女郎花塚
女郎花塚地図 お み な え し つ か
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女郎花塚

所在地:八幡市八幡女郎花

 松花堂庭園の西隅にある小さな五輪石塔を女郎花塚という。長年の風雨にさらされ、丸味をおびた石塔から、叶わぬ恋の悲しみが伝わってくる。 平安時代の初期にあたる806年から808年、小野頼風という人が八幡に住み、京に女と深い契りを結んでいたが、いつしか二人の間に秋風が吹いていた。京の女は思いあまって八幡へと男を訪ねてきたが、男が他の女と暮らしていることを知り、悲嘆のあまり泪川に身を投げて死んでしまった。やがて、彼女が脱ぎ捨てた山吹重ねの衣が朽ちて、そこから女郎花が咲いた。頼風がこの花の元に寄ると、花は恨んだ風情をたたえながら頼風を嫌うようになびくので、頼風は自責の念にかられ、同じように川に身を投げて死んでしまった。人々はこれを哀れみ、二人の塚を築いたという。 女の塚は女郎花塚であり、男の塚である頼風塚は八幡市民図書館の近くの民家の裏側にあつて、葦の生い茂るなかにある小さな五輪石塔である。  


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