メイクン・ブレイク

Make'n'Break(メイクン・ブレイク)

 ルールは簡単。しかし、エキサイト間違い無しのゲームです。
 箱の中身の左上にはパターンカードがあって、制限時間内にパターンをたくさん作るのがゲームの目的です。かなりにぎやかになります。そして、後でも述べますが、知的障害児(中軽度)であってもルールを覚えると夢中になります。また、ゆっくりであれば3歳からでもできます。
 しかし、子供が楽しむゲームと侮ってはいけません。大人もなかなか夢中になれるゲームなのです。


 ブロックルールと手順を述べていきます。


メイクン・ブレイク・カード  カードは難易度が高いものから簡単なものまであります。上の青い数字で書いてあるのは簡単なパターンで、下の赤い数字は難易度の高いパターンが多いです。青も赤も1〜3まであります。つまり、赤の3が一番難しく、青の1が一番簡単というわけです。
 制限時間が1の場合、赤い数字の3のパターンをめくってしまうと、下手すると出来ないで時間切れになる場合があります。その時は、パスといって、次のパターンを組むことが出来ます。しかし、次にまわってきた人がパスされたパターンを作った場合、その点数に+1を獲得します。


プレイオンノート
 とにかく賑やかです。時計の音も結構うるさく、「ジーーーー」となりっぱなし。制限時間が来れば「バチッ!」と容赦がありません。それにせかされるように、パターンを作っては壊し。しかも普通の木材のブロックなのでそれなりに重量感があります。「ガチャン、バタン、ガチャガチャ」とひっきりなしです。それに、作っている間、他のプレイヤーは、やっているプレイヤーがちゃんとパターンを作っているのかを見ていないといけないので決して暇ではありません。
 それに一人4回出来るのがよいです。なぜなら、サイコロの目は1〜3です。仮に最初の出目が悪くても挽回のチャンスがあるからです。しかし、点数チップの兼ね合いから4人くらいが最適です。
 ルールはいたって簡単、しかし、それだけに誰もが理解し、夢中にブロック遊びが出来るエキサイティングなゲームです。
 このゲーム、私が知的障害児施設に勤務と言うこともあって、時々持っていっては一緒に遊びます。形象認識と構成力、効率性などいろんな意味で基本が詰め込まれているからです。やはり知的レベルが高い子供は、瞬時に形象を認識し、効率的に組み立てていきます。逆に、コミュニケーション能力が高くてもこうした形象認識が苦手な子供はコツをつかむまで時間がかかります。苦手な子供のためには、青い数字の1〜2の簡単なパターンをこちらで選んで上げます。とにかく組み立てた達成感と点数を他の人同様に得るという満足感を持ってもらうことに重点を置きます。なにしろ、障害を持つ人は日頃、達成感よりも挫折感を、満足よりも制限を味わっているのですから。
 さらにほほえましいのが、できる人ができない人のために、何くれとなく協力し合ってパターンを作るのです。「このブロックとこのブロックを使うんだ」といって目の前に集めてやったり。あと、できる人ができない人のために時間を延長させたり、最後のパターンが出来るまで待っていたりと優しい一面が見られます。ゲームがきっかけで、友情が芽生えたりするようです
 同様に、このゲームは5歳から出来ることになっていますが、3歳からでも青い数字の1のレベルは出来ます。しかし