相談援助実習における‘介護過程分析表’援用についての一考察
-知的障害児者施設での実習過程を中心に-
W学園 kuma

要旨: 本論は入所型福祉施設(とりわけ知的障害児者施設)において,相談援助実習を行う場合の実習意義を明らかにした.特に,日常業務をいかに読み解くのかという視点から,利用者と援助者(あるいは実習生)のコミュニケーション(対人援助技術)を詳細に分析することに実習意義があることを考察した.
 この対人援助技術を分析する手法として本論は介護過程分析表を提示する.介護過程分析表の特徴には以下の4つが挙げられる.1)一つの事例があたかもフィルム一コマ一コマのように時系列に捉える事が出来る.2)援助過程における自らの取り組みが,全体的な視野の中で客観的に位置づける事が出来る.3)援助者と被援助者との相互の関連・関係が把握しやすい.4)援助とは技術・技法の集積ではなく,優れて創造的な合目的な営為の総体である事が理解しやすい.
 そして,実際の実習過程での介護過程分析表の援用方法を具体的に提案した.例えば,介護過程分析表は業務に慣れるなどの実習過程前期を経て,個人記録のアセスメントを行った上で援用しなければならないこと.集団的な関わりの中から個人への焦点化が必須要件であることなどである.

キーワード 介護過程分析表,相談援助実習,知的障害児者施設

1.はじめに
1-1.研究目的
 「社会福祉士及び介護福祉法」が2007年に改正され,社会福祉士の役割が地域生活支援や相談業務として明確に位置づけられる(成田2008).それに伴い,社会福祉援助実習は相談援助実習に名称が変更された.そして,実習受け入れ側の施設などでも相談援助を意識したプログラム作成が要請されている(厚生労働省2008:宮嶋2006)[1].しかし,従来から施設内(特に本研究では知的障害児者施設を取り上げる)で相談援助実習を行う際,雑用・身体介護・利用者との何気ない会話に費やされ相談業務が見いだしにくい.あるいは,介護福祉士や保育士の施設実習と区別がつきにくい事が指摘されている(中村2004:日本社会事業学校連盟1996)[2].とはいえ,従来から知的障害児者施設での相談援助実習の目的は,対人援助技術を実際に援用すること事が挙げられている(竹内2004:杉本2006).
 ところで,知的障害児者施設の特色として日常業務がルーティンワークであること.そして,長い期間,同じような利用者と連続的に関わることにある.こうした環境下で行われている相談援助実習の意義は,利用者と援助者との何気ない会話の中に援助過程を見出し,対人援助技術を意識することである.援助過程を評価する記録方法は様々あるが(副田2006)[3],本研究は,田中(1994)が提唱した介護過程分析表を取り上げる.そして,知的障害児者施設などの施設内で相談援助実習を行う際,この記録方法の有効性について検証・提示することを研究目的とする.

1-2.研究方法
 研究方法について,本研究は文献研究であり,以下の手順で考察を行う.

1-3.倫理的配慮
 本研究は主に文献研究である.先行業績,引用等について日本社会福祉学会の定める研究倫理指針を遵守する.

2.知的障害児者施設で実習を行う場合の課題と意義
 知的障害児者施設での業務は,時折家族の調整や児童相談所との連絡など相談援助を必要に応じて行われているが毎日行われるわけではなく,事によっては実習期間にそうした業務を目にする事はない.繰り返しになるが,そのため実習は日常業務(雑用・介護など)に大半が費やされる.であるなら,まず持って実習の意義は日常業務をどう見るか.あるいは,日常業務に内在する社会福祉固有の視点とは何かについて探求することが求められるといえる.2では,このことについて以下の1〜3の論点で考察する.

