ピモジド pimozide(JAN) 抗精神病薬 1179i

【組成】

[細]:1% [錠]:1錠中1 mg,3 mg ピモジドは白色〜微黄白色の粉末 で,におい及び味はない。

【適応】
(1)精神分裂病
(2)小児の自閉性障害,精神遅滞に伴う次の症状
(a)動き,情動,意欲,対人関係等にみられる異常行動
(b)睡眠,食事,排泄,言語等にみられる病的症状
(c)常同症等がみられる精神症状

【用法】
(1)精神分裂病:1日1回初期量1〜3 mg,症状に応じ1日4〜6 mgまで漸増(増減)。必要に応じ2〜3回に分服,最高量1日9 mgまで,維持量6 mg以下。1日1回投与の場合は朝が望ましい
(2)小児の自閉性障害等:小児1日1回1〜3 mg(増減)。1日6 mgまで増量でき,場合により1日2回に分服できる。安定した状態が得られた場合,適当な休薬期間を設け,その後の投薬継続の可否を決める

【作用】

(1)薬効薬理
(a)神経遮断剤に特有な薬理作用として,ラット,イヌ又はサルで強い条件反射抑制作用,抗アポモルヒネ作用,抗アンフェタミン作用,カタレプシ−引起し作用等の作用はクロルプロマジンよりも明らかに強く,ハロペリド−ルと同等若しくはやや強い。クロルプロマジンやハロペリド−ルに比べて発現は比較的緩徐,持続は明らかに長い
(b)マウスで麻酔増強作用,ラットで体温下降作用はクロルプロマジンやハロペリド−ルよりはるかに弱く,末梢でアセチルコリン,ヒスタミン及びエピネフリンに対する拮抗作用も弱い
(c)ラットで脳内ドパミンやノルエピネフリン濃度には明らかな影響はなく,大量で低下。脳内ドパミン受容体を選択的に遮断,その代謝回転率を亢進,ノルエピネフリン系ではその受容体を遮断せず代謝回転率だけを高める
(d)無為,自閉,接触性・疎通性障害等の症状改善と共に,自発性亢進,作業への積極的参加,作業能率増進等,社会性を喚起する目的に適した効果を得る。一定の精神的活動水準の維持,症状の安定化作用。催眠鎮静作用は弱く,自律神経系作用も少ない
(3)臨床適用(a)精神分裂病:一般臨床試験による有効率([ ]内やや有効以上)は38.2%(143/377)[60.5%(227/377)]で,単独投与42.2%(84/199)[62.3%(124/199)],併用投与33.1%(59/178)[57.9%(103/178)]。悪化は14.9%(56例)に単独投与15.6%(31例),併用投与14%(25例)。単独投与群の199例中には眠剤又は抗パ−キンソン剤等の効果判定に影響を及ぼさないと考えられる薬剤併用例も含む
(b)小児行動異常:一般臨床試験(小児,思春期患者)による改善率([ ]内,軽度改善以上)は49.2%(120/244)[79.9%(195/244)]で,単独投与41.4%(58/140)[80%(112/140)],併用投与59.6%(62/104)[79.8%(83/104)]。悪化は1.6%(4例)に単独投与1.4%(2例),併用投与1.9%(2例)。単独投与とはneuroleptica,minor tranquilizer,抗うつ剤,抗けいれん剤,脳代謝賦活剤等の効果判定に影響を及ぼすと考えられる薬剤併用のない例
(c)副作用:成人で20.6%(583/2,832),小児で27%(89/330)

【製品・薬価】

オ−ラップ細粒 藤沢薬品 1%1g 240.10


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