Home Introduction Current Reviews Archives Thumbs Up


試写状 エディ・マーフィー ドクター・ドリトル

EDDIE MURPHY DR.DOLITTLE

1998年アメリカ 監督ベティ・トーマス 出演エディ・マーフィー/オシー・デイビス/オリバー・プラット ●84分 20世紀フォックス配給
1998年12月19日より日劇プラザほか東宝洋画系にて公開予定

ヒュー・ロフティング原作の「ドリトル先生物語」を、現代ふうにアレンジしたファミリー・コメディ。子供の頃、犬と会話ができたドリトル(マーフィー)。医者として成功し、家庭も持ったいま、突如その能力が蘇った彼は、変人扱いされてクリニックへ入院するハメに。監督は、『プライベート・パーツ』のベティ・トーマス。しゃべる動物のSFXを、『ベイブ』のジム・ヘンソンのクリーチャー・ショップが担当。
SHIMIZU★☆お尻の穴に体温計を入れられた犬が変な歩きになるとか、その手のサイトギャグは、ま、クスッとくるけど、動物たちがブツブツ言うだけのバーバルギャグは全然笑えなかった。吹き替え俳優たちが超有名なTV系の人たちだから、アチラじゃ、どっと笑いがくるのかな? それにしても、ただ動物の受けに回っただけのエディのヒューマン演技は、得意の早口や変身に代わるイメチェンのつもりなのかね。バカやってこそ、エディ。すべてがわざとらしく思えて、全然ノレなかった。これで続編の企画も決まったとか。わからんな、このおかしさ。(98/10/01 20世紀フォックス試写室)

YAZAKI★★マーフィー演じるドリトル先生に、動物語を理解する能力が蘇る前半は快調。ドライブ中、自分でも意識しないうちにハムスターと会話。ハムスターのほうも、『ホーム・アローン』のカルキン君式に驚いたりする仕種がカワイイ。が、ドリトル先生が普通のオトナに戻るか否かで悩む後半は、話がモタモタしていて退屈。「人と違うことは悪いことじゃない。子供の才能をのばしなさい」と、結論も多分にお説教じみてます。動物たちによる、『スリング・ブレイド』や『ユージュアル・サスペクツ』のモノマネがご愛敬。(98/09/18 20世紀フォックス試写室)

HomeIntroductionCurrent ReviewsArchivesThumbs Up

チラシ 6デイズ/7ナイツ

SIX DAYS SEVEN NIGHTS

1998年アメリカ 監督アイバン・ライトマン 出演ハリソン・フォード/アン・ヘイシ/デビッド・シュワイマー ●101分 ブエナビスタ配給
1998年12月より丸の内ルーブルほか松竹東急洋画系にて公開予定

ロビン(ヘイシ)は、やり手の雑誌編集者。恋人と南海のリゾートに出かけた彼女は、編集長命令でタヒチへ飛ぶが、途中、嵐と遭遇。たどりついた無人島で、チャーター機のパイロット(フォード)と共にサバイバルを繰り広げるハメになる。『ゴーストバスターズ』のアイバン・ライトマン監督によるアドベンチャー・タイプのロマンチック・コメディ。
SHIMIZU★★男と女が孤島に漂着して恋が芽生えるロマンス作。見る前から予想がつく展開と思ったら、その通りなのでビックリ。脇役の女の婚約者が遭難中に浮気をするサブプロットがあったり、海賊がでてきたりするもするが、このカップルが体験する喧嘩も冒険も並。唯一、ユニークなのは「少年」のような初老の男(フォードがかなりの年配であることを彼女に耳打ちするくだりはおかしい)に、NYの「大人」のキャリアウーマンが心動かされる「年の差」カップルぶり。これが、いまのハリウッドのトレンドといえばトレンド。やっぱ、この手の傑作は『流されて…』が文句なくベストだね。(98/10/13 ブエナビスタ試写室)

