塩酸モペロン moperone hydrochloride(JAN) 精神安定剤 1179i

【組成】

[散]:10% [錠]:1錠中5 mg
塩酸モペロンは白色〜帯黄白色 の結晶又は結晶性の粉末で,においはない。氷酢酸又はメタノ−ルに溶けやすく,クロロホルム にやや溶けやすく,水又はエタノ−ルにやや溶けにくく,エ−テルにほとんど溶けない。水溶液(1→250)は微酸性。融点:約220°(分解)

【適応】
精神分裂病

【用法】
1日10〜15 mgから始め,漸増,1日20〜30 mgを症状が改善するまで継続,維持量1日10〜15 mg(増減)

【作用】

(1)薬効薬理 中枢神経抑制作用:マウス,ラットの皮下注で,クロルプロマジンに比べ強力な抗アンフェタミン作用,抗アポモルヒネ作用,麻酔睡眠増強作用,条件 反射抑制作用,ハロペリド−ルと同質
(2)臨床適用(a)臨床効果:比較試験を含む臨床試験212例中,精神分裂病の有効率43.8%(89/203)[やや有効以上56.2%(114/20 3)]。ペルフェナジンを対照薬とした比較試験で有用性が認められている
(b)副作用及び臨床検査値の変動:副作用は26.4%(861/3,261)に,パ−キンソン症状3.5% (113例),手指振戦2.7%(89例),アカシジア1%(32例)等の錐体外路系症状,不眠3.1% (100例),口渇2.4%(78例),焦燥感2.1%(69例),眠気1.6%(52例)等の精神神経系症状, 食欲不振0.9%(30例),悪心0.6%(19例),便秘0.5%(16例)等の消化器系症状等(抗精 神病薬に共通のもの)。他にGOT,GPTの上昇,ウロビリノ−ゲン陽性,倦怠・疲労感, 鼻閉等

【製品・薬価】
コダマロン細粒 小玉 10%1g 237.60
ルバトレン錠 山之内 5mg1錠 17.60

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