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ピースメーカーTHE PEACEMAKER 1997年アメリカ 監督ミミ・レダー 脚本マイケル・シーファー 撮影ディートリッヒ・ローマン 出演ニコール・キッドマン/ジョージ・クルーニー/アーミン・ミューラー=スタール/マーセル・ユーレス ●122分 UIP配給 1998年1月15日より日劇プラザにて公開予定 スピルバーグ、カッツェンバーグ、ゲフィンが創設した新スタジオ、ドリーム・ワークスSKGの第一回作品。ロシアから消えた核弾頭の行方をめぐり、ふたりのスペシャリストが活躍する大型アクション。メガフォンを握るのは、TV『ER』でエミー賞を受賞した女流監督ミミ・レダー。 |
STORYロシアのチェリャビンスク。解体処理を行う核弾頭10基を乗せた貨物列車が何者かに襲われ、1基が核爆発を起こした。これを確認したアメリカ当局は、ホワイトハウス核兵器密輸対策チームのケリー博士(キッドマン)を責任者に、調査チームを編成。ロシア事情に詳しいデヴォー大佐(クルーニー)の推理から、ロシア軍のコドロフ将軍が残る9基の核を国外に運び出そうとしている事実をつきとめる。コドロフの足取りを追うケリーとデヴォーは、情報源のディミトリ(ミューラー=スタール)とウィーンで接触。敵の襲撃にあってディミトリが命を失う惨事にあいながらも、核輸送のルートをつかみ、トルコの米軍基地へ飛んだ。ここでは、ケリーの部下がコドロフのトラックを衛星写真で捉えることに成功。現場の陣頭指揮を取るデヴォーは自らヘリに乗り込み、ロシア領空に侵入。激しい追跡のすえ、8基の核弾頭を回収する。 残る1基は、コドロフの一味のボスニア人が持ち去ったあとだった。彼はいったいどこに向かっているのか? ケリーらは、犯人に外交官の義兄がいることを知る……。 |
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SHIMIZU ★★(97/10/31 UIP試写室) スピルバーグの新製作会社ドリーム・ワークスの第1回作品というので、興味津々だったが。スピルバーグは現場にはノータッチで、『ER』などを手がけた女流監督が初監督に挑戦した。スピルバーグって、未知の才能にチャンスを与えるってのがいいよね。 で、内容はロシアから流出した核弾頭が、ボスニアのテログループが入手。自分たちだけいい子になっているアメリカに核を持ち込みNYを爆破し「カオス」を引き起こそうという展開。 とにかく、冒頭のロシアの軍隊が核弾頭を列車で運ぶ途中、核が盗まれるシーンからしてたっぷり演出。これじゃ2時間は長いかと懸念される出だし。核弾頭を追う捜査のリーダーがニコール・キッドマン(これは実在の米国政府の要人である女性がモデル)で、彼の手足になるのが『ER』のジョージ・クルーニー。女性優位のコンビという設定だが、このふたりの人間的な関係がいまいち希薄で、もっとふたりの人間性を知りたいって気になった。ここではNYへ潜入する悪役も、派手さにかける。なにか人間ドラマの面白さが加味されていない映画だよね。 というのも、核弾頭追跡のアクションが最初から最後まで、ノンストップで続く感じで、最初から最後まで日常の局面を動き続けている『ER』のアクション版といった感じ。なにか、カメラがあちこち時間刻みで動いていくんだけど、全体に一直線で突破という感じなのですよ。アクションも無意味に派手な部分があったりして。賑やかなだけで緩急に乏しい演出。 僕がよく意味がわからなかったのは、最後の教会でふたりが核弾頭のタイマーを解除できず爆発したのに、規模が異常に小さかったというところ。あれは、なんだったのだろう? |
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YAZAKI ★★☆(97/09/17 UIP試写室) ジョージ・クルーニーが強引モードで攻めまくる。そのノリに着いて行ける人にとっては、これ以上面白いアクション映画もないと思うよ。私は、ダメだったけど。 クルーニーのどこが強引かと言うとですね、いちばん典型的なのはトルコの場面。盗まれた核弾頭を追っているのは、アメリカもロシアも同じ。で、ロシア領域にある核弾頭を回収するのは、筋から言ってロシアの仕事なわけです(と、ニコール・キッドマンも最初は主張する)。ところが、核を乗せたトラックの周囲には適当なロシア軍がいない。そこで、クルーニー率いるヘリ部隊がわざわざ領空侵犯をおかし、トラックをつかまえに行くわけ。 そのノリがね、もう完全に「アメリカは世界の警察官」モードなのよ。オレが行かなきゃ始まらないだろうって感じで、バクーッとふくらませた鼻からムンムンに荒い息をはいているクルーニーが、そこにいるのです。多分、ほとんどの人には、これがカッコイイと感じられると思うんだけど、私個人の率直な感想を言わせていただくなら、このテのヒーローには何の美学も見出せないわけでして。 いちおう、体裁としてはキッドマンとクルーニーのバディ・ムービーの形をとっているんですけどね。設定はキッドマンがボスだし、ビリング(役者の序列)も彼女のほうが上。なんだけど、ラストの爆弾処理の場面以外は、クルーニーが完全リード。キッドマンのほうは、強引な彼に世界中を引っ張りまわされている感じが強いの。 クルーニーも強引なら、演出も強引。話の展開は決してわかりにくくはないんだけど、主人公たちはアレヨアレヨという間に事件の核心に迫っていき、少しも立ち止まることがない(考え事も、飛行機で移動中というあわただしさ)。多少つじつまがあわなくても気にしない(というか、気にする暇を与えない)、行け行けムード全開なのであります。 タイトルの「ピースメーカー」には、他国の未来を勝手に左右するアメリカの傲慢さを揶揄する意味がこめられているはず。なのに、映画全体は、「それがどうした!」って感じの作りなんだよね。まあ、そういうパワー顕示の作品を、女性の監督が撮ったというのは、ハリウッド史上の事件だとは思いますが。 ロシア人代表のアーミン・ミューラー=スタールが何の活躍もしないまま殺されちゃったり、お家の一大事に対するロシア側の動きがまったく描かれていなかったりと、「強いアメリカ、フヌケのロシア」の構図も明確。『レッド・オクトーバーを追え!』以前に、時代が戻っちゃった印象です。 |