メシル酸ペルゴリド pergolide mesilate(JAN) ドパミンD1,D2作動性抗パ−キンソン剤 1169i

【組成】
[錠]:1錠中ペルゴリドとして50 μg,250 μg
メシル酸ペルゴリドは白色〜微黄白色の結晶又は結晶性の粉末で,メタノ−ル又はジメチルホルムアミドにやや溶けにくく,水又は無水エタノ−ルに溶けにくく,エ−テルにほとんど溶けない

【適応】
パ−キンソン病。1回30日分投薬適用除外(平成8年8月末日まで)

【用法】
通常,レボドパ製剤と併用する。ペルゴリドとして1日1回50 μgを夕食直後2日間投与。以後,2〜3日ごと,1日量として50 μgずつ増量し,第1週末には1日量150 μg。第2週目は1日量300 μgから開始し,2〜3日ごと1日量として150 μgずつ増量。第2週末には1日量600 μg。1日量100 μgの場合は朝夕食直後に,1日量150 μg以上の場合は毎食直後に3分服。第3週目は1日量750 μgから開始し,以後有効性及び安全性を考慮しつつ増量し,維持量(標準1日750〜1,250 μg)を定める。なお,増量速度は随伴症状,年齢等により適宜増減

【作用】
(1)薬効薬理
(a)中枢神経系に対する作用()常同行動の誘発作用:ラットで用量依存的に常同行動の誘発作用()回転運動の誘発作用:黒質線条体片側破壊ラット(Ungerstedtモデル)で強い持続性の反側回転運動の誘発運動。また,同処置ラットで,α-methyl-paratyrosineの前処置をしても,本剤の反側回転運動は軽度しか抑制されない()抗振戦作用:腹内側被蓋野(VMT)障害サルの体位性振戦に対し,強い抗振戦作用()自発運動量に及ぼす影響:ラットへの低用量投与では,総自発運動量を低下,高用量で運動促進作用()黒質線条体ドパミン神経に及ぼす影響:ラット長期投与(2年間)により,黒質線条体ドパミン神経の加齢に伴う変性の防止作用()ドパミン代謝回転率に及ぼす影響:ラットの脳内3,4-dihydroxyphenyl aceticacid (DOPAC)含量を減少させ,ドパミン代謝回転率を減少させるが,セロトニン, ノルエピネフリンの代謝に対する影響は弱い()脳内ドパミン受容体に対する親和性:ウシ脳線条体膜で,D1とD2両受容体に親和性
(b)内分泌系に対する作用()プロラクチン分泌抑制作用:レセルピン処置ラットで,血中プロラクチン値を低下()コルチコステロン分泌促進作用:ラットで血中コルチコステロン値を上昇
(d)副作用及び臨床検査値の変動:初期・後期第II相及び第III相試験で副作用は46.7%(278/595)に,消化器系で悪心17.8%,胃部不快感・胸やけ14.3%。食欲不振9.6%,嘔吐5.4%,便秘3%,口渇2.5%,胃痛・心窩部痛1.3%,口内炎・口中のあれ0.8%,下痢0.5%,神経系でジスキネジア5.4%,めまい・ふらつき4.9%,頭痛・頭重感2.5%,頭がぼうっとする0.5%,精神系で幻覚5.9%,不安・興奮・焦燥感2.7%,妄想1.7%,傾眠・眠気1.7%,pj0.7%,不眠0.7%,循環器系で立ちくらみ・起立性低血圧1.5%,動0.8%,その他に全身倦怠感・不快感0.8%,発疹0.7%,浮腫0.5%等。長期試験では49.2%(185/376)に前記の他,すくみ足,排尿障害各0.8%,口中しびれ感・違和感,呼吸困難・息切れ,貧血,熱感,摂食異常,腰痛・肩こり,肝機能障害各0.5%等。臨床検査値異常は初期・後期第II相及第III相試験のレボドパ併用群446例中,Al-P上昇3.3%,GOT上昇1.6%・GPT上昇2.7%,LDH上昇,ヘモグロビン低下,白血球減少各2.2%,尿潜血2.1%等。外国のプラセボ対 照臨床試験で,死亡例がプラセボ群に187例中1例,本剤群では189例中1例に認められている。また,1988年10月までの市販前の臨床試験症例2,299例中143例が投与中又は中止後の早い時期に死亡していたが,個々の患者における臨床経過の検討でも本剤の関与が疑われる所見は認められなかった。本剤の関与は考えにくいが,また,関与の可能性を完全に否定することもできない

【製品・薬価】
ペルマックス錠250μg リリ− 250μg1錠 391.70

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