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北海道旅行顛末記
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2000年8月19日(土曜日) 【第1日目】

 「じゃ、行ってきます」
 「え!どこへ?」
 「北海道に行くって言っといたじゃん」
 「本当だったのかい?冗談だと思ってたよ」
 こんな会話を残し、私は愛車に乗り込んだ。今回の旅行は列車メインの旅であるが、自宅から出発駅のJR松本駅までは車で移動だ。駅近くにある会社の駐車場へ車を停め、いざ旅の始まりである。
 今回、この旅行を企画したのは、2000年になってから大した休みもとれなく、身も心もボロボロになってしまった自分を、北海道の大自然の中でリフレッシュさせようと思ったからに他ならない。もっとも、前田真三氏による美瑛・富良野のすばらしい風景写真を見て以来、一度は自分の目で見てみたいと思っていたことも大いに関係している。私の友人もこの風景に魅せられ、一時移り住んでいたこともあるくらいだから、どうしても行ってみたかったのである。
 松本からの行程は、一旦長野に出てから、大宮、盛岡、札幌、旭川と乗り継いで行くという実に長い長いものである。通常であれば飛行機でひとっ飛びというところであろう。しかし、私は大の飛行機嫌いで、2年前に出張で九州福岡へ行ったときも新幹線で行ったくらいである。
 さて、「しなの19号」は14時57分定刻通りに松本を出発した。最近私は、仕事の都合でよくこの「篠ノ井線」と並んでいる国道19号を利用している。そのためか、慣れ親しんだ風景を見ているうちになんなく明科を通過してしまった。車より早いなぁ、などと考えているうちにトンネルを抜け、これまた馴染みのある地
名を通過しながら、ほどなく長野に到着した。(やはり知っている土地は早いという感覚になるらしい)
 長野発の新幹線は既に入線していた。「あさま526号」は15時56分発車で1時間19分後大宮に到着する。車内では、いわゆるJRオリジナルグッズの販売が行われていたが、上田、佐久平、軽井沢、高崎などと、やはりこれもよく知った土地のためか、おぉもうこんな所を走っているのかぁ、などと感心している間に、大宮に着いてしまった。まぁ、新幹線グッズならば次の東北新幹線でも同じものを売っているだろう。それにしても最近(いや実際は以前からそうだったのかも知れないが、少なくとも私の見た限りでの最近)のJRはこうしたグッズ(しかも限定の)販売にも力が入っているものだと感じた。
 大宮駅で「やまびこ23号」を待っていると、あれ?これは「こまち」車両(E3系)ではないか、と思っているうちにどんどん入線してきて、途中から連結された「やまびこ」車両(E2系)が見えてきた。なるほどそうか、「やまびこ」には秋田新幹線「こまち」が連結されているんだ。
新白河を過ぎたあたりで、左側の窓(つまり西側)から大きな夕日が見えた。よく見ると手前に山があるようで、時々見え隠れする夕日をしばしボーッと見ていた。松本ではなかなかこんなに大きな夕日なんて見ら
れない。
 そうこうしているうちに車内販売が回ってきた。そうだ、新幹線グッズだ。携帯ストラップに新幹線マスコットがついたものを購入してみた。「200系」「E3系」「E2系」「E4系」に続き「400系」
が数珠つなぎになっていて、ちょっと嬉しいグッズだ。こういうものはなかなか使えない・・・ま、もともと使う気は無いけど。
 盛岡に着いたので、「こまち」が切り離される前に連結部を見たい!とホームを走る。今、まさに離れる瞬間だ。連結器部分を収納しながら「こまち」は秋田へ向かい、「やまびこ」もいつの間にかきれいな表情に戻っていた。
 さて、問題はここである。実は、盛岡到着が19時37分、そしてここから北海道へ向けて乗り込む「寝台特急北斗星小樽号」は、23時32分発なのである。このおよそ4時間をどう過ごすか、これが問題なのだ。ホームに4時間というのはあまりに悲しすぎる状況であるので、とりあえず駅員に「どこかに時間をつぶせる場
所はありませんか?」と尋ねてみた。すると「改札出てもいいから外の待合室に行っててください。また放送で呼び出しますから」という。それならばと改札を出たが、どうしようか。まずは腹ごしらえかな、と駅ビルのショッピング街へ入ったのだが、20時に閉めるから早く出なさいという。ああ、いろいろ迷っているうちに20時になってしまったのだ。仕方がないのでKIOSKで駅弁を買うことにし、店のおばちゃんにお薦めを聞くと「鮭はらこめし」がいいとのこと。鮭とイクラの味付けも程よく、おいしい。駅の待合室でバクバク食ってしまったが、周りの人にはどう映っていたのだろうか?
 ちょっと駅の外へ出てみよう。おぉよくテレビの旅番組で見かけた「もりおか」の駅舎だ、当たり前だが、本物だ。感動すら覚える。駅前を少し歩くと北上川にぶつかる。あぁ今オレは東北にいるんだぁ、などと感慨にふけっていると、突然!左足の太ももに激痛が! う、これは危ない、足をつる前兆だ。私は左足をつりやすいので、その予兆はすぐにわかる。しかし今日は違う場所でも同様の痛みが。右足である。結局両足がつってしまった。「イテテテテェ」とその場にうずくまり、痛みがとれるのを待っていると、「どうしたの?」と見知らぬおばさんが声をかけてきた。「えぇ、ちょっと足をつってしまいまして」「それはいけないねぇ、ここには旅行かい?」「えぇ、長野から今日来て、このあと北海道へ渡るんです」「そう
長野なの、りんごが有名だよねぇ、青森も有名だけど」「えぇ、そうですね」「気をつけてね」「あ、ありがとうございますぅ...テテテェ」足が痛くて何をどう会話したのかよく覚えていないが、おそらくこんなものだったろう。ま、親切なおばさんだったことは間違いない。
 なんとか痛みがおさまった隙にホームへ入る。ホームには南部風鈴まつりと称して風鈴がたくさん吊るしてあった。そうか、そういえば南部鉄器だよここは。
「寝台特急北斗星小樽号」を待つ間、同じく寝台特急なのだが「カシオペア」が立ち寄った。これも予定に入れておけばよかった、と後悔するほどカッコイイ。またいつか乗ってやろう。
 待ちに待った「北斗星」
がやってきた。いわゆるブルートレインである。下り列車で1号車は最後尾車両にあたる。そして16番という座席(ベッド)は1番後ろに位置する。つまり私はこの列車の1番ケツに寝ていくわけだ。明日は北海道である。    

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