YAZAKI★★妻の浮気をきっかけにドロップアウトしたパイロットと、コスモポリタン誌を地で行くバリバリのキャリア・ウーマン。まるでソリの合わないふたりが、無人島でのサバイバル体験をきっかけに恋におちるという、アドベーンチャー・タイプのスクリューボール・コメディ。後半には、海賊がらみのアクションも用意されているけど、いかんせん主人公ふたりのキャラクターが平板で、恋にも冒険にもノレない感じ。とくにヘイシのキャラにこれといった特徴がなく、『アフリカの女王』のキャサリン・ヘップバーン、『ロマンシング・ストーン』のキャスリーン・ターナーに比べると、明らかに見劣りがする。SHIMIZU氏流に言いますれば、やっぱ、この手の傑作は『アフリカの女王』が文句なくベストだね。(98/09/11 ブエナビスタ試写室)

HomeIntroductionCurrent ReviewsArchivesThumbs Up

試写状 ルル・オン・ザ・ブリッジ

LULU ON THE BRIDGE

1998年アメリカ 監督ポール・オースター 出演ハーヴェイ・カイテル/ミラ・ソルヴィーノ/ウィレム・デフォー ●104分 日本ヘラルド映画配給
1998年12月中旬よりシネスイッチ銀座ほかにて公開予定

『スモーク』の原作者ポール・オースターの監督作。演奏中、流れ弾が当たる事故にあってミュージシャン生命を絶たれたサックス奏者(カイテル)が、ルル(ソルヴィーノ)という女をめぐって繰り広げる心の冒険を描く。
SHIMIZU★傑作『スモーク』の脚本家オースターの監督作というので期待したが、これはもう、大失望作。まさに「悪夢」のような、作家の妄想の産物。ジャズマンのカイテルが演奏中撃たれる出だし。が、話は切れ切れの夢物語につきあわされる、なんでもありの世界。『パンドラの箱』のルル役に抜擢されたミラのくだりなど、お好みのアイテムを散りばめて、意味ありげ。ま、やりたい放題です。最後にトリッキーな話の仕掛けを用意したつもりだろうけど、これがひとりよがりもいいところ。なんじゃ、これは。疲れた。(98/09/29 ヘラルド映画試写室)

YAZAKI★★ラブストーリーだと思って見に行ったら、どっこい、これが『ジェイコブズ・ラダー』だった。「人生を美しくするのは自分自身。僕にとって美しいものは音楽だけ。音楽を失うのは死ぬのと同じ」と言うサックス奏者が、人生最後の走馬灯の瞬間、音楽以外の「美しいもの」と出会って救済を得るという、多分に精神世界に傾いたお話が、「暗闇のなかで宙に浮く石」や『パンドラの箱』などのモチーフを散りばめながら描かれていきます。オースターのファンならいろんな発見があるのかもしれないけど、私はこのテの辛気臭い世界は苦手。(98/09/14 ヘラルド映画試写室)

HomeIntroductionCurrent ReviewsArchivesThumbs Up

試写状 私の愛情の対象

THE OBJECT OF MY AFFECTION

1998年アメリカ 監督ニコラス・ハイトナー 出演ジェニファー・アニストン/ポール・ラッド/ナイジェル・ホーソーン ●112分 20世紀フォクス配給
1998年12月上旬よりスバル座ほかにて公開予定

宿無しになったゲイの教師ジョージ(ラッド)を、ルームメイトに迎えたニーナ(アニストン)。恋人の子供を妊娠した彼女は、ジョージに子育てのパートナーになってほしいと頼むが……。男=男=女の三角関係を描いた都会派コメディ。『クルーシブル』のニコラス・ハイトナー監督。
SHIMIZU★★☆ハリウッドの最近のトレンドである「ストレートな女とゲイの男」をめぐる愛情コメディ。偶然同居したふたりだが、婚約者のいるくせに、ヒロインはゲイの彼が気になる「おこげ」状態。部屋に男を連れ込んだ彼に嫉妬したり、アパート内のお互いの部屋を巧みに使っての心理演出がおもしろい。なにかヒロインの「空騒ぎ」みたいな顛末で、最後は八方丸く収まる。ま、嫌みのない軽めの仕上がり。ゲイ同士の心理描写が面白く、囲っている若い男への未練を心に秘めている高名なゲイの評論家役のN・ホーソーンの哀愁漂う演技が出色。ブラピの恋人でもある、ヒロイン役のJ・アニストンって感じのいい女優だね。(98/10/01 20世紀フォックス試写室)

