監督ニック・ハラン 出演ローラ・フレイザー/ルパート・ペンリ=ジョーンズ/ルーク・ド・レイシー ●92分 ソニー・ピクチャーズ配給 |
| 17歳のジャスティン(フレイザー)は初体験の相手を物色中。そんなある日、コンピューターショーで「ナルシス」なる理想の自分を作るマシンを体験、その時、自分のデータをもとに理想の男を作ってしまった。ところが、折から電気事故が発生。ジャスティンは彼女が創造した理想の男ジェイク(の姿になってしまったから大変。彼女の男生活がコンピューターおたくのチャズ(ド・レイシー)の力を借りて開始する。ニック・ハラン監督の英国製のティーン・ラブコメディー。 | |
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SHIMIZU★★☆心は女、肉体は男。『転校生』や『スウィッチ』などと同種の男女入れ替わりのラブコメディーです。従来にないアイデアは、コンピュータショーで理想の自分を作れるゲームソフトを体験した17歳のバージン娘が初体験したい「理想の男(Mr.right)」を自分にデータをもとに製作。その時、電気事故が起きて、肉体は理想の男、心はバージン娘というキャラができあがる設定です。男になったヒロインの目から見ると、ステキだった男がただのセックス自慢のダサ男だったり、冴えないと思った男友達がステキにみえてくる。お話は最初のヒロイン話が途中から見た目、男の話に転換。途中から再度ヒロインが分離して、実質ひとりでふたりの状態へと発展。多少、とっちらかっている印象だけど、随所にジョン・ヒューズ系の青春テイストが感じられる面白さ。 ポップだけど、英国映画らしい落ち着きもあり、そこそこに楽しめる1作です。最初ヘンな感じに見えたヴァチャル・ボーイ役のルパート・ペンリー=ジョーンズが次第にコミカルなキャラを発揮し好感度大。劇中で、チンチン比べのシャワールームシーンで、男の一物がボロボロでてくるシモネタも含め、笑えるシーンが結構あります。実際、プロデューサーはヒューズの『すてきな片思い』や『プリティ・イン・ピンク』の大ファンだとか。(99/08/25 ソニー・ピクチャーズ試写室) |
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ハード・キャンディ
JAWBREAKER 1999年アメリカ 監督・脚本ダレン・スタイン 出演ローズ・マッゴーワン/レベッカ・ゲイハート/ジュリー・ベンツ ●86分 ソニー・ピクチャーズ配給 |
| SHIMIZU★★☆学校を牛耳るお嬢様たちを描いた、僕の大好きな『ヘザース』を思わすノリ。学園青春映画の怪作です。原題はジョーブレーカー。日本でいえば「ゲンコツアメ」か。口に頬張ったらアゴが壊れる、という形容の巨大なボール状のキャンディのこと。それが思わぬ凶器となる設定です。ことはリーガン高校を闊歩する注目も女王様たちの悪ふざけから始まります。女王様グループのひとりリズの誕生日に、残りの3人が彼女を自宅から拉致、その時、ひとりの女のこがリズの口にジョーブレーカーをくわえさせて口を粘着テープで封印。それがもとでリズは窒息死していまった次第。ハイヒールを履いた悪魔ことコートニーがリーダー格で、彼女の死はSMセックスの趣味のせいで死んだことにしようと画策します。その展開が途中で中だるみするのが欠点なのだけど、彼女たちだけを見ているだけで結構楽しめるマニア向けの奇作であることは確かです。ハイ。 女王様たちが高校の廊下をウォーキングするスローモションショットからして、蠱惑的ムード満点。とりわけ、コートニー役のローズ・マッゴーワンが実に濃くてセクシー。リズの死体を見た学校一ダサいファーンを手なずけるため、コートニーが彼女を変身させ女王様グループに入れ一躍人気者にさせ男のアレンジするあたり、彼女はまるで『危険な関係』の悪女にも匹敵するキャラ。