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アンナ・マデリーナ
1998年日本=香港 監督ハイ・チョンマン 出演金城武/ケリー・チャン/アーロン・クォック ●97分 東映=アミューズ配給 |
| SHIMIZU★★タイトルは「ラバーズ・コンチェルト」という名前のほうが通りがいい、バッハの名曲。物静かなピアノの調律師が、転がり込んできた作家志望の放浪青年(ケルアックの本も持参)にかきまわされ、同じアパートに(実は放浪青年目当てで)引っ越してきた女のこに想いを伝えられないまま失恋するお話。調律師の金城武がちょっと「虹をつかむ男」のウォルター・ミティ的なキャラ。彼の不発の恋の想いは出版社に持ち込んだ自作の「小説」のなかではたさせる構成で、中盤から「小説」部分のお話が展開する。順序立てた展開だけど、その描き方がはっきりいって無骨で未熟。でも、この美術出身の新人監督がすごいロマンチストと分かる映画で、男女を○と×にわけて語る「恋愛小説」部分の雰囲気は結構好きでした。(98/11/20 東映第一試写室) YAZAKI★★ダンボールひとつで女の家を転々とするモッヤンと、赤の他人の彼に転がりこまれた生真面目なガーフ。このふたりが、クラシックな三角関係におちいる前半のドラマはなかなか期待させます。またもやダンボールひとつでガーフの部屋を出たモッヤンが、そのまま上の階に住むマンイーの部屋へ入っていく。カメラは窓辺で寄り添うふたりを捉えたあと、グーッと下に降りてひとり寂しく外を眺めるガーフの姿を捉える。このシークエンスを1ショットでおさえたカメラワークで、モッヤンとマンイーの恋の進展と、ガーフの報われない恋心を物語った演出がうまいと思った。けど、彼女にフラれたガーフが小説を書き、それが映像化される後半は、アニタ・ユンとレスリー・チャンの登場も含め、映画を長引かせるサービスカットという印象。とりあえず、今年公開された金城作品のなかでは、これがいちばん鑑賞に耐える出来だけど。(98/10/01 東映第二試写室) | |
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イン&アウト
IN & OUT 1997年アメリカ 監督フランク・オズ 出演ケビン・クライン/マット・ディロン/ジョーン・キューザック ●90分 ギャガ=東京テアトル配給 |
| SHIMIZU★★★過去、『フォー・ウェディング』から『ビヨンド・サイレンス』など「アイ・ウィル・サバイブ」を聞くだけで(ゲゲゲ、いまショウビズを見たいたら新作『ラストサマー2』でラブ・ヒョーイットもこの歌をカラオケで)涙が出るほど高揚しちゃうSHIMIZUめにとっては、男らしさを鍛えるためのテープ(日本でいえば、ふかわりょうの「ダメージをあたえる言葉」ふうを想わす、話見える?)で、クラインが「こんな曲でダンスを踊るようじゃ、男じゃない」云々のテープの声を無視して、思わずからだが動いて踊っちゃうパートがベストシーン。これだけで★3。タイトルはスラングで「sex act」のことで、ホモ騒動をめぐる展開。先生は本当に「ホモ」なのか。そんな興味を引っ張る中盤まで軽妙なおかしさ。ダイエットしたボディで結婚に望む婚約者のJ・キューザックが好演。ホモのキャスター、トム・セレックがクラインにビッグキスをするシーンにはあっけにとられます。ただ、最後の感動がどうもこそばゆい。(98/11/18 ギャガ試写室) YAZAKI★★★マット・ディロンにゲイ呼ばわりされ、いきなり周囲から白い目で見られはじめたケビン・クライン先生。彼のために催されたバチェラー・パーティが、『ファニー・ガール』の上映会になったりと(バーブラ・ストライサンドとライザ・ミネリは、アメリカのゲイの2大お気に入りスターなのよ)、ゲイ・ヘイターたち(というか、田舎の普通の人)の過剰な反応ぶりが笑わせます。自分自身に男性教育を施そうとしたクラインが、テープに合わせて「マッチョマン」踊りを見せる場面にも大爆笑。「あなたにプロポーズされたのが自尊心の支えだったのに」と乙女心をのぞかせるキューザック、ゲイの追っかけレポーター役トム・セレック、結婚式さえあげれば何でもありというクラインの母役デビー・レイノルズなど、脇役陣のアンサンブルもゴキゲン。冒頭のオスカー授賞式場面には、ウーピーやグレン・クロースもカメオ出演するよ。(98/09/08 徳間ホール) | |
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スモール・ソルジャーズ