2-1.日常業務について
 現在も大半の相談援助実習は入所型福祉施設で行われているが(竹内2004:畑2008など)[4],日常業務を主とする施設内実習は,本来のソーシャルワーカー養成のための実習にはなり得ていないことが課題として挙げられている.例えば,中村(2004)は「教育場面でソーシャルワークや面接技術を教え相談指導の専門職を養成しても,その教育を受けた者の大部分が,施設の生活指導員や児童指導員の介護業務に就く」(中村2004:169)と述べる.そこには,せっかく高度な面接技法を学生に教えているのに,それらのノウハウは使うこともなく大半の学生は排泄介助などの単調な日常業務(介護業務)の繰り返しで時を過ごしている教育機関の嘆きが聞こえる.
 なぜ日常業務に福祉固有の専門性を見いだしにくいのか.その理由として福祉の仕事自体,誰でも出来る仕事として位置づける言説がある(吉村2005:杉本2001:松川2005)[5].しかし,それよりも「日常」が様々な出来事を単調なこととして覆い隠す力(被覆力)があり,様々な出来事を「当たり前」にすること,つまり自明性が働いているからと考える(鷲田1997)[6].そしてその意味で,現場の「日常」業務は当たり前のこととして,単調に繰り返されるため,進歩のないものと捉えられる(須藤2002)[7].つまり日常業務は自明性の下,福祉固有の専門性が覆い隠されていると考える.
 とはいえ,援助者の何気ない会話や振る舞いも業務の延長線上にある.その意味で,援助者は「「援助関係における福祉サービス利用者」へ限定的に関わるわけで「単なる人間関係におけるタダの個人の全体」に関わっているわけではない」(佐野2002:52).言い換えると,援助者が何気なく利用者と関わっているときですら,援助者の中には「社会福祉実践」としての感情規則・知識・言動が動員されている.つまり日常業務の中で行われている利用者と援助者とのコミュニケーションはそれ自体がある一定の意図を持ったもの(援助過程)である.

2-2.援助関係について
 通常,援助者は利用者の利益を考え,利用者のニーズや自己決定権を優先することを第一に援助関係を取り結ぶ.そして,援助過程は利用者の何かしら(生活困難性など)の問題解決を志向するものと考えられる(丸山2004:矢部ほか2005)[8].その意味で,日常業務は一連の援助過程・関係を内包する総体と考えれば,日常業務は第一に利用者の意思が尊重され,援助者は利用者をサポートする立場にある.しかし,その一方で日常業務そのものが利用者のニーズや自己決定権を奪っているとする援助者側の権力性が指摘されている(麦倉2003)[9]
 この権力性とは例えば,日常業務遂行が利用者のニーズの実現よりも,利用者が日課を乱さない事がインフォーマルな規則(管理性)として最優先される.そのため,利用者が自分で出来る事や自己決定は制限時間内において許されることになる.あるいは,利用者に日課を守らせる事(あるいは何事もないようにすること)が援助者の力量として示されることである(麦倉2006).この管理性や権力性は援助過程にも大きな影響を与え,専門職としての本来的な役割(例えば,利用者の主体性の尊重など)とジレンマを生じさせていると考える.実習を行う学生が毎日の日課をこなす事に専門職としての意義を見出しにくいと感じるとすれば,この日常業務に内在する管理性が原因の一つとしてあると考える.
 確かに業務の範囲や管理性からの影響は免れない.しかし,その枠組みに準拠しながらも日常業務の内容を豊かにしていくこと,つまり発展的業務を行うのもまた援助者の役割である(三浦2006)[10].この発展的業務を志向しようとするところに援助者の力量が問われると考える.そして,その第一歩は目の前にいる一人の利用者をいかに視るのか,どう振る舞うのかにある.こうした発展的業務を志向する事は社会福祉士だけに求められるものではないかもしれない.しかし,社会福祉実践の基本的な姿勢の一つであると考える(田中2004)[11]

2-3.利用者への視点について
 日常業務には多様な学問やシステムがハイブリットに介在していると考える(横田1999).そして,援助者の行動は一つの理論や見方では説明できない経験知や暗黙知によって成立している(須藤2002).例えば,知的障害児者施設では利用者への発達的視点は欠かせないが,その視点ですら社会環境・保育・生体(神経などの医学的理解)・教育・心理などのあらゆる分野の知識が介在している.そして,援助者は必要に応じて多様な知識を取り入れ身体化している.例えば,たとえ最重度の知的障害でも長い期間働きかければ,数値的には変化しない事でも生活上やれることが増えるという横の発達がある(京極:2003).その発達を見極める視点は,素人では見いだすことはできない.そこに専門職としての気づきが存在し,その発達を助ける具体的な方法を見いだすのが援助者の役割である.その意味で2-2にて論じた発展的業務は,個の発達への視点が基調にあり,その上でより良い生活へのビジョンと今施設で出来ることが調整されることになる.相談援助実習の4週間では個の発達は見出しにくいかもしれないが,日常業務の取り組みには基本的に個別的な生活上の発展と配慮が入り込んでいると考える.

