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試写状

ラスト・ウェディング

UNDER THE LIGHTHOUSE DANCING

1996年オーストラリア 監督グレーム・ラティガン 脚本デビッド・ジャイルス/グレーム・ラティガン 撮影ポール・マーフィー 出演ジャック・トンプソン/ジャクリーン・マッケンジー/エデン・ジレット/ナオミ・ワッツ/フィリップ・ホルダー ●94分 シネマテン配給 1998年8月よりシネスイッチ銀座にて公開予定

不治の病に侵されたエマとの結婚を決意したハリー。残り時間の少ないふたりのために、友人たちは結婚式の準備に奔走する。実話をもとにしたラブストーリー。

STORY

 オーストラリアの楽園リゾート、ロットネス島に向けて一隻のヨットが船出した。乗っているのはハリー(トンプソン)とエマ(マッケンジー)のカップル、ハリーの親友で船長のデビッド(ジレット)、そしてエマの昔のルームメートでロンドンに住むルイーズ(ワッツ)だ。島のビーチハウスでは、ひと足先にやって来たガース(ホルダー)とジュリエット(バートラム)のカップルが、一行の到着を待っていた。
 実はハリーとエマは、この島で結婚式をあげる予定だった。その話を聞いて驚く4人。だが、衝撃のニュースはそれだけではなかった。エマは難病におかされていて、余命いくばくもないというのだ。
 残り少ない日々を、ハリーとの愛に生きたい。エマの願いをかなえようと、ハリーと友人たちは必死に式の準備を始めるのだが……。

SHIMIZU (98/06/26 メディアボックス試写室)

豪州映画のサポーターとして人後に落ちないわたしめも、これはどうもご勘弁を、といいたいところ。タイトルからして、これは悲劇なんだろうな、と予想はついていましたが、夢か幻かみたいな、実態のないフワフワしたお話の展開に、ただただ唖然とするのみでありました。

風光明媚なリゾート・アイランドに6人の男女が集います。ハリーは突然エマとの結婚式を行なうと宣言し、みんなが彼らのために結婚式をお膳立てする。心優しい友愛の実話です。が、エマがみんなの前で自分が病気で死が迫っていると告白するシーンで、ズッコケてしまった。

エマが細かい事情を語る本題部分は6人のひとりである船長のナレーションで彼女の事情が説明される。ここはヒロインの演技の見せ所じゃないかな。彼女の心持ちを知らせ、以後の彼女の気持ちに見る側も入っていく。勘所とおもうけど、このシーンがすごく安っぽく演出されたのに驚き。チープな音楽と心のこもらない軽い演技、よくあるイタリアの安っぽいB級ロマンス映画のノリで、豪州映画の粘っこいこだわりが、この映画には皆無だったのにがっくり。

実はエマ役のジャクリーン・マッケンジーちゃんは『エンジェル・ベイビー』のヒロイン役で魅了された若手女優。今回、彼女の演技を期待していたのに肩すかしをくらった感じです。ただ、彼女が海に体を浮かせながら、最後の生を感じようとしているシーンはだけは心に残りました。ま、前提のエマへの想いを共有できないまま、中盤、仲間たちがみんなでカーニバルみたいな夢のような結婚式へ突入。天使らしきものもでてきたりして、映画自体が別物になっていく。こりゃ、フェリーニの世界か、て感じね。ま、映画のファンタステックな趣向に、実態のないラブリーなものが好きな人はうっとりするかもしれないけど、中年おじさんとしては、どんどん腰がひけ、こっぱずかしい感じに陥ってしまった。

結局この6人の関係は一体なんだったのか、最後でエマを偲ぶ連中をみても、なんも感慨がわかない。わたしとしては天使になったエマが夜な夜な島を歩くというファンタジーを見たかったけど。ちなみに、オーバーアクト気味の花婿ハリー役、ジャック・トンプソンは『真夜中のサバナ』の弁護士役のあと、本当に天使になっちゃった。『戦場のメリークリスマス』にも出ていた豪州の名バイプレーヤーです。

YAZAKI ★☆(98/05/27 徳間ホール)

「あの島で過ごした週末から5年が過ぎた……」という、船長役エデン・ジレットの思わせぶりなナレーションで始まるドラマ。こりゃ、ひょっとすると『テンペスト』っぽい話なのか、はたまた『デッド・カーム』調のスリラーなのか……と、資料未読のまま試写に突入した私は想像を駆け巡らせたのでありますが、ブーッ、結果は大ハズレ。難病のヒロインがおり、彼女に冥土の土産となる結婚式を挙げさせてやろうとする友人たちがおると。その美しい愛と友情を、風光明媚なロケーションにのせて描いた超直球の美談映画でありました。

あとからプレスをよく読むと、これは実話を基にしているのだそう。なるほどね、登場人物がみーんないい人なのは、そのせいなのね。とにかく、ここに寄り集まった6人には、全員、欠点ってものが見当たらない。だから、彼らのあいだには摩擦も葛藤も起こらない。結婚式の準備がはかどらずに誰かがキレるとか、何かをめぐって小さないさかいが起きるとかってことも、いっさいナシ。みんなが一致協力して披露宴を盛り上げる。その演出の仕方が、なんだか見どころになってしまっている感じなの。

なので、どんな演出かってことを一応説明しておきますと。披露宴の会場は、ビーチ。新郎新婦が目印の黄色い布をたどってビーチまで来ると、入り口が風船でいっぱいになったテントがある。新郎新婦は、風船の扉をくぐりぬけてテント(イエローとゴールドでカラーコーディネイトされている)に入場。そこにはフォルクローレのバンドや、大道芸人もいて、パーティはおおいに盛り上がるという次第。

この場面は、どこぞの島でオリジナルな結婚式を挙げようと思っている人には、参考になるかもね。でも、私みたいに結婚のケの字の気配もない人間には、何も起こらないドラマはただ退屈に見えるのみ。

で、なにかドラマチックなことは、後日談の部分に用意されているんじゃなかろうかと期待をつなげて見ておったわけですが。用意されていたのは、妻を亡くしてガックリ状態の夫がヒロインの霊になぐさめられるという、見ているほうが赤面しちまうような最悪のオチでありました。それにしても、このラストシーンは、メインのドラマから半年後という設定。「あの島で過ごした週末から5年」という冒頭のナレーションは、いったい何だったのでしょうか?

劇中見られる夕陽の美しさに、☆1個、オマケ。

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