す ぎ や ま た に ふ ど う そ ん
杉山谷不動尊
所在地:八幡市八幡高坊
八幡宮頓宮西側の谷道を登り詰めたところにある。谷不動ともいわれ、「厄除け不動」として人々に信仰されている。
平安時代の初期、危害を加える悪鬼が出没し、人々を悩ませていたという。たまたま、諸国を行脚中の弘法大師(空海)がこの話を聞き、法力によって悪鬼を封じた。そして、十一面観音菩薩と自身の彫像を刻んで安置し、諸人を護った。さらに人々は、大師のお告げにより、大和国から厄除け不動明王を移してまつったとされている。また、一説には八幡神を男山に勧請した行教律師が男山の鎮守として建立したともいわれている。
深く切れ込んだ谷の一隅に建てられた堂は、昭和10年8月の大雨による山津波で本堂と観音堂が倒壊・流出した。以来、不動明王は仮堂に安置されていたままであったが、昭和47年7月、今の堂舎に再建された。
その本堂には、悪魔降伏のために憤怒の形相をした不動明王が座し、両脇には善悪を掌るコンガラ、制咤迦(せいたか) の2童子が控えている。不動堂の横を流れる谷川には、霊泉瀧(ひきめの瀧ともいう)があり、静寂のなかに清らかな水音を聞くことができる。 |