2-4.相談援助実習の意義
 知的障害児者施設などの施設内実習はケアワーク実習であり,ソーシャルワーク実習ではないと指摘されている(日本社会事業学校連盟2003:11).この指摘はケアワークとソーシャルワークの機能のあり方と資格の役割規定を含む議論であり本論の範囲を超える(竹内2004,中村2004)[12].しかし,ケアワーク実習もソーシャルワーク実習もコミュニケーション実習という意味では一致するのではないかと考える(中村・相澤2006).
 コミュニケーション実習とは,対人援助技術の援用を重視(意識)した実習を指す.そして,それはソーシャルワークだけではなく,ケアワークにおいても必要な視点であるとする立場をとる(中村・相澤2006)[13].例えば,コミュニケーションがうまくとれなければ信頼関係も生まれず,利用者のニーズを聞き取る事も出来ない.あるいは,食事介助でも相手の状況を把握し,非言語・言語的コミュニケーションを図らなければうまくいかないであろう.ここに,多様な対人援助技術が介在し援助関係が形成されているといえる.また別の視点から,2-3で援助者は発達的視点をもって利用者への働きかけを行っていると論じた.しかし,その働きかけは不断の観察とコミュニケーションなしには具体的な手だてを見出すことが出来ないといえる.
 その意味で知的障害児者施設での相談援助実習の意義は,ケアワークの場面を通じて対人援助技術など「「相談援助業務」に必要な能力を身につける」(竹内2004:181)立場が妥当である.
 以上,知的障害児者施設施設での相談援助実習の意義について論じてきたが,次に,具体的な方法としての記録のあり方について,そして介護過程分析表について論じていく.

3.知的障害児者施設における実習に適した記録について
 介護福祉士の介護実習が「介護」行為に集中し記録化されるが,相談援助実習は多様な職業や機関で実習を行うため,記載内容やテーマがまったく違ったものとなる.例えば,病院・行政などの相談機関に実習した場合と特別養護老人施設での介護主体の実習では違ったものとなる(遠塚谷ほか2005)[14].本論では知的障害児者などの福祉施設内実習での記録方法について論じる.

3-1.日常業務の記録化について
 2-1,2-3にて論じたが援助者と利用者の何気ない会話や振る舞いには専門職としての意識や視点が働いており,コミュニケーションそのものが援助過程であると考察した.この援助過程の明確化には,記録が最良の方法である事は様々な先行研究にて言及されている(ケーグル2006,副田2006,久保2004,樋澤2002).記録の目的は様々であるし,記録の意図などは時代と共に変化している(副田2006)[15].とはいえ,ことに利用者と援助者のコミュニケーションの中にある援助過程を記録化することについて限定すると以下の点で効果があるとされる.
 こうした援助過程を明確化する方法として久保(1998,2004)が生活場面面接の視点から,事例研究と違ったアプローチを行っている.このアプローチの特徴は『「立ち話」「ちょっとした会話」「言葉かけ」「さりげない行為」「一緒にいる事」のようなものに,光を当て,その重要性を意識化し,顕在化すること』(久保1998:213)である.なお,久保はこうした記録化について具体的なフォーマットを提供していないが[16]「事例研究のように一人のクライエント(利用者)について長く書くのではなく,実践のある場面のある出来事,エピソードの一こまを取り出して書き記す」(久保2004:163).このことによって「どのような一こまを取り出すかで,すでにその人の実践の力量というか感性を示しているともいえるのではないか.また,書き記すという行為は思考を通過するので,自分自身や互いの関わりを振り返る上で意味を持つ」(久保2004:163)と考察している.こうした援助過程を記録化する具体的方法として,田中(1994)が提唱した介護過程分析表がある.以下,介護過程分析表の理論的背景について論じる.

3-2.介護過程分析表の目的と方法について
 この介護過程分析表は,薄井(1978)[17]が提唱した看護過程分析表を福祉分野へ援用したものである.現在,看護分野ではプロセスレコードあるいは看護場面の再構成(宮本1995,副田2006)として定着している.看護分野で発展してきた記録法であるが,福祉分野でも介護過程分析表の他,支援場面の再構成として提示されている(米谷ほか2004:副田2006).そして,これらは名称が違うが方法として「1.被援助者(いわゆる対象)の状況や客観的事実を,次に2.1.に対する援助者の感じたこと思った事を,そして3.援助者が2を受けての具体的言動の事実を,最後に4.3.についての援助者の所感や評価を記述する.以上をナンバリング」田中(1994:94)し,場面を再構成するという共通性がある.
 また,この記録の目的は「看護教育において,特に自己覚知を主たる目的として発展」(副田2006:127)してきた.看護過程分析表が取り上げる場面は多様であるが(上村2007,赤星2000,的場2001など)[18],特徴として気になる場面,何気ない会話やちょっとした気づき(細部)を端緒に看護師(専門職)としての患者との関わり方を考察する.
 このように看護分野においては何気ない会話などからの気づきを大切にする.なぜなら客観的なデータを収集し看護計画を立てるにしろ「まず看護は,看護する人間の,主体的な思い方と主体的な取り組みである」(薄井1997:77)とし,「また主体性といっても,それは看護婦としての主体性を指しているのであるから,素人的な主体性で困るのである.[…中略…]素人は表面的な現象の把握にとどまるのに対し,専門家は専門的な知識に支えられて,内面の構造へ入っていけるからである」(薄井1997:77)と.
 この視点は看護分野だけではなく社会福祉分野でも適用できる[19].なぜなら,援助者は社会福祉の知識や価値観をまずもって身につけていることが前提になる.その前提があるからこそ,援助者は利用者の内面に社会福祉が捉える課題を見いだすことが出来る.そして,こうした前提に支えられてはじめて,援助者は利用者へ援助過程を踏むことが出来る.そうした実践こそが,援助者の利用者への主体的な関わりを促していくができるといえる(田中 2002)[20]その意味で日常業務をただこなすだけではこうした主体的な関わり(実践)には至らないといえる.
 以下,介護過程分析表,看護過程分析表,場面の再構成(看護・社会福祉)の一部を挙げる.

