塩酸モサプラミン mosapramine hydrochloride(JAN) イミノジベンジル系精神神経安定剤 1179i

【組成】

[]:10% [錠]:1錠中10 mg,15 mg,25 mg,50 mg 塩酸モサプラミンは白色〜微黄褐白色の結晶性の粉末で,においはない。ギ酸に溶けやすく,水にやや溶けに くく,メタノ−ル又はエタノ−ルに溶けにくく,ジメチルホルムアミドに極めて溶 けにくく,アセトニトリル,無水酢酸又はエ−テルにほとんど溶けない。光により 徐々に着色する。融点:約270゜(分解)

【適応】

精神分裂病

【用法】

1日30〜150 mg,3回に分服(増減)。1日300 mgまで増量できる

【作用】

(1)薬効薬理
(a)ラット,マウス,イヌでの抗アポモルヒネ作用,マウス,ラットでの抗メタンフェタミン作用などの中枢ドパミン受容体遮断作用はクロカプラミンの 約2倍強力
(b)ラットのin vivo試験で側坐核ドパミン受容体を強力に遮断
(c)ラットのin vitro試験で,中枢ドパミン受容体(3H-スピペロン結合部位)に対しハロペリド−ルより高い親和性
(d)ラットのin vitro試験で,中枢5-HT2受容体(3H-スピペロン結合部位)に対し高い親和性
(e)ラットでのカタレプシ−引起し作用はハロペリド−ルより弱い
(f)作用機序:抗精神病薬の作用機序は中枢ドパミン受容体遮断作用と密接な関連が推定されるが,本剤は(行動薬理学的方法,神経化学的方 法)強力な中枢ドパミン受容体遮断作用
(3)臨床適用:二重盲検 比較試験を含む169施設1,119例。1日20〜300 mg,大部分8〜12週間,3年間の症例も含む
(a)臨床効果(改善率):精神分裂病に対し中等度改善以上34%(374/1,104), 軽度改善以上62%(684/1,104)。二重盲検比較試験で精神分裂病に対する有用性が 認められている
(b)副作用及び臨床検査値の変動:副作用は44%(489/1,119)に,パ−キンソン症候群18%(200件),アカシジア・眠気各11%(126件),便秘7%(83件),睡眠障害7%(75件)など。臨床検査値の異常変動ではGOT(11/1,043),GPT(13/1,043), Al-P(4/1,024),CPK(2/94),赤血球数(2/1,034),ヘモグロビン(2/1,034)

【製品・薬価】

クレミン粒10% 吉富 10%1g 220.00

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