吉田戦車

『吉田戦車の友達自慢』

仙台模型で購入する。このゲームは、いわゆるカードゲームで、吉田戦車のキャラクターを使った絵合わせゲームである。ルールはすごく簡単。顔は3つ(あるいは2つ)のパーツ、頭、顔、顎に分断されている。プレイヤーは、与えられたカードの中から顔をつなぎ合わせて3〜4組の顔を完成させていくというもの。相手を妨害するカードで、相手の顔の作成を遅らせたり、取り消したり、マイナスの数字のついたカードを相手に送りつけて、点数を低くしたりする。また、絵柄でもちゃんとキャラクターを完成させた場合は、手役として点数が加算させられたりする。基本的に一番早くノルマを達成すると、さらに点数が加算されるので、優位に立てるが、場合によってはマイナスで終わることもあり、戦略性もある。
カードには、点数があり、5点とか15点、マイナス15点などの他に、×2とか×3とか(かけ算で点数をカウントする)のカードがある。そうした×カードを先に出してしまうと、マイナスのカードを他のプレイヤーにつけられたり、終盤に完成しそうなときに、マイナスのカードをつけられて(たとえば、マイナス15点×3で計算しなくてはいけないとか)、それで顔を完成させていかないといけないこともある。また、「取ったりあげたりカード」というのもあって、自分に不利なカードを相手とトレードしたりできるが、完成する前に、トレードをしないといけないので、相手の状況や自分の状況を瞬間的に把握しないといけないこともある。

プレイノート
友人3人と何ゲームか行うが、プレイ時間はそんなに長くなく、お気楽に行うことが出来る。だいたい1ゲーム、4〜5回行うと、丁度よい。また、4人くらいが戦略性がもっとも充実できるのかも知れない。例えば、1人が立て続けに高得点を叩き出している場合は、協力しあって相手の点数を低くしようとする動きがあったり、その中でいかに自分が勝つにはどのような点数を作ればいいのかと戦術を持って行うことが出来るからである。3人であれば、時には、協力しあっても、カードの巡りが悪ければ阻止をすることが出来ないが、4人であれば、ある程度、カードが出回るので、タイミングよりも戦略性の比重がおもくなる。5人であれば、どうしても、拡散してしまう傾向があるように思う。また、手の内に役を作れば、一気に出すこともできるが、3組しか作れないと言う制約の下、最後に一気にだそうとしても、そうした気配を他のプレイヤーが察してしまうと、マイナスのカードを出して、あるいは低い点数の顔のパーツを自分の場につけられてしまうので、非常に作りにくい。相手のあがりそうな気配や、タイミングをちゃんと把握して、注意しながら進めないと、アッという間に負けてしまうので、そうした観察力が必要である。また、どの部分から顔のパーツを出すのか、役の可能性を残しながら、しかし、相手の妨害の可能性を考えながら、どのように完成させていくか。完成のタイミングもまた考えないといけない。

メモ
ルールが簡単で、そして、自由なカードの出し方が出来るがゆえに、多様な戦略を持つことが出来る。簡単であるということは、逆に、ルールに対する解釈の多様性がないが故に、勝つための戦略は人それぞれの思惑の中で厳密なルールの下で行えるということも言える。TRPGのように、ルールが様々な運用や解釈が行えるのとは違う。それゆえに、TRPGは戦略性がそれぞれの思惑と、ルールの解釈の狭間でかえって、いい加減なものになるときがあって、ゲーム性が揺らぐという側面もある。

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