10月2日(土)




Kさんの状況

自分はどう感じたか

自分はどう行動したか

行動に対する評価


1.前日までの反省を教え,今日はベット挙上をKさんの希望を聞きながら,挙げていこう.

2.まずKさんに,「文字を書くときに書きづらくない?Kさんが痛かったり,いやじゃなかったら,ベットを少し挙げてみようかと思うんだけど,動ですか?」と聞いてみる.

3.前日までの反省を主任寮母さんと相談し,ベット挙上90°を目標としてやってみる事にした.Kさん本人の意見も大切なので,全部Kさんに話した.

4.Kさん本人も同意してくれ,少しずつベットを上げる事になり,Kさんの顔はニコニコしてきた.

5.本当に大丈夫であろうか?でも,Kさんがベットの上で座位を保ちながら,文字を書けたらいいな.

6.少しずつ挙げ,それと同時にKさんに「大丈夫?」と聞きながら挙げていく.

7.不安よりも期待の方が大きく,少しずつ挙げていき,自分だけではなく,Kさん本人と喜びながら挙げていった.

図表1:「介護過程分析表」(出所:田中1994:91-93)
利用者の概要についての記載あり.Kさん,56歳,A県C市,D身体障害者療護施設在住,障害の程度:1988年9月発症,脳出血による両上下肢機能障害一級.四肢麻痺によりほとんど寝たきりの状態であり,全面介助を要する.言語は不明瞭であるが,簡単な筆談でコミュニケーションを取る.以下,家族状況などが記載されている.二日間の記載.一回目は予備.二回目は四週間実習のうち五回程度,介護過程分析表の作成を行っている.

対象の言動・状況

どう感じどう思ったか

どう行動したか

臥床しており,そばに学生が立っていて,お腹が張るとの訴えがあったという.

3)じっと見ていたが,やがてここが痛いんですよと曲がった中指をあごで指す.

1)腸管への刺激がなさ過ぎるな.指圧してみよう.


4)指圧で痛いはずはないから?,そうか,拘縮していることか.

2)手甲部のツボを指圧しながら,「ここをもんでいると腸がグルグルなり出しますからねと言う」

5)「指が曲がったままですね.動けって命令してみて見てください」と中指を指しながら言う.


図表2:「看護過程分析表」(薄井・三瓶1996:196-197)
学生は実習二日目に婦長の指導で受け持ち看護婦と共に入浴介助を体験できた.この患者の心に働きかける絶好のチャンスと思われた場面なので,その橋渡しをした場面である.

私が見た事聞いた事

私が考えた事

私が言った事行った事

1.小銭が座頭代の所に置いてある.





4.「学生さん,タバコ買ってきてよ」

2.手術後10日目.そろそろタバコが吸いたくなってきたみたいだけど,まだ吸わない方がいい.「タバコ買ってきて」なんて言われなければいいな.


5.あーぁ,やっぱり頼まれちゃった.でも先生から許可が出ていないから,断るしかない.


3.ベットの横に立つ





6.「学生は,患者さんから買い物のためでもお金を預かってはいけない事になっているんです.それにタバコはよしておいた方がいいですよ」


図表3:看護場面の再構成(出所:宮本1995:50-51)
その後,1.なぜこの場面を再構成のために選んだのか.2.どんな背景があるのか.3.対人関係がどう生じていたのか.4.今考えればどうするべきだったのか.5.この再構成と自己評価を通じてどんな洞察を得たのかについて記述あり.

周囲の様子

利用者の言動や状態

ワーカーの思い

ワーカーの言動

意味づけ

9/21(病室にて初回面接)

3.「そうですか.よろしくお願いします」

1.病室だし,今日は,自己紹介だけで終わろう?退院の話はAさんがどこまで聞いているか分からないし,今日のところは触れないでおこう.