SMALL SOLDIERS 1998年アメリカ 監督ジョー・ダンテ 出演キルスティン・ダンスト/グレゴリー・スミス/ジェイ・モア ●110分 UIP配給 |
| SHIMIZU★★『トイ・ストーリー』のおもちゃたちは大好きだったけど、この映画の、ちっちゃい怪物や兵隊のフィギュアはなかなか馴染めず、ずるずると見てしまった。そもそもオモチャの軍事用のチップを間違っていれ、オモチャが暴走する話自体がノレない理由その1かも。ま、オモチャが精巧に動くSFX部分は子供やマニアには受けるかも、ね。それでも『グレムリン』のダンテ先生らしい愉快なパロディ感覚はちょこちょこ散見できました。オーディ・マーフィーの映画とか、『特攻大作戦』『パットン大戦車軍団』とか、軍隊もんのパロディが知ってる人にはフムフムと思うかも。僕がニンマリしたのはエドウィン・スターのヒット曲「the WAR」にあわせれ出撃するところかな。あとは、ほとんど忘却の彼方に。と、メモを見たら、最後の船出の場面で「氷山にぶるからないでよ!」と『タイタニック』をもじったギャグも。(98/11/13 UIP試写室) YAZAKI★★主人公の少年が背負ったリュックにフィギュアのアーチャーがおさまる図からして、『グレムリン3』と名づけたくなるジョー・ダンテの監督作。フィギュアは、人間の姿をした「コマンド・エリート」部隊と、彼らに滅ぼされる宿命を負った「ゴーゴナイト」のチームに分かれるのだが、ここでは前者がグレムリンの役目を担って暴れまわる仕組み。そのひとりを、少年の母がディスポーザーでやっつける場面なんかも、モロに『グレムリン』してる。そう、母が強いってのはダンテ映画の最大の特徴だね。(98/11/13 UIP試写室) | |
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精霊の島
DEVIL'S ISLAND 1996年アイスランド 監督フリドリック・トール・フリドリクソン 出演バルタザル・コルマキュル/ギスリ・ハルドルソン/シギュルベイ・ヨンスドッティール ●103分 ユーロスペース配給 |
| エイナル・カラソンの同名小説を、『コールド・フィーバー』のフリドリック・トール・フリドリクソン監督が映画化したファミリーのドラマ。第二次世界大戦後、50年代のレイキャヴィクを舞台に、米兵の残したバラックに住む一家族の人生模様が綴られていく。 | |
| YAZAKI★★☆アイスランド人の「アメリカ」に対する複雑なトラウマを描いたと思える作品。主人公の一家をはじめ、戦後の荒涼とした町に住む人々は、米兵が残していったバラックで暮らしている。それは恩恵には違いないんだけど、住んでる当人たちにとっては「何でこんな所に住まなきゃいけないんだ?」という気持もあって。アメリカかぶれの孫息子が、夜ごとのパーティ、アメ車、テレビを持ち込んでくるエピソードにも、そんな気持が溢れてる。アメリカから来たものは、豊かさや未来、夢の象徴である一方、アイスランドのイノセンスを汚す「毒」でもある、という感じ。そんななかで、アイスランド人のアイデンティティが失われていった過程を、この監督は一抹の寂しさをこめてみつめている気がする。「気がする」と、つい弱気になったのは、ここに描かれているアイスランド人の思いを、シンパシーとして受け止めるだけの土壌が私にないから。多分、アイスランドの人には、ものすごく共感できる映画なんだと思うが。(98/10/14 メディアボックス試写室) | |
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宋家の三姉妹
THE SOONG SISTERS 1997年香港=日本 監督メイベル・チャン 出演マギー・チャン/ミシェール・キング/ヴィヴィアン・ウー ●145分 東宝東和配給 |
| YAZAKI★☆中国現代史はもっぱら映画で勉強してます状態の私めは、歴史の中心にいた三姉妹の話にすごく興味をひかれたのでありますが、ナレーション満載の段取り映画だったのでガッカリ。姉妹の気持の部分は全部ナレーションで説明され、あとは「こういうことがありました」という描き方。三姉妹それぞれの立場から歴史を物語っていこうというスタンスが、どうも欠落しているんだよね。聞けば、いろいろと政治的なシバリのあった映画らしいが、それにしても荒っぽすぎ。ヒューマンドラマがやがて大きな歴史ドラマになってうねり、再び人間に返って行く……という、『ラスト・エンペラー』のノリを期待しているとハズします。(98/07/23 東宝東和試写室) | |