社会福祉士試験にでてくる人名とその理論についてまとめる


障害者福祉論
ニィリエ(スエーデン)
知的障害者のノーマルな社会生活の条件を一日のノーマルなリズム〜一年のリズム、ライフサイクル、など8つのノーマライゼーションの原理を示す

ヴォルフェンスベルガー(カナダ)
1980年代に文化的、社会的役割としてノーマライゼーションを提唱した。

バンク・ミケルセン(デンマーク)
1959年法、知的障害者の親の会の改善要求がきっかけ。

糸賀一雄
この子らを世の光に。で有名な近江学園。重症心身障害児施設の創設者

国際リハビリ協会(RI)
1986年、社会リハビリは社会生活能力を高めるプロセスであると定義している。

障害者インターナショナル(DPI)
1981年の国際障害者年を気に設立された。種別を超えた世界規模の当事者の団体

児童福祉論
石井十次
岡山孤児院、無制限収容主義、里親制度

ケイ(スエーデン)
女性の権利擁護運動、『児童の世紀』

山室軍平
日本救世軍、キリスト教社会事業、更生保護や、廃娼運動、禁酒運動などを行う

留岡幸助
1899年家庭学校を創設、非行少年の感化事業を行う

ジェブ(イギリス)
児童救済教会の指導者、1919年に「児童の最善の利益」の概念を最初に唱えた人

ルソー
教育論『エミール』、子供の自然な成長力や活動の尊重

バーナード
何も持たない困窮した児童の入来は拒まない。1870年に創設されたバーナード・ホームは少舎制の実践を行う

渋沢栄一
東京市養育院は、窮民収容施設であったが、収容者の中には高齢者や年少者も混在していた。

長谷川良信
1919年に創設したマハヤナ学園は、仏教布教の目的を持つセツルメント活動であった。

援助技術
J.アダムス(アメリカ)
ハルハウスの創設に関わり、1889年にシカゴで創設された本格的なセツルメント活動の拠点である。1931年にノーベル賞をもらっている。

S.バーネット(イギリス)
1884年に設立されたトレンビー・ホールの創設者。セツルメント活動

G.ウイリアムス(イギリス)
YMCAの創設者

G.コイル
グループワークの母といわれる人。1946年頃に定義している。デューイの進歩主義教育に影響を受けている。

リッチモンド
COS活動〜慈善組織協会であり、1880年から90年はセツルメント活動が発展しはじめた頃。1917年『社会診断』や1922年『ソーシャルワークとは何か』を記している。

H.パールマン
問題解決アプローチの提唱者。1920年から30年は診断派と機能派で激しい論争があった。パールマンはその折衷案を提唱した。4つのPやワーカビリティの提唱者でもある。

レイン報告書
1939年に全米社会事業会議に示された報告書。地域援助を社会福祉援助の一技法として位置づけ、その機能をニーズと資源調整にあるとした。

F.ホリス
個人、環境、その相互関係を個別援助の構成要素として捉えて『ケースワーク〜心理社会療法』を記した。どちらかといえば診断派に立脚している。状況の中にある人間という全体的なものとして捉える。

ジェーメイン
エコロジカルソーシャルワークの提唱者。生活モデル。ギターマンと共に体系化を図る。環境と個人の相互作用の中でみるという視点である。

牧賢一
社協においてロスの統合化説をを翻訳し、社協活動にはコミュニティ・オーガニゼーションへと転換させることが重要と訴えている。

ソロモン
1960年代のソーシャルワークの実践家、研究家。公民権運動を背景にエンパワメントという考え方を提唱している。差別的・抑圧的な環境によって人々は無力な状態に追いやられていると考える。

サレエベイ
ストレングスの提唱者。人間は困難でショッキングな人生経験を軽視したり、人生の苦悩を無視したりせず、むしろこのような試練を教訓にし、絶えていく能力である復元力を基本にしている。

