釣り鐘に乗り獅子飛来 ししづかあと 獅子塚跡
所在地:八幡市下奈良
男山の麓、神原町から市街地を抜け、田園地帯に分け入って東にのびる巡検道をゆくと、下奈良へ至る手前300メートルほどのところに一本の石碑と小さな石仏がみえる。「獅子塚跡」という。
「男山考古録」には、「字サガリというあたりの道の側に一堆の塚あり、小樹生たり」とあって、現在の姿とはずいぶん違っていたようである。獅子塚伝説については、旧記が伝えるところによると、「貞観12年(870)7月28日、山城国久世郡二階堂の池に釣り鐘に乗った獅子が降りてきたので、下奈良に住む都当之太夫が池から獅子を引き上げ、身を清めて天神社へ奉じた。その旨を清和天皇に奏上したところ、勅使がやってきて釣り鐘だけ宮中へもって帰ったので、獅子は八幡宮の神前に奉納した」とある。
獅子塚のある巡検道は、今はアスファルト舗装はされているが、田圃を細糸で縫うように蛇行し、昔ながらの風情を残した貴重な空間となっている。
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