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試写状

ワイルドシングス

WILDTHINGS

1998年アメリカ 監督ジョン・マクノートン 脚本スティーブン・ピーターズ 撮影ジェフリー・L・キンボール 出演ケビン・ベーコン/マット・ディロン/ネーブ・キャンベル/テレサ・ラッセル/デニース・リチャーズ/ダフネ・ルービン=ベガ/ロバート・ワグナー/ビル・マーレー ●108分 ソニー・ピクチャーズ配給 1999年1月より丸の内ピカデリー2ほか松竹洋画系にて公開予定

女生徒をレイプしたとして告発される高校の進路指導教諭。だが、事件の背後には思いもかけないカラクリが……。2転3転するプロットがスリリングなサスペンス。監督は、『ヘンリー』『恋に落ちたら…』のジョン・マクノートン。

STORY

 フロリダ州エバーグレーズのブルー・ベイ。サム・ロンバード(ディロン)は、ブルー・ベイ高校の進路指導教諭。ヨット部のコーチをつとめる彼は、生徒からの信望も厚く、とくに女生徒には人気があった。そんな彼が、富豪の娘ケリー(リチャーズ)をレイプしたとして告発される。捜査にあたる刑事レイ(ベーコン)と相棒のグロリア(ルービン=ベガ)は、ケリーの狂言を疑うが、同じ高校に通う不良少女スージー(キャンベル)も、かつてサムにレイプされたという証言を得て、サムの身柄を拘束する。
 裁判が始まった。サムの味方は、救急車の追っかけを専門にする三流弁護士のボウデン(マーレイ)ただひとり。だが、公判の2日目、ボウデンは意外な辣腕ぶりを発揮する。スージーがサムにレイプされたとする1年前、彼女は麻薬所持で逮捕され、少年院に収監されていた事実を、ボウデンは証言台のスージーにつきつけたのだ。追い詰められたスージーの爆弾発言によって、大きく変わる裁判の流れ。しかし、事件の背後には、さらに驚くべきカラクリが隠されていた。

SHIMIZU ★★☆(98/10/21 ソニー・ピクチャーズ試写室)

こりゃ、エグい。『ヘンリー』のジョン・マクノートン監督って、ジョン・ウォーターズ監督とはまた違った「悪趣味」を楽しむというタイプみたいね。僕はこのテイストが決して嫌いじゃない。

映画自体は、逆転につぐ逆転が展開するB級ノワール映画のノリ。さらにテレビのソープオペラのテイストもブレンドされたタッチ。高校の教師が女生徒からレイプされたとして訴えられるのがコトの発端。で、この事件をキーにして、様々な「SEX CRIME」(冒頭で地元の刑事が生徒たちに、このテーマで講演する)が展開していく。

この手の作品は物語の展開に言及するのは、今後見る人の興趣をそぐことになるので多くは言わない。ま、見て下さい。僕が興味を引かれたのは、物語が2転3転のツイストだらけの語り口。ストーリーをしらなければ、かなりの人が騙されて、ビックリすること請け合い。これは言っても、バラしたことにならないと思うけど(大丈夫かな?)、レイプされたと訴えるデニース・リチャード(彼女のバスト全開のフェロモンは生唾もんだぜ)とネーブ・キャンベルが××シーンを見せると事前に聞いていたけど、僕が期待していたほどSTEAMYじゃなく、意外とあっさり(なにを見ておるんじゃ、と叱られそうだけど)。

つまり、僕はこの映画を見ながら、モロ、『白いドレスの女』(風鈴をモチーフにして愛欲を爆発させる名シーンは最高だった)あたりの、見ている側も官能の境地に陥れてくれるノワールの世界を期待したんだけど。それはマクノトーンのテイストじゃないみたい。彼は物語をクールにしゃぶりつくすタイプで、徹底的にノワール・ゲームを楽しんでいる感じ。僕はただただ唖然として傍観している状態でありました。

1番おかしいのは、エンド・マークのあとで展開する、みなさんの疑問にお答えします式で、事件の種明かしをフラッシュバックで見せていく演出。この「おまけ」には暫し感心。もうひとつ、ケビン・ベーコンの一物がシャワーシーンで丸見えになる(カットなしだよ!)「おまけ」も。ただし、これは誰が喜ぶのかな。あと、チープな事務所を構える悪徳護士役ビル・マーレーが物語の要で、画面をさらいます。

YAZAKI ★★☆(98/10/14 徳間ホール)

映画を見る前に、アメリカ公開時の紹介記事を読んでしまったのが間違いのもと。登場人物Aと登場人物Bのあいだに××シーンがあり、登場人物Cと登場人物Dが仲間である、と。知ってしまっていたので、面白さも半減。ってことがあるので、皆様は、なるべくまっさらな状態で劇場に行かれたほうがよろしいかと思います。

それにしても、ドンデン返しが多い映画。と思って数えてみるとホントは4回しかないんだけど、それがドラマのクライマックスだけじゃなく、全体にまんべんなく散りばめられている点がユニーク。つまり、「こいつはこういうヤツ」と思っていたのが、次々とくつがえされていき、それによって思いがけない人物同士の関係が明かされていく趣向。

このテの映画は、あとから振り返ると、「あのときアイツがこういう行動をとったのは不自然じゃないか?」と思える点が多々出てくるものなんだけど、この映画の場合は、そういう矛盾がないのがリッパ。たとえば、登場人物Dが、AとBを見張っていたのは、れっきとした理由があったことが、Dの正体が判明してからも納得が行くように出来ている。

おっと、しゃべりすぎちゃったかしら? まあ、そういう映画(ってどういう映画か見えるよね?)なので、コロコロだまされる醍醐味をしかと味わってください。展開が早い分、ちょっとテレビっぽいヤスい感じがしなくもないけど、いまのお客さんにはこのスピード感がウケるんでしょうね、きっと。

クライマックスは、ちょっぴり『太陽がいっぱい』のノリ。キャストはみんなハマリ役だけど、とりわけ、ビル・マーレイのタヌキ弁護士ぶりがイケてます。

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