塩酸メチキセン metixene hydrochloride(JAN) チオキサンテン系副交感神経遮断・鎮けい剤 1169i

【組成】
[散] :1% [錠]:1錠中2.5 mg
塩酸メチキセンは白色の結晶性の粉末で,においはない。エタノ−ルに溶けやすく,水又は氷酢酸にやや溶けやすく,エ−テル にほとんど溶けない。水溶液(1→50)は弱酸性。融点:214〜218°

【適応】
薬物性パ−キンソニズム,特発性パ−キンソニズム,その他のパ−キンソニズム
(脳炎後,動脈硬化性)

【用法】
1日15 mg,2〜3回に分服(増減)

【作用】
(1)薬効薬理
(a)抗トレモリン作用:トレモリン20 mg/kg腹腔内投与時にみられるマウスの振戦,過緊張,過運動,流などの症状に対し,5 mg/kg腹腔内投与で完全に 抑制,ED50は2.02 mg/kgで,アトロピン3.42 mg/kgに比べ強力で,この用量では行 動上に何ら変化は認められない
(b)副交感神経遮断作用:アトロピンに対し,モルモットの摘出腸管でアセチルコリン性けいれんの緩解作用は1/2.5,散瞳作用はマ ウスで1/2,000(局所)〜1/7.5(経口),唾液分泌抑制作用はマウスで1/32(静注),ラットで1/87(静注)
(c)胃腸管運動抑制作用:犬の迷走神経電気刺激,塩化ベタネコ−ル,ガストリンによる胃運動亢進を,いずれも2 mg/kg(静注)で完全に抑制。骨 盤神経直腸枝刺激による大腸運動亢進を100 μg/kg(静注)で完全に阻止,自動運 動抑制作用は全く認められない
(d)抗ヒスタミン作用:モルモットのヒスタミン性喘息に対し保護作用。摘出腸管のヒスタミン性けいれんにはジフェンヒドラミ ンと同等の緩解作用
(e)麻酔協力作用:マウスのペントバルビタ−ル麻酔によく協力し,またネコ,ウサギに投与後,脳波上に徐波化がみられるが,行動上には何ら 変化を伴わない

【製品・薬価】
塩酸メチキセン錠「ミタ」 ファルマ− 2.5mg1錠 8.90
コリンホ−ル散 東京田辺 1%1g 32.40
マナミセン 鶴原 2.5mg1錠 8.90
マハトミン錠 全星 2.5mg1錠 8.90
メチキサ−ト錠 扶桑 2.5mg1錠 8.90

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