ベーム(アメリカ)
社会的機能とは個人には様々な役割があるが、その役割を果たしていくために不可欠だと考えられる諸活動であり、それを高めることがソーシャルワークであると。ワーカーの意義を明確にした。「ケースワークの基礎」例え社会で支配的な価値とあらゆる点で一致するような一組の価値をソーシャルワークに付与することを意味するものではないと述べている。

R.P.リバーマン
SSTの提唱者。認知行動療法に基づいている。精神障害者のストレスへの脆弱性に注目した療法である。

H.ゴールドシュタイン
ピンカスやミナハンと並び、一般システム理論を用いてソーシャルワーク理論の再編を試みた。

G.ハミルトン
診断主義の体系化に貢献している。1940年に『ケースワークの理論と実際』を発表。専門職の知識や取り組みを通して、クライエントが自分の力に気がついていくという視点である。

G.コノプカ
グループワークの治療的側面に注目し、治療・教育的なグループワーク論を展開した。日本にはGHQが積極的に取り込んでいく。

S.バワーズ
個別援助技術に関する多くの定義を分析し、自らも個人の内的力と社会資源を動員するために人間関係に関する知識と技能を活用する技術(ART)という定義を示した

A.ハルトマン
エコマップの提唱者。対象となる世帯を中心にそれを取り囲む公私の社会資源や関係者を配置し図示する

W.ニューステッター
1935年の全米社会事業家意義において、集団援助技術の最初の定義を提示。コミュニティオーガニゼーションの技法の一つとして、インターグループワーク論では、代表者間の組織化の方法を提唱した。

シュワルツ
交互作用モデルと呼ばれるグループワーク論を提唱した。並行過程というものを提示。ワーカーとメンバーの課題は異なるものであり、相互依存的であるが、明確に区別されるべきである。

K.レヴィン
グループ・ダイナミクスの提唱。集団力学とも訳され、集団が個人の集合体を超えて集団独自の心理的特性を持つことに着目し、集団の心的的力動性を明らかにする。

M.ロス
住民組織化説

E.ディバイン
機関・施設連絡調整説〜組織間の連絡調整を主たる機能とする考え

J.ロスマン
コミュニティワーク論を小地域開発およびその組織化モデル、社会計画モデル、ソーシャルアクションモデルに分類した。

E.リンデマン
社会改良主義の視点に基づき、社会事業を社会計画を遂行していく上での教育的方策と捉えた。

M.メイヤロフ
『ケアの本質』でケアし、ケアされることからもたらされるとされる。

ブトゥリム
人間の本質に内在する普遍的価値から引き出した「人間尊重」、「社会性」、「変化の可能性」を援助活動の前提にした。『ソーシャルワークとは何か〜その本質と機能』

W.フリードランダー
個人の生存権とともの社会的な責任という観点から整理する

バークレー報告
ソーシャルワーカーの役割と任務において、秘密保持、対立するジレンマに答えを出す勇気、そして自己決定の尊重などを掲げている。

トール
「コモンヒューマン・サービス」人間の基本的な欲求の充足がいかに重要であるかを述べる

バートレット
『社会福祉実践の共通基盤』倫理、知識、介入(調整活動)の3つをあげている。知識と価値が優先されるべきであるとする。

社会福祉原論
岡村重夫
社会関係の主体的側面に焦点を当てた社会福祉固有の視点を強調し、社会福祉技術論の進化に貢献した

孝橋正一
社会政策が対応すべきである社会問題への対策に限界があって機能せず、それに代わって社会事業が対応せざるを得ない場合、これを社会政策への社会事業の補充性・代替性と顕わした。

中村優一
『公的扶助とケースワーク』のなかでケースワークは対象者にとって意味がある援助を念頭に置いて行われるべきであり、公的扶助の手段としてケースワークを考えることが出来るとしている。