2.「Aさん,私はこの病院で心配事の相談などを行っているBと申します」MSWのリーフレットを渡す.「私はここに書かれているような相談を受ける仕事をしています.Aさんのことは師長さんか聞いています.私で何かお手伝いできる事があればと思っています.よろしくお願いします.


図表4:支援場面の再構成(出所:副田2006:157)
次の記載は,9/27と間隔が空いている.
そのほか,フェイスシートからの個人情報,この場面を取り上げた理由,背景,考察が付されている.

 相違点として,福祉分野(図表1と4)では,行動の評価・意味づけが表に組み込まれているのに対し,看護分野(図表2と3)では含まれていない.とはいえ,看護分野でも自己の言動を「まとめて」考察を行っている(宮本1995).
 共通点として,図表1〜4の場面は一見して援助者・看護師が当たり前に行うような事について取り上げられていることが分かる.図表1ではベットの高さを調整しようとする事.図表2では腹痛の原因を探るための患者とのやりとり.図表3ではタバコを買ってきてほしいと言われるまでのやりとり.図表4では利用者への挨拶に至る思考である.その当たり前のやりとりの一部について,その様子が細部まで手に取るように再現されている.
 図表では一部のみの掲載であるが,援助者の行為や言動の一部について細やかな「考察」が加えられていることが分かる.例えば,図表2の1)による「思い」が,2)の行動を促し,患者の3)の反応を引き出している.これらの行為は,日常業務あるいは看護過程の中ではごく細部である.しかしそれらを丁寧にたどる(記録する)ことで,自分が何を為そうとしたのかを客観的に把握し,意味づけることが出来るのである.
 また,援助行為が一連の思考や状況の連続体の中で位置づけられていることが介護過程分析表は明らかにする.例えば,図表1では,3の前日の主任との話し合いの影響を受けながら,利用者の反応を読み解きながら様々な試みが為されて7の考察へ至っている.その過程をたどることで一つ一つの試みの前後に文脈と理由があり,一体として援助過程を形成していることを介護過程分析表は明らかにする.そうして集積されたものを見直すことで,客観的に自己の行為を見直すこともさることながら,利用者について自分(援助者)はどう思っているのかといった関係性の再構築や次への取り組みの動機付けになっていくといえる.
 いずれにしろ,介護過程分析表は個の利用者への何気ない関わりの中から援助過程を明確化することに適した記録方法であることが分かる.
 次に介護過程分析表を実際に相談援助実習で援用することについて考察を行う.

4.実際の実習で介護過程分析表を援用する場合の課題と効果について
 4では,実際の相談援助実習で介護過程分析表を援用する場合のどのような課題があり,どのような効果があるのかを考察する.なお,このことについては筆者が勤務する知的障害児施設にて実習を行った4人の学生へ介護過程分析表を実際に使用し,筆者が実習指導を行っている.その結果を踏まえ論じることとする.なお,介護過程分析表を実際の相談援助実習に援用するにはいくつかの検討事項がある事が分かった.
 以上,1〜3について検証し実際の援用について提示する.

4-1.介護過程分析表を援用する時期について
 実習過程には様々な見解があるが,実習初期では,自分が意図する実習をすぐに行えるわけではないことは確かである.まずは業務内容を覚え,職員と利用者に慣れることが第一の目標になる(熊坂2008,植本2003など)[21].さらに,知的障害児者施設の場合は,障害について机上あるいは一面的にしか学習していないため,実習初期に個々人の障害や性格の多様性に気づき,知識不足にも痛感すると言われる(高木2000)[22].そんな状況の中で,介護過程分析表をいきなり実施するには無理がある.なぜなら,利用者をどう見るのか,どう振る舞ったらいいのかがそもそも分からないからである.このことは筆者が実習指導を行ったどの実習生にも見られ,戸惑いから固まる,あるいはどう会話をしていいのか分からず消極的になることが多かった.
 まずは,自分の方から関わりを持とうと余裕が生まれる時期(個人差はあるが,いわゆる実習中期以降(熊澤2008)[23]実施することが妥当であると考える.さらにある程度,個人情報の収集をし,利用者の個性や障害状況について把握しておく必要があろう.とはいえ,確かに環境に慣れることが初期の実習過程では重要であるが,予めプログラムとして介護過程分析表を使用することを実習生に伝えることは,学生側からすれば実習受け入れ側の意図を把握しやすいと考える.