最後のプロムパーティで彼女の素性がばれる展開など『クルーエル・インテンションズ』ノリの展開です。 僕は最近、マッゴーワンに注目中なのだけど、どことなく彼女はなにを演じてもすごくエグい個性を持っている。ここで“名シーン”は男の子を誘いセックスをする変則フェラ・シーン。「あの仕方を忘れたの」とアイスキャンディを持ってきて、男にしゃぶり方を実践させらんがら、下でフェラ(これは見えない)をしているという構図。マッゴワーンがやってこそのエグエグシーンであります。ちなみに、彼女と結婚したマリリン・マンソンが酒場の客役でカメオ出演(長髪ではなく、髪をなぜつけた細めの男なので注目を)。(99/08/30 ソニー・ピクチャーズ試写室) | |
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パッション・フィッシュ
PASSION FISH 1992年アメリカ 監督・脚本・編集ジョン・セイルズ 出演メアリー・マクドネル/アルフレ・ウッダード/デヴィッド・ストラザーン ●135分 大映配給 |
| YAZAKI★★☆『ローン・スター』も結局お蔵入りになってしまったジョン・セイルズ監督が、『希望の街』と『フィオナの海』の間に発表した作品。『希望の街』は人種のるつぼを象徴するようなニュージャージーの架空の都市、『フィオナの海』はアイルランドの離れ小島、『ローン・スター』はアメリカとメキシコのボーダー・タウンと、作品ごとに舞台は変わりつつも、セイルズの映画では、つねに風土とドラマが密接に結びついているのが特徴。今回もその例にもれず、ケージャン文化の息づくルイジアナ南部の低湿地帯というシチュエーションが、ふたりの女性の再生を描くドラマを豊かに彩っています。 交通事故で半身不随になり、ルイジアナの生家にこもって酒びたりの自暴自棄な日々を送るメロドラマ女優のメイ・アリス(マクドネル)。彼女を看護する仕事に、自分自身の再出発のチャンスを見出したシャンテル(ウッダード)。最初は心を閉ざし、距離を置いた関係を保ち続けていたふたりのあいだには、次第におたがいを「必要な存在」と認め合う気持が芽生えていきます。 最初に心の通い合いが生じるのは、リハビリを拒むメイ・アリスを外に残したまま、シャンテルが家に戻ってしまうシーン。シャンテルの仕打ちに烈火のごとく怒るメイ・アリス。が、少ししてシャンテルが戻ると、メイ・アリスは穏やかな笑みを浮かべてバイユーの光景をみつめている。自然の豊かさが、彼女に、失ったものよりも残されたものの大きさを気づかせたのです。「残っていいなら一生懸命働くわ」と謝罪の言葉を口にするシャンテルに、「私を見捨てないで」と答えるメイ・アリス。おたがいが人生の一部になる瞬間を、セイルズ監督は、バイユーの夕焼けのような静かな感動に包み込んで描いています。 ここがドラマの転換点となり、女ふたりの関係は第二段階に突入していきます。車椅子のメイ・アリスは、シャンテルのサポートなくしては暮らしが成り立たない。いっぽうのシャンテルにも、この仕事を失っては困る事情がある。ふたりは、肉体的、金銭的なサービスを提供しあう間柄。それが、中盤からの展開では、精神的にも支えあう関係に発展していきます。その過程で、メイ・アリスは写真を撮る喜びに、シャンテルは新しい恋に、人生を再スタートさせる「パッション」を見出していく。 それを、どこまでも淡々と物語っていくセイルズのケレン味のない演出。オーソドックスすぎるほどオーソドックスな作品で、そこに若干の物足りなさも感じられますが、セイルズの良心に支えられた小品佳作であることは確か。(99/06/15 徳間ホール) | |
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プリティ・ブライド