大河内一男
社会事業の対象を経済秩序の外にある被救恤的窮民としている。

石井亮一
知的障害児教育の父である。知的障害児施設を震災を機に創設。滝乃川学園

矢島楫子
日本キリスト教婦人強風会の指導者として一夫一婦制や廃娼運動に貢献した。慈愛館を創設

生江孝之
社会事業の父と呼ばれ、内務省嘱託、大学教育などで活躍。『社会事業綱要』

林一蔵・小河滋次朗
大阪方面員を設立。「社会事業と方面委員会」1924「社会問題救恤十訓」

竹内愛二
社会福祉を援助過程と捉え、個人・集団・地域社会が有する社会的要求をその他の様々な要求との関連の中で自ら発見し、かつ充足するために能力・方法などあらゆる資源を自ら開発しようとすることを、専門職業者としてのものが所属する側面から援助する過程である。『専門的社会事業研究』

長谷川良信
『社会事業とはなんぞや』、マハヤナ学園を創設し隣保活動に勤しみ、戦後は淑徳大学を創設

黒木利克
『社会福祉事業現代化論』社会連帯的福祉国家とサービスの専門化と総合的実践原理と統合

マルサス
『人口の原理』において救貧法の保護による堕民増加の懸念に基づき、「新救貧法」に大きな影響を与えた。

ラントリー
「貧困:都市生活の研究」ヨーク市の全人口の約三割が貧困状態にあることを明らかにし、貧困問題を社会問題解いて認識させる契機の一つとなった。ブースのロンドン調査と関連がある。

ウェッブ夫妻
フェビアン社会主義の基本発想は「社会福祉に関する国家の関与・介入」を公定するものである。集産主義ともよばれる。ナショナルミニマムの思想を広く捉えること。

ベバリッチ
『社会保険及び関連サービス』に関する報告において窮乏、疾病、無知、不潔、無為という5つの巨大な悪への攻撃に対する社会保障政策を構想した。ベバリッチ報告1942年。社会保障が充実すれば公的扶助はなくなるという見解。

コーズ
『ソーシャルワークの根源』価値の根源を求めていく中で社会福祉の基本的な価値は単一の哲学から導き出されたものではない。

レヴィ
『ソーシャルワーク倫理の指針』において、人間関係と人間交互作用に価値が適用されたものが倫理であると規定し、倫理も選択されたものであるが、人間関係における行動に直接影響を及ぼすことがある点に特色がある。

ラロック
第二次世界大戦後のフランスの社会保障計画策定の中心人物。

エスピン・アンデルセン
保守的コーポラティズムはドイツ・フランスにみられるキリスト教的な伝統的な家族制度をを維持する政策、残余的モデルとは、市場でも家族の扶養でも必要が満たせない場合に限って最小限の福祉施策を提供する。社会民主主義的資本主義は北欧などの普遍主義を政策の基本理念とする。脱商品化とは、労働能力がなくても福祉給付などにより生活が保障されること。