4-2.日常業務から個人への焦点化について
 介護過程分析表は,どちらかといえば利用者と援助者一対一の関係を記述する.しかし,日常業務(日課)は集団的に行われる場合が多い.そのため,援助は常に複数の利用者と関わり,複数の利用者同士の関係へ介入が行われている.よって,漫然と関わるとどうしても日課の中で何があったのか,誰(利用者)と誰(利用者)が関わっているのかに注視がちである.実際の実習でも実習日誌が日課の流れをただ記述されるだけになる.あるいは,前後の出来事の細部が分からないままに多様な利用者に振り回された出来事が記載され,実習指導者が説明を求めないと状況が分からない記録も見られた.よって,日常業務を追っているだけでは,同一の利用者と援助者(実習生)との関わりは断片的あるいは希薄になりやすい.
 そのため介護過程分析表を援用するためには,どこかで利用者個人を焦点化していく必要がある.焦点化することで,常に特定の利用者へ意識的に関わろうとすることで実習生の実践に能動性と一貫性が生まれると考える.なお焦点化にあたっては,介護過程分析表を実習に使用することを伝えると同時に,実習を進めていく中で,実習生が気になる利用者を自らが選んでもらう.あるいは予め焦点化する利用者を指導者が指定するなどを話すことで対応できると考える.

4-3.介護過程分析表の記載について
 実習では,実習日誌でもってその日の成果が記される.それゆえ実習日誌をしっかり書くことに最大限力を注ぐことが求められる(樋澤2002,杉本2006)[24].そのため実習記録と介護過程分析表の二つ同時に記載することはかなりの負担感があると考える.なぜなら,介護過程分析表の意図が,自分自身(援助者側)の心理的な働きや五感を総動員して,利用者の気持ちを洞察し,推測し,利用者と関係を図ろうとする自己の試みを再現する分・秒単位の思考のフィルムであり,自らの行為を考え抜く必要があるからである.実際に,筆者が指導したほとんどの実習生は最初,介護過程分析表を目の前にして,何をどう書けばいいのか分からないという戸惑いや実際に掘り起こしてみると,案外何も考えていなかったという事実に悩むことが多かった.また,書くことが得意でない学生から実習日誌と介護過程分析表を二つ書くことにかなりの負担感であったと言われたことがある.
 とはいえ介護過程分析表はちょっと気になる場面や何気ない声かけなどを端緒に記述されていくのであれば「ある一場面の複数の思考や行為」を詳細に展開して書くのではなく,「ある一場面の一思考や行為」を取り上げ,一日一項目でも記載する程度によいとすれば実習記録と介護過程分析表を二つ書くことによる負担感は軽減出来ると考える.そのように介護過程分析表を簡便化しても,結局何週間か集積されるわけであるから,同一の利用者に対してどのような事で気になったのか.あるいは援助過程(実践)はどう発展したのかについて全体的に見る事が出来ると考える.つまり,実習期間全体の中から,いくつかの場面を取り上げるのではなく,毎日の中から一つの場面を(簡単に)取り上げ,連続体として見ていくということである.
 なお実習生は援助を試みる場合,職員の行為を模倣あるいは参考にすることが多々あると考える.介護過程分析表は,自分の行為を客観的に見ることを目的とするならば,他者の行為をどう思ったのか.そして,他者の行為を模倣してみての考察を含めて良いと考える.そして,実習終盤には実習指導者と共に介護過程分析表の結果を集積し,考察する必要がある(副田2006)[25].そうした作業を経て,実習プログラムとして介護過程分析表がはじめて活用されたと言える.

5.考察
 以上,本論では介護過程分析表の理論的背景から,知的障害児者施設での相談援助実習において実際どのように介護過程分析表が援用すればよいかについて検証してきた.
 考察にあたり,田中(1994:94)は介護過程分析表の意義について以下の1〜4にまとめている.
 1〜3については,主に3-2や4ですでに考察しているため繰り返さない.4に関して若干考察を加える.4の意味について,日常業務の細部には援助者として様々な思いや試行錯誤(援助技術を包含)がある.そして,それは日常という連続体の中で,連綿と積み重ねられていく中で,その援助者だけが行える専門技術が形成される.それこそが,その援助者がなしえる社会福祉実践の創造であると考える.そこに援助者個人の独自性があり,その独自性が援助者の主体的な取り組みになると考える.その意味で,実習生が自らの(ささやかな)実践を洞察し,それが何によって根拠づけられているのかを掘り下げることで,自らの主体的な実践が生まれていくと考える.その意味で介護過程分析表は有効な記録方法であるといえる.
 また,知的障害児者施設での相談援助実習において実際,どのように介護過程分析表を援用すればよいのかについて検証をし,以下のように考察された.
 総じて,知的障害児者施設のように長期間・同じ空間で利用者と関わり続けることが出来る状況では,実習プログラムとして介護過程分析表の援用は適切なものといえる.
 あまり論じなかったが,実習の意義は目の前の利用者に業務を通じて実際に働きかける「体験そのもの」である(高木 2000).そしてその体験は,実習生の価値観を少なからず変える.介護過程分析表は,利用者との些細な会話やノンバーバルなコミュニケーションの中にも,福祉実践があることに気づける方法である.その微細なコミュニケーションの襞を意識することで,実習生が知的障害児者に対してより興味と関心を抱いてくれたらと思う.
 最後に本研究は,文献研究による知的障害児者施設における相談援助実習のあり方として,介護過程分析表を手がかりに,日常業務を読み解く事の意義について枠組みを考察した.今後は,介護過程分析表の実際の記述を提示し,その効果を考察することが求められる.


