ゾピクロン zopiclone(JAN) シクロピロロン系睡眠障害改善剤 1129i

【組成】
[錠]:1錠中7.5 mg,10 mg
ゾピクロンは白色〜微黄色の結晶性の粉末で,においはな く,味は苦い。クロロホルムに溶けやすく,ジメチルホルムアミド,氷酢酸 又は無水酢酸にやや溶けやすく,アセトニトリル,アセトン又はメタノ−ルにやや溶けにくく,エタノ−ルに溶けにくく,エ−テル又はイソプロパノ−ルに極めて溶 けにくく,水にほとんど溶けない。0.1 N塩酸試液に溶ける。旋光性を示さない。光によって徐々に着色する。融点:175〜178°

【適応】
不眠症,麻酔前投薬

【用法】
1回7.5〜10 mg就寝前又は手術前(増減)

【作用】
(1)薬効薬理
(a)動物脳波に対する作用:ウサギ腹腔内投与で,自発脳波は行動上の鎮静を示すに従い皮質では高電圧徐波が増加し,海馬ではθ波の脱同期化が起 こり傾眠パタ−ンとなった。また,外来刺激による脳波覚せい反応は著明に抑制,海馬及び扁桃核刺激による大脳辺縁系後発射も著明に抑制
(b)抗不安作用:ラット,アカゲザル経口投与で,強い馴化作用と抗コンフリクト作用
(c)抗けいれん作用:マウス経口投与で,最大電撃けいれん及びペンテトラゾ−ル,ベメグリド,ビククリンによるけいれんには,ほとんど抑制作用を示さない,又は弱い
(d)筋弛緩作用:マウスに経口投与で筋弛緩作用は極めて弱い
(e)作用機序:ベンゾジアゼピンレセプタに結合し,GABAレセプタに影響を及ぼすことでGABA系の抑制機構を 増強
(f)臨床薬理(健康成人,経口投与)()終夜睡眠脳波に対する作用:10 mg錠で,脳波上入眠潜時を短縮,総睡眠時間を延長。レム睡眠には影響せず,深睡眠を増加 ()光眼輪筋反射に対する作用:10 mg錠で,覚せい水準と関連する光眼輪筋反射の 潜時は投与後30分から延長,1時間後に最も延長。潜時の延長は投与後3時間持続, 4時間後には延長の程度は低下
(3)臨床適用
(a)臨床効果:比較試験を含む臨床試験で入眠潜時の短縮,深睡眠の増加,総睡眠時間延長等が認められた。不眠症改善率56.7%(656/1,157),麻酔前投薬の有用率57.4%(193/3 36)
(b)副作用及び臨床検査値の変動:副作用は19.2%(345/1,799)に,苦み8.1%(145件),ふらつき3.8%(69件),眠気1.8%(33件),口渇1.8%(32件),頭重1.3%(23件),だ るさ1.1%(20件),頭痛1.1%(19件),倦怠感0.9%(17件)等。臨床検査値の変動は,GPT 上昇2.2%(20/928),ヘマトクリット値減少0.9%(8/902),GOT上昇0.9%(8/927)等

【製品・薬価】
アモバン錠7.5 RPR-中外,吉富 7.5mg1錠 40.80

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