公的扶助
タウンゼント
生活資源と生活様式という基本的概念を基礎とする相対的剥奪というより広範な貧困概念を提示した。

地域福祉論
片山潜
セツルメントの源流。キングスレー館を設立している。

チャルマーズ
隣友活動。19世紀初頭、COSの原型

コイト
ネーバーフッド・ギルド。アメリカ初のセツルメント。トインビーホールに影響を受ける。

心理学
ケーラー
チンバンジーによる洞察力をもとにした問題解決、見通しなどの研究をしている。

ソーンダイク
ネコを用いて、刺激と反応との間にある学習成立過程を「効果」の観点から報告

スキナー
ネズミを用いたオペラント療法。報酬と罰による学習課程に一定の変化がみられる。

ミード
アメリカの文化人類学者。様々な地域の実証的研究をもとに、性役割行動に及ぼす文化的影響を明らかにする。

シュルテルン
輻輳説を唱え、人間の素質は多様な発展性を持つこと。環境との相互作用によって方向が決まること。

オルポート
『パーソナリティ』によって、特定のパターンの独自性を説いた。

ピアジュ
発達過程における一般的な傾向を重視したが、生物学的に成熟に到った発達のみならず、環境からの影響と個体の相互作用をも重視した。

ゲゼル
生物的な発達段階とその基準を考えた。50年代の代表的な発達研究理論をうち立てた。

ボウルビー
愛着理論で有名。発達最早期における基本的信頼感と愛着行動について述べたもの。特に生まれてから2年以内が最も重要であるとされている。

アドラー
個人心理学と呼ばれる劣等感の克服過程を中心とした独自の理論をうち立てた。

フロム
新フロイト派とも呼ばれ、「自由からの逃走」をはじめとして社会学的立場からの考察が多い。

カルフ/ローエンフィルト
箱庭療法を作っている。自由にして保護された空間の中でクライエントの奥深くに眠るイメージに形を与えることに意味がある。治療者は系列的理解をもとに作品の流れを解釈する。

ロジャース
クライエント中心療法。共感的理解と受容的態度を柱とした、相談者が自らの真実を受け入れていく過程への援助

ウォルピ
行動療法。系統的脱感作によって神経症的不安の克服技法を開発した

エリス
論理情動療法。意識レベルにおける信念のゆがみを説得によって修正する。

クライン
児童分析。

社会学
ヴェーバー
「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」世俗内禁欲のエートスと資本主義が関連していることを明らかにしている。支配の正当性は、合法的、伝統的、カリスマに分けており、近代化は合法的な支配が強まると考察。あるいは、官僚制こそが効率面で最も優れた機構だと考察。

デュルケーム
急激な資本主義的産業化によって引き起こされる自殺などの増加、アノミーの概念を提唱する。

マッキーバー
コミュニティとアソシエーションの用語の開発者。

F.テンニース
ゲマインシャフトとゲゼルシャフト

CHクーニー
第一次集団と第二次集団

ミルズ
権力に関して、パワーエリート概念を通じアメリカにおいて巨大企業、軍部、国家の制度的秩序の頂点に立つエリートたちの権力と大衆の政治的無関心を指摘する。

ラスウェル
権力を狭く限定した場合、価値剥奪ないしはその威嚇や制裁によって他者を制御する力と捉える。

オグバーン
家族機能縮小論。1930年代に提唱。産業化以降に愛情機能に限定されるとみなし、他の例えば、教育や、宗教、地位付与という機能が外部化したと考える。

ミード
人間の自我は、他者からの期待を認識して自らのうちに取り入れる役割取得を通じてなされる。

ゴフマン
役割距離。役割には他者が期待する一連の行動があり、それから意図的にはずれた行為をすることにより逆に違った印象を人に与えること

L.ラース
生活様式としてのアーバニズム。都市社会の集大成である。人口が高く、社会的に異質な人々の集落としての都市から生ずる特徴的な生活様式

バージェス
同心円地帯理論。都市は生態学的に同心円的な地域構造を造る。

ウォーナー
ヤンキーシティ調査。人類学的・参与観察法が用いられた

クラッセン
サバーバーニズム:大都市圏における人口の諸機能の周辺部への離心化に伴い郊外に形成されてい特徴的な生活様式
インナーシティ現象:いわゆるドーナツ化現象による中心部の衰退を指す。

マートン
社会現象が個人や集団、社会にとって役に立つ、あるいは進展を促すようなものを順機能、阻害するものを逆機能と命名。あるいは、当事者の意図通りに結果が生じた場合を顕在的機能、そうでない場合を潜在的機能とし、この4つの機能の組み合わせを組み合わせた。

スメルサー
集合行動を分類。一般化された信念に基づく。パニック、敵意表出行動など。

トゥレーヌ
フランスの社会学者で、従来の階級闘争型の労働運動とは異なる地方分権化、女性解放、厳罰の反対などの研究に取り組んだ。

ハーシ
紐帯理論。社会的絆と逸脱に関する研究者。社会的統制論など。どのような状態では逸脱しやすいのか。日常生活でレベルを張られやすい社会関係の下では逸脱する可能性が強い。
2006.1.2

ホームインデックス