塩酸マザチコ−ル mazaticol hydrochloride(JAN) パ−キンソン症候群治療剤 1
169i

【組成】
[散]:1% [錠]:1錠中4 mg
塩酸マ ザチコ−ルは白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはなく,味は苦い。氷酢酸又はクロロホルムに溶けやすく,メタノ −ルにやや溶けやすく,水又は無水酢酸にやや溶けにくく,エ−テルにほとんど溶けない。融点:約195°(分解)(乾燥後,試料を105°乾燥器中で毛細管に挿入する)

【適応】
向精神薬投与によるパ−キンソン症候群

【用法】
1回4 mg,1日3回(増減)

【作用】
(1)薬効薬理:中枢性抗コリン作用が強く,末梢性抗コリン作用(散瞳,口渇など)は弱い
(a)中枢性抗コリン作用()マウスでトレモリン振戦抑制作用は,経口投与でED50=6.2 mg/kgで,トリヘキシフェニジル(ED50=7.1 mg/kg)と同等()マウスでフ ィゾスチグミン致死抑制作用は,経口投与でED50=14.1 mg/kgで,トリヘキシフェ ニジル(ED50=21.4 mg/kg)よりやや強い()サルでハロペリド−ル誘発錐体外路症 状は,本剤の前投与(経口)により著明に抑制
(b)ドパミン作動ニュ−ロンに対する作用:10-5Mの濃度でラット線条体神経終末へのドパミンの取り込みを約50%抑制 し,これは10-4Mのトリヘキシフェニジルと同程度
(2)臨床適用
(a)臨床効果:二重盲検試験を含む8種の臨床試験で有効率70.9%(151/213)
(b)副作用:7.7%(296/3,852)に,精神・神経系6.83%,消化器3.61%等
(3)非臨床試験
(a)毒性LD50(mg/kg)ICR-JCL系マウス:経口=♀858,皮下=♂341,Wistar系ラット:経口=♂1182,皮下=♂10 99
(b)催奇形性:ICR-JCL系マウス,Wistar系ラットの器官形成期に1日1回経口投与で,催奇形作用は認められないが,妊娠動物の体重増加抑制傾向と胎仔の軽度な 発育抑制が認められた
(c)一般薬理:末梢性抗コリン作用()マウスに経口投与時の散瞳作用発現のED50は31 mg/kgで,トリヘキシフェニジルの約1/2()マウス経口 投与でピロカルピン流抑制作用は,ED50=9.2 mg/kgで,トリヘキシフェニジルと同等,アトロピンより弱い()胃運動(ネコ,経口)及び腸管運動(ウサギ,静注)の抑制 作用は弱く,トリヘキシフェニジルと同等ないしそれ以下
(d)吸収・排泄:ビ−グル犬に経口投与後3〜5時間で最高血中濃度,以後漸減。24時間以内に約60%が尿中 排泄。

【製品・薬価】
ペントナ散 田辺製薬 1%1g 67.40

目次