[1]) 平成24年から相談業務に3年以上従事した者であり,かつ社会福祉士会などが実施する「実習指導者研修」を修了認しないと,現場実習を受け入れられないことが決定している.
[2]) 特に知的障害児施設では,現場実習の受け入れよりも,保育士養成の施設実習が多い.さらに,採用は保育士が用件として求められ,どのようにソーシャルワーカーを養成すれば良いかは難しい課題である.中村は,医師よりも強固な法的規定による役割規定がないこと.所属する組織に規定されてしまい,職種間の役割の違いをいくら強調しても実効性がないこと.日本社会事業学校連盟は,入所施設におけるソーシャルワークについて規定しているが,ケアワークとの未分化やソーシャルワークにおける認識が低いことを指摘.
[3]) 個別援助技術なのか集団援助技術なのかなどの技術体系別.あるいは,開始期〜終結期別といった援助過程別.病院や包括支援などの相談業務なのか介護業務中心なのかといった機関別など用途は様々である.
[4]) 竹内は相談援助が求められる現場実習であるが,施設への実習が9割に上り,内容としてケアワークが中心的に占めることを言及.畑もその年度の実習先を一覧しておりおおよそ9割が入所型の施設への実習となっている.
[5]) 吉川は,児童養護施設の指導員はソーシャルワーカーであるかどうかという論点から,厳密にはそうではないこと.しかし,ソーシャルワーカーを指向することの重要性を.杉本や松川は福祉労働の視点から,誰でもできること.女性特有の労働として,アンペイドワークとしていることを指摘.
[6]) この自明性と被覆力の問題は,相当の深みがあるが,自明性とは,歴史的・経験的先行性を指し,すべての個人の行為はこうした先行性が根底にあって意味づけられていることを指す.しかし,この先行性で決められていることはわずかであり,様々な解釈によって可変であることも論じている.
[7]) 現場に飛び込むことを賛美する一方で,「現場イコール組織・機関の最底辺,またそれ故汚れた仕事,苦しい仕事,割に合わない仕事」(須藤2002:24)として貶められる.さらに,須藤は,現場の仕事は単調な繰り返しではあるが,それが利用者の生のリズムを支えることになることなど肯定的な側面を論じている.
[8]) 矢部は援助過程とは問題解決過程としての立場としての一連の流れを指している.本論では,そうした視点に立つものの,より微細な援助関係における相互性を明確化するプロセスとして援助過程を用いている.
[9]) 麦倉は,そのほかに利用者の行動をいかに予測できるか.効率的に日課をこなせるかが援助者の力量として援助者間の力関係にも影響を与えていることも指摘している.このほか,援助者の権力については,不適応対応や虐待などの問題などがある.
[10]) 三浦は,事務職の労働実践を大量処理や効率という視点で説明すれば,固定的なプロセスとした場合,社会福祉の実践は個別性への洞察は,新たな事象を開くという意味で発展的なプロセスを踏んでいると指摘している.
[11]) 例えば,最終的に社会福祉が「個別性の重視と対象の担い手(つまり利用者)との具体的な関係性においてのみ成立する」(田中2004:31)など
[12]) 竹内は,ほとんどの現場実習が介護施設などのケアワーク中心の実習を行うため,むしろ介護技術の習得などをカリキュラムとして入れる必要があるのではないかと論じている.中村は,先行研究からケアワークとケースワークの相違点と共通点を抽出している.
[13]) ケアワークかソーシャルワークかという区別と言うよりも,むしろ福祉の仕事自体がコミュニケーション労働であるとする立場をとっている.
[14]) 遠塚谷らは,実習施設・機関別に8種類の実習モデルを構築.それぞれの機関で学びうることや専門性について,強弱をつけたものとなっている.
[15]) マネジメントの手法やマッピング,あるいは集団援助,個別援助,機関の役割によってとられる記録は違う.また,記録の持つ,客観性や一般化が重要視されていたが,昨今では個人情報の取り扱い方や当事者による記録,あるいは当事者への記録公開などにより,援助者の権力性をなくそうとする取り組みがある.
[16]) 『ソーシャルワーク研究』24(3),1999年で特集としていくつかの事例が掲載されている.
[17]) 初版は,1978年であるが,参照した文献は,1997年の第3版である.
[18]) 上村は小児看護で困惑した場面,赤星は精神医療分野での初対面の患者に対する関係性,的場はターミナル医療分野となっている.また,他の文献でも若干フォーマットに工夫が施されている.
[19]) 看護とは,薄井(1997:107)によると「生命力の消耗を最小にするよう生活過程を整える」ことであり,看護の問題とは「看護婦が対象の生活過程に調和の乱れを発見し,自力で回復困難と判断した事」を指し,その解消を図ることである.社会福祉は,例えば吉田(1995:16)が,「社会福祉は主として資本主義の矛盾から生じる生活不安」や,その担い手である「生活者」に,社会が「共同福祉」的思想をもって,問題の克服に,組織的な「政策」や「サービス」を通じて援助し,その「自立」を促す歴史的社会的実践である」と.看護師が対象を生物体として捉え,その生活過程へアプローチするのに対し,社会福祉援助者は,対象へ「生活者」としてアプローチし,その状況への介入となるといえる.
[20]) 田中は,仮説演繹的方法でのアプローチを提示し,まず対象へのイメージ作り(対象観)とその対象観への不断の反証を積み重ねることが必要であると述べている.そこには対象者の属性やデータの集積ではなく,関わる(援助者)側の価値観の積み重ねが問題視される.もちろん社会福祉理論や前提があってのことである.
[21]) 熊澤は現場実習にかかる論文を多角的に分析している.実習過程としては,リアリティショックとコーピングへの努力→利用者へのプラス評価の浮き沈みと職員への同一化→観察力の形成増大→利用者への共感形成と振り返りの形成という体験過程を経ると考察.植本は,KJ法を用いて実習中に感じるとまどいの構造を分析.
[22]) 机上の知識だけではなく,「障害を持つ人との接触経験によって「障害および障害者の理解」が深まる」(高木2000:89)ことを論じ,そうした経験の少ない毎年の学生を見るにつけ,ソーシャルワークの援助の前に,そうした経験を得ることの重要性について論じている
[23]) 特に中期としては,初期の利用者や職員あるいは日常業務に振り回される段階から,「観察力の形成増大→利用者への共感形成と振り返りの形成」(熊沢2008:70)など,実習生自身が余裕を持つ時期を指している.
[24]) 杉本はエスノグラフィーとして実習日誌をとらえ,樋澤は,実習日誌の機能について多面的に論じている.
[25]) 副田(2006:122-128)参照のこと

