ゾテピン zotepine(JAN) チエピン系精神分裂病治療剤 1179i

【組成】
[細]:10%,50% [錠]:1錠中25 mg,50 mg,100 mg
ゾテピン は白色〜微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。氷酢酸又はジオキサンに溶けやすく,エ−テ ル又はシクロヘキサンにやや溶けやすく,エタノ−ルにやや溶けにくく,水にほと んど溶けない。0.1 N塩酸試液に溶ける。融点:91〜94°

【適応】
精神分裂病

【用法】
1日75〜150 mg分服(増減)。1日450 mgまで増量できる

【作用】
(1)薬効薬理
(a)中枢神経系のドパミン受容体遮断により,ラットのアポモルヒネ又はメタンフェタミンによる強制そしゃく行動及び回転運動,イヌでのアポモル ヒネによる嘔吐を抑制。またラット脳のドパミン代謝回転を亢進
(b)中枢性のセロトニン受容体に対し強い遮断作用,幻覚剤のLSD(ウサギ),メスカリン,DOM(ラッ ト)並びにセロトニン作動性薬物のフェンフルラミン(ラット),MK-212(ウサギ),キパジン(ラット),5HTP(マウス)等の各種作用に対する抑制はクロルプロマジン, ハロペリド−ル,シクロヘプタジンよりも強い
(c)マウスの自発運動,回転棒上での平衡保持,ラットのpj運動や立上り運動(open field test),条件回避反応,嗅球摘除ラットでのmuricide行動等の抑制作用はクロルプロマジンと同程度。マウスのバルビツレ−ト睡眠に対する増強作用はクロルプロマジンより弱い
(d)ラットのカタレプシ−引起し作用はペルフェナジン,ハロペリド−ル,チオチキセンより弱い
(e)ノルエピネフリン,ドパミン及びセロトニンの神経終末部への取り込みを抑制(ラット)
(3)臨床適用
(a)臨床効果(精神分裂病666例の軽度改善以上の改善率):単独投与群61.2%(255/417),併用投与群54.6%(136/249)。なお,どの薬 剤にも反応しなかった難治症例の20%に中等度改善以上。また,二重盲検試験で有用性が認められている
(b)副作用:28.36%(1,712/6,037)に,眠気5.53%(334例),脱力・倦怠感3.26%(197例),不眠3.01%(182例),口渇2.93%(177例),便秘2.83%(171例 ),めまい2.58%(156例)等

【製品・薬価】
セトウス細粒 高田-塩野義 10%1g 136.60
ゾピテ細粒10% BMKK 10%1g 115.20
メジャピン細粒10% 共和薬品 10%1g 115.20
ロドピン細粒10% 藤沢薬品 10%1g 151.70

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