YAZAKI★★☆妊娠したヒロインが、子育てのパートナーにゲイを選ぶという設定はユニークだけど、ここから先は比較的お決まりのパターン。愛情は愛情、友情は友情。そう割り切っていたつもりの彼女も、結局は「人生の伴侶は私ひとりにして。男と寝ないで私を選んで。私が愛するように私を愛して」と、常識的な夫婦関係を相手に求めるようになる。そんな自分が「どんどんイヤな女になっていくわ」と気づかないヒロインに、私はいまひとつ共感できなかった。相手役のポール・ラッド君は、ハイトナー監督のお気に入りのようで、ハイトナー演出の舞台『十二夜』ではヘレン・ハントに惚れられる公爵の役を演じてました。もうひとりの監督お気に入り役者、ナイジェル・ホーソーン(『英国万歳!』)の哀愁の入ったゲイっぷりが見モノ。(98/09/09 20世紀フォックス試写室)

HomeIntroductionCurrent ReviewsArchivesThumbs Up

試写状 ワン・ナイト・スタンド

ONE NIGHT STAND

1997年アメリカ 監督・脚本マイク・フィギス 出演ウェズリー・スナイプス/ナスターシャ・キンスキー/ロバート・ダウニーJr ●103分 ギャガ配給
1999年1月よりシャンテ・シネにて公開予定

『リービング・ラスベガス』のマイク・フィギス監督のラブストーリー。出張先のNYで、人妻のカレン(キンスキー)と一夜の関係を持ったマックス(スナイプス)。やがてふたりは運命の再会を果たす……。
SHIMIZU★☆冒頭、スナイプスがNYの街を歩きカメラに語りかける長いワンシーンワンカット。バックにはジャズ音楽。一見洒落のめしたタッチ。キンスキーとスナイプスゆきずりの情事に一瞬、これからどうなると興味津々。が、話が進むにつれ、おいおい、待てよ、という感じの人間模様。現代の「生(性)と死」を描くという手さばきなのだけど、エイズで死を迎えるダウニーの深刻さに比べ、「生」の人間たちのチャラチャラした関係が薄っぺら。ふたりがダウニーの病室で抱き合うシーンには開いた口が塞がらず。タイトルの「1晩だけのFUCK」という、いじましい余韻が全体に漂う感じだね。死を賭けた実話脚本の『リービング・ラスベガス』で開花した監督にしては、志が低すぎるよ。ったく。(98/10/09 ギャガ試写室)

YAZAKI★★NY出張のときに一夜を過ごした女が、エイズで余命いくばくもない親友の兄嫁だった……と、偶然の一致が過ぎる設定。なのでこの物語はリアルなラブストーリーではなく、一種のおとぎばなしだと受け止めたほうがよさそう。人生は短い。だから、たとえ一時の気の迷いにせよ、運命のパートナーと思える人と愛し合いなさい……と、メッセージはいたって単純明快。『リービング・ラスベガス』と同様、自分でトランペットも吹いちゃうフィギス監督の音楽のセンスはバツグン。ガリガリに痩せ細ってエイズ患者役を熱演したロバート・ダウニーJrの演技派ぶりも光るけど、彼の存在がとってつけたように感じられちゃうのが、どうもね。(98/09/22 徳間ホール)

HomeIntroductionCurrent ReviewsArchivesThumbs Up