社会資源について

 社会資源とは、人々の生活の諸要求矢、問題解決の目的に使われる各種の施設、制度、機関、知識や技術などの物的、人的資源の総称である。社会資源は、多種多様であり、ここでは、社会福祉の視点に立って、社会福資源とそのたに区分する。広義の福祉に立つと、福祉国家としての様々な社会政策がある。それはそのまま狭義の意味での福祉に影響し、そうした制度や資源をどのように活用、選択をし、変革をしていき、サ−ビス対象者である利用者の問題を解決させるかが援助者の役割である。
 社会福祉における個別援助技術がカウンセリングと違う点は援助者と利用者の間に社会資源が介在する点にある。また、利用者は援助を受けるに当たり、主体的に参加をし、援助者と共に問題解決をして行くうえで、社会資源の有効性や限界を共に認識しないといけない。援助者は、利用者の問題解決のためにどのように社会資源を活用し、資源相互の調整や連結を援助過程においてなして行く。個別援助において、援助者も又社会資源であることを自覚し、様々な役割を利用者に働きかけないといけない。
 個別援助のインテーク期において、利用者が持ち込む問題について、ふさわしい社会資源の選択がなされる。アセスメントにおいては、情報収集が行われ、利用者を理解すると共に、インフォーマル資源や社会資源と利用者の結び付きが明確化し、客観的に利用者に提示される。介入期において、アドバカシーやケースマネージメント又はネットーキングにおいて、利用者と環境を結び付け、そのための社会資源の検討や利用されていない資源を結び付けるなどの利用がなされる。モニタリングにおいては外の関連資源の利用が確認される。終結期では、問題解決がなされても他問題家族のように様々な問題が残っている場合が多く、新たな問題に対して違ったアプローチでもって社会資源を利用することになる。援助過程の記録は、様々な社会資源をどう活用したか、又は、記録の情報は外の関連機間や社会資源と結び付く役割がある。記録は、援助者と利用者に還元され、適確な問題解決の道標となる。
 このように、社会資源は援助過程において密接に結び付いている。また、医学モデルから生活モデルへ変わった福祉にとって、環境と利用者の関係から、どのように相互を結び付け、対応させるかが主眼におかれている。それは、社会資源に因って働きかけるかということである。社会資源の効果は、そうした環境と利用者の抱える様々な問題に働きかける媒体として、福祉援助の目的として存在する。それを有効に利用し、場合によっては、資源を創出する役目をおっているのは、資源である援助者と利用者本人である。

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