ペントバルビタ−ル塩 pentobarbiturate 催眠・鎮痛・麻酔剤 1115,1125

【組成】
[錠]:1錠中ペントバルビタ−ルカルシウム50 mg [注]:1バイアル(50 ml)中ペント バルビタ−ルナトリウム2.5 g。pH:約9.0〜9.5
ペントバルビタ−ルカルシウムpentobarbital calcium(JAN)は白色の粉末で,においはない。水にやや溶けにくく,エタノ−ル又はピリジンに溶けにくく,無水エタノ−ルに極めて溶 けにくく,無水エ−テル又はクロロホルムにほとんど溶けない。
飽和水溶液のpHは約9.5
ペントバルビタ−ルナトリウムpentobarbital sodium(JAN)は白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはない。水に極めて溶けやすく,無水エタノ−ルに やや溶けにくく,ピリジン,無水エ−テル又はクロロホルムにほとんど溶けない。
水溶液(1→10)のpHは10.0〜11.0。吸湿性。水溶液は放置するとき,徐々に分解する。また,水溶液を加熱し,冷却するとき,沈殿を生じる

【適応】
[内]:不眠症,麻酔前投薬,不安緊張状態の鎮静,持続睡眠療法における睡眠調節,無痛分娩 [注]:
(1)麻酔前投薬,全身麻酔の導入
(2)不安緊張状態の鎮静,不眠症
(3)けいれん状態の抑制

【用法】
[内]:不眠症には1回50〜100 mg就寝前,麻酔前投薬には手術前夜100〜200 mg,手術前1〜2時間に100 mg,不安緊張状態の鎮静には1回25〜50 mg 1日2〜3回,無痛分娩には200〜400 mg次いで3時間ごとに150 mgを追加し,娩出期(分娩第2期)に進 めば中止(増減) [注]:初回100 mg静注,1分以内に効果は現れるが,効果が不十分な場合には更に50 mgずつ追加(増減)。投与全量は500 mgまでとする。小児及び衰弱した患者には,前記の約1/2量を用いる。筋注する場合には,1回当たり250mgを超えてはならない

【作用】
(1)薬効薬理(ナトリウム塩):バルビツ−ル酸誘導体は,中枢神経系に対し全般的抑制作用を現すが,特に大脳皮質及び脳幹網様体の抑制が強く,小脳,脊髄に対す る作用は比較的弱く,延髄の機能抑制は最も弱い。ナトリウム塩をイヌに25 mg/k g静注開始後1〜2分で痛覚に対する反応が消失し完全な麻酔期に移行,30〜40分間 持続。ネコに静注又は腹腔内注射のいずれも25 mg/kgでは睡眠だけであったが,2 8〜33 mg/kgでは深麻酔が得られた。静注では,注入直後〜1分以内に深麻酔に移 行,その持続時間10〜30分間。また,腹腔内注射では,3〜8分後から入眠,深麻酔10 〜40分間持続
(2)体内薬物動態(ナトリウム塩) 血中濃度(μg/ml):健常人に50 mgを5分間で静注時,5分後1.2,30分後0.8,1時間後0.5,2時間後0.4,3時間後0.4,血 中消失は2相性を示し,半減期はα相0.4時間,β相約50時間

【製品・薬価】
ネンブタ−ル注射液 大日本 5%10mlバイアル 308
ラボナ錠 田辺製薬 50mg1錠 11.50

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