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ブレード/刀THE BLADE 1995年香港 監督ツイ・ハーク 脚本ツイ・ハーク/ソー・マンシン/コアン・ホイ 撮影コン・セン 出演ウィン・ツァオ/シャン・シンシン/ソニー・スー/チャン・ホー/ウァイ・ティンチ/チャン・ピクハ/ヴァレリー・チョウ ●105分 K2エンタテインメント配給 1998年1月下旬より新宿ジョイシネマにて公開予定 片腕を失いながら、父の仇討ちのために折れた刀で修行を積む刀鍛冶の青年。『ダブル・チーム』でハリウッド進出を果たしたツイ・ハーク入魂の剣劇アクション。 |
STORYテンゴン(ウィン)とチュタオ(チャン・ホー)は、剣の達人でもある刀匠(ウァイ)のもとで修行を積む若者。かつてテンゴンの父は、全身刺青の殺し屋ルン(シャン)と戦い、全身の皮膚をむかれて木に吊るされるという悲惨な最期を遂げたのだが、敵討ちを恐れた刀匠は、そのことをテンゴンに秘密にしていた。しかしテンゴンは、刀匠の娘リン(ソニー)と乳母の会話から父の話を知ってしまう。復讐に燃えたテンゴンは、ルンを探す旅に出る。いっぽうそのころ、チュタン率いる刀鍛冶たちは、残虐な猟師の一味を一戦を交えようとしていた。その猟師たちの仕掛けた罠に、運悪くはまってしまうリン。彼女の叫び声を聞きつけ、大急ぎで引き返すテンゴン。リンを救出した彼は、彼女を背負って逃げようとするが、猟師の首領との戦いで右腕を切り取られ、そのまま崖から転落してしまった。 瀕死のテンゴンを救ったのは、荒野でひとり暮らすチョチン(チャン・ピク)という女だった。「片腕では、もう父の敵は討てない」と、復讐をあきらめるテンゴン。しかし、チョチンの家が野盗に襲われたことをきっかけに戦う決意をかためた彼は、焼け残った家から出てきた剣術の本を参考に、修行に没頭する。その甲斐あって、舞い戻ってきた野盗たちをたったひとりで血祭りにあげたテンゴンは、宿敵ルンを追ってチョチンと共に旅立つ。そのころ、町の宿屋には、テンゴンの行方を尋ねるチュタオとリンの姿があった。 |
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SHIMIZU ★★(97/11/27 TCC試写室) 僕は未見の『片腕ドラゴン』をもとにしたリメークなのでそう。どの程度、オリジナルを味付けしたか、わからないけれど、映画全体はヒロインが「私が愛した男」を語るヒーロー伝説ふうの構成。 ヒロインは刀鍛冶の娘で父の弟子である2人の青年に気があるが、そのひとりはわけありの素性を持っていることが映画のキー。彼の父はもと剣豪で、全身入れ墨の男に惨殺された。父と旧知の刀鍛冶は、息子が仇討ちをしないように、そのことを秘密にしていた。で、それを知った青年が次第に復讐の鬼と化していく展開。 ここでツイ・ハークならではの、格闘アクションがふんだんに出てくる。盗賊一味が仕掛けた「虎ばさみ」とその竹の囲い。屋台くずしっぽく竹が倒れるなかで展開する主人公と盗賊たちとのアクションはハークならではのケレン味。主人公はその「虎ばさみ」で片腕を失い姿を消すが、片腕の剣豪ヒーローとして復活する。「座頭市」ふうのハンディ・ヒーロー像で、オヤジの遺した折れて短くなった「ブレード」(刃)を使い、スピーディな闘いを見せる。 ストーリーの語り口といい、アクションの配置といい、相変わらずハーク流の「カオス」が充満しているが、僕が物足りなかったのはヒロインが付け足しみたいで魅力薄に思えたこと。最後で急に語り部のヒロインが映画全体を吸引する感じのオチも、「あれれ?」と思った次第。同じものを求めてもしかたないけど、『スウォーズマン』の天駈ける荒唐無稽ヒロイン像に魅力を感じている僕としては、好みからちょっとはずれていました。 |
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YAZAKI ★★★(97/12/03 TCC試写室) 自分のために、ふたりの男を争わせたい――そんな、若さゆえのオゴリを持つ刀匠の娘リンの視点から語られる物語。最初、彼女のナレーションずくめがうっとおしいなぁと思っていたんだけど、その不満も、決闘シーンを見るなり吹っ飛んだ。配達に出かけたテンゴンとチュタオが、坊さんと猟師軍団の対決を目撃する場面。砂埃がもうもうとたちこめる町の中、立ち回りを演じる坊さんの衣のオレンジと紫がバキッと浮き立つ演出が、ドヒャーッとなるくらいカッコイイ。「このジャンルで私の右に出る者はないのだ」という自信に満ち溢れたツイ・ハーク先生のワザの連打に、YAZAKI、完全に脱帽です。 とにかく、どの決闘シーンも工夫がいっぱい。たとえば、刀匠の回想として登場するテンゴンの父と刺青男ルンの対決シーンは、『七人の侍』を思わせるどしゃ降りの雨の中という設定。二刀流で宙を舞うルン、赤ん坊のテンゴンをおんぶして戦う『子連れ狼』状態の父。スピーディな演出が、魅せる魅せる。はたまた猟師の罠にかかったリンをテンゴンが助けに行く場面では、竹のやぐらと焚き火の小道具が効果的に使われている。背中に火を背負ったまま戦うテンゴンの姿が、『子連れ狼』状態の父の姿に重なり合う趣向も絶妙。 さらに後半では、剣術をマスターしたテンゴンの戦いっぷりそのものが見どころになる。刃の折れた刀に鎖をつなげ、ヌンチャク状にして操るテンゴン。鎖が、ちょうどワイヤーアクションのワイヤーの役目を果たす感じになり、テンゴンが宙を自在に飛び回る仕掛けがスゴイ。最後、ルンとの一騎打ちの場面では、からまりあった刀と刀が空中をグルングルンまわったりね。このアイデアとスピード感、そして俳優が生身で演じるリアルさは、まさしく香港映画の魅力のツボ。フィルターを駆使しまくった映像も、『楽園の瑕』なんか目じゃないほどスタイリッシュだしね。 映画のオリジナルは、67年の『獨臂刀』というショウ・ブラザースの作品だそう。私はこれを見ていないけど、間違いなく、このツイ・ハーク版リメークはオリジナルを超えているでしょう。リンの心理描写が浅くて言動に理解不能な点が多いとか、野盗一味とルンのつながりが説明不足とか、ドラマ部分には弱点も多いけど、話が「年老いたリンの見る幻」に収束するエンディングは、香港映画らしからぬまとまりのよさ。なにはともあれ、ホンモノのアクションに飢えている人は、速攻で劇場に駆けつけるべし! |