引用文献
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副田あけみ・小嶋章吾編著(2006)『ソーシャルワーク記録』誠信書房.
J.D.ケーグル著久保紘章,佐藤豊道監訳(2006)『ソーシャルワーク記録』相川書房
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宮本真巳(1995)『看護場面の再構成』日本看護協会出版会
薄井坦子,三瓶眞貴子(1996)『看護の心を科学する』日本看護協会出版会
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米本秀仁ほか編著(2004)『事例研究・教育法』川島書店.
吉田久一(1995)『日本社会福祉理論史』勁草書房
吉村公夫(2005)「児童指導員とソーシャルワークについて」『名古屋大学大学院人間文化研究科人間文化研究』3,31-41.
鷲田清一(1997)『現象学の視線』講談社学術文庫

The main subject explains training meaning to do Social Work Field Practice in place Social Welfare Facilities
(especially, intellectual disorder child person facilities).

It is mentioned whether there is training meaning in analyzing user's and care worker (trainee)'s communication in detail from the point of view that daily business is read how and untied as the characteristics.
The main subject presents a Care Process Analysis Table as a technique of this analysis. Four features are enumerated.
1) This can catch one case in the time series just like each frame of a film.
2) One's approach on the care worker process can be placed objectively in the general view. 3) It is easy to grasp care worker and user’s mutual relation. 4)It is easy to understand that help is not the accumulation of the technology,but it is the total body of the very creative and rational behavior.Moreover, it proposes specifically how you have only to employ a Care Process Analysis Table in the actual training process. For example, you should do the assessment of the individual record through the training process former term to accustom to the business in case of practical use. And, it is indispensable necessary condition to make it to the focus on the individual from the group-like relations.

Key Word; Care Process Analysis Table,Social Work Field Practice, Intellectual Disorder Child Person Facilities


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