RUNAWAY BRIDE 1999年アメリカ 監督ゲーリー・マーシャル 出演ジュリア・ロバーツ/リチャード・ギア/ジョーン・キューザック ●115分 ブエナビスタ配給 |
| SHIMIZU★★『プリティ・ウーマン』では新鮮だったコンビも、すっかり賞味期限が過ぎたような感じで、色あせて見え、いまさらコンビでもねえだろう、というのが正直な気分。 冒頭、馬乗の花嫁が森を掛けていくショットで、ジュリアの「花嫁」イメージの連発でこ綺麗に物語を彩ろうという意図なのか。とにかく、「逃げる花嫁」というお話の設定が僕には全然ノレない代物だった。劇中、ヒロインは都合5回、結婚式から逃げ出すのだけど、そのルーティーンが僕には楽しく思えない。そもそも、ヒロインのジュリアがなぜ結婚式から逃げ出すのか、その心理的がよく分からない。逃げた後、ちゃっかり普通の生活にもどっているし、ただ、オバカな女がゲーム的に逃げるといった感じ。対する彼女を記事にたコラムニスト役のギアも安っぽいキャラで、なぜ彼が彼女と結婚したくなったのか、ロマンス気分も稀薄と思うけど。かといって、映画の出来が悪いわけじゃなく、ゲイリー・マーシャルおじさんが、そこそこの笑いを醸し出す手堅い演出。ファンは結構、これで満足するのかも。 ジュリアが「カモノハシ」の顔マネをするとか、ギアがまた得意のピアノを弾いてみせるとか、それぞれも持ち芸を散りばめたりしてね。僕は劇中、彼女を形容する言葉に呼応して流れたホール&オーツの「マン・イーター」が妙に懐かしかったし、脇役ではジョーン・キャーザックがひと味。ギアの元妻で編集長のリタ・ウィルソンがデスクに石庭のミニュチアを飾っていたのも、面白ワンポイント。(99/08/18 ブエナビスタ試写室) YAZAKI★★ロマンチックなプロポーズにほだされ、ムードに流されたまま結婚を決めてしまうヒロインは、レストランで料理を注文するときもその時々の男に合わせるので、自分の好きな卵料理の種類がわからない。いまどきいるのか、こんな女? と思える彼女のキャラは、よく言えば古風、悪く言えばチンプです。 が、そんな女でも、ジュリアが演じると掛け値なしにかわいく見えちゃうから不思議。4人目の婚約者からリチャード・ギアに乗り換えた彼女が、「ボールから目をそらすな」という婚約者のアドバイスを胸に、ギアに笑いかけながらバージン・ロードを歩いていく場面のキュートさは、とびっきりです。このシーンを含め、ジュリアが計5パターンの花嫁姿を見せてくれるところが、この映画の最大の魅力でしょう。 ただし、お話自体は、見ているこっちが恥ずかしくなるくらい子供っぽい。「結婚はおたがいを理解しあうこと」とか、「恋愛の第一歩は自分自身を知ること」とか、繰り出される教訓は、ティーンエイジャーの初恋モノと変わらないノリ。それが、30過ぎたオトナの話として描かれているんですから、ね。『プリティ・ウーマン』で好演したヘクター・エリゾント、リタ・ウィルソン、ジョーン・キューザックなど、脇役には達者な顔ぶれが揃っているものの、彼らの役目は映画に箔を付けるだけに終始。もったいない。(99/08/02 イマジカ第一試写室) | |
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ブロークダウン・パレス
BROKEDOWN PALACE 1999年アメリカ 監督ジョナサン・カプラン 出演クレア・デインズ/ケイト・ベッキンセール/ビル・プルマン ●101分 20世紀フォックス配給 |
