マレイン酸セチプチリン setiptiline maleate(JAN) 四環系抗うつ剤 1179i

【組成】
[錠]:1錠中1 mg
マレイン酸セチプチリンは白色 〜微黄白色の結晶性の粉末で,においはなく,味は苦い。

【適応】
うつ病・うつ状態

【用法】
1日3 mgを初期用量とし,1日6 mgまで漸増し,分服(増減)

【作用】
(1)薬効薬理:うつ病・うつ状態に対する作用機序は,主にシナプス前のα2-エピネフリン受容体遮断によりシナプス間隙へのノルエピネフリン遊離を促進,脳内ノルエピネフリンの代謝回転亢進により中枢ノルエピネフリン作動性神経の活動度を増強すると考えられる
(a)脳内モノアミンの代謝回転亢進作用:ラットのモノアミン合成阻害剤実験で,ノルエピネフリンの代謝回転を亢進
(b)クロニジン拮抗作用:ラット大脳皮質膜分画及びモルモット摘出回腸標本のin vitro実験並びにマウスの実験でクロニジン拮抗作用,シナプス前のα2-エピネフリン受容体を遮断(
c)モノアミン取り込みに対する作用:ラットで脳内モノアミン取り込み阻害作用を示さず,in vitro実験でも弱いノルエピネフリン取り込み阻害作用しか示さない
(d)レセルピン拮抗作用:マウスで,レセルピン投与時に起こる眼瞼下垂には拮抗作用,低体温には拮抗しない
(e)抗セロトニン作用:ラットで,セロトニンの前駆体5-ヒドロキシトリプトファン投与後の中枢作用並びにモルヒネ禁断時の身体症状に拮抗作用
(f)抗コリン作用:マウスではトレモリンに対し拮抗作用は極めて弱く,ウサギではフィゾスチグミン覚せい反応に対する影響も軽度で,抗コリン作用は弱い
(3)臨床適用(a)臨床効果:二重盲検比較試験を含む76施設での有効率59.4%(384/647)
(b)副作用:12.7%(391/3,070)に,眠気5.3%,口渇2.9%,めまい・ふらつき・立ちくらみ2.7%,便秘1.4%,脱力・倦怠感1.2%等

【製品・薬価】
テシプ−ル錠 持田 1mg1錠 27.20

目次