| SHIMIZU★☆どう転んでも、後味が悪い映画です。高校卒業の記念に仲良し2組が「自由」という意味を持つ「タイ」へ出かける。500ドルもあればいい、という11日間の旅。まず、このアメリカ娘2人の好感度が薄い。特にデインズ扮するヒロインの態度。安モーテルに泊まりながら、高級ホテルのプールに行き、注文したドリンク代をウソの部屋番号でチェックする。なめた旅行態度が災いの始まり。ウソがばれ、それを救ってくれた豪州の男が彼女たちを香港に誘い、麻薬運搬の「囮」に。で、空港で捕まった彼女たちが女子刑務所に送られる展開です。 タイは麻薬には厳しい国で、無実を証明できなければ、終身刑。彼女たちは女囚に意地悪されたり、看守に金を使い脱走を試みるが失敗し独房に入れられたり。これらのことを描けば描くほど、東南アジアの「低劣な環境」を「正義」ぶったアメリカが指弾する感じで、我々アジア人はことの正当性の前に、感情的にしっくりこないものがある。どうみてもアメリカ人が悪いわけじゃない。悪いのは、表と裏があるタイという国にはまったこと。鳥を大切にするタイでは、鳥を観光客が買い、それを離してやるが、その鳥はちゃんと売り手のところにもどってくる仕掛けで、それがタイの裏と表の象徴的エピソードに使われているのも、文化を理解しないアメリカ人のごう慢さを感じるけどね。 とにかく、ここで自分を見つめ成長するデインズのキャラが身勝手なくせにヒロイックすぎるのも、凄く後味がわるい。アメリカ一辺倒の教訓が充満した嫌な感じの「地球の歩き方」映画という印象でした。余談ながらデインズはロケ地のフィリピン・マニラを「ゴキブリとネズミのような臭いがする街」と語り、その発言に怒ったマニラ市議会がこの映画の上映禁止に。その後、彼女が公式に謝罪し、映画は上映の運びになりました。この出来事をとっても、アメリカ人のごう慢さが見えて嫌だね。(99/08/25 20世紀フォックス試写室) YAZAKI★★麻薬密輸容疑で逮捕され、タイの刑務所に入れられた主人公が、脱獄をはかるものの密告者のせいで捕まってしまう、というストーリーの流れは、『ミッドナイト・エクスプレス』そっくり。大きな違いは、主人公が女性ふたりであることで、ドラマの重点も、サスペンスより女同士の友情のほうに置かれています。 主人公は、子供のころから親友だったアリスとダーリーン。ふたりの関係は、冒険を好むタイプのアリスが、ダーリーンをリードする格好。どうしてもタイへ行きたかったアリスは、「親にはハワイへ行くとウソをつけ」とダーリーンをうながし、宿泊客を装って高級ホテルのプールに忍び込んだときも、ダーリーンの制止をふりきって無銭飲食を働く。そうした諸処の出来事を通じて、自分がダーリーンを危険に巻き込んでしまったと、罪悪感を抱くアリス。その罪悪感と、「自分を知る人間には無実を信じて欲しい」という彼女の思いが中核となって、ドラマは進んでいきます。 女同士は、自分たちを密輸の罠にハメた男がどちらかと寝たか? をめぐって、おたがいに疑心暗鬼になったりもする。このあたりは、「旅の恥はかきすて」モードのおバカなギャルの本性見たりという感じで興味深い。が、いかにもハリウッドのアイドル映画らしく、ドロドロの女の醜さが露見するまでにはいたらず、最後はあっと驚く感動オチに持ち込まれる。主人公たちの自業自得な部分はおいといて、タイという国の後進性ばかりを強調し、ヒューマニズムで決着を付けようとする臆面のなさは、『王様と私』時代と変わらない差別意識が働いている感じ。 麻薬密輸のカラクリが、何ひとつわからないまま放置されるという穴だらけのプロットも、受け入れがたい。「6キロの缶入りヘロイン」は、いったい誰がどこで入れたのか? それが入ったリュックをかついで空港を全力疾走したダーリーンが、「重さ」と「音」に気づかないワケがないんじゃないの? と、見ているこっちは疑問だらけ。 ビル・プルマン演じる弁護士が、「アメリカのマスコミが黙っちゃいないぞ」と、コケおどしの手を使い、ふたりの釈放を要求する図もリアリティから程遠く、サスペンスの度合いは『北京のふたり』よりもさらに低調な印象です。(99/08/16 20世紀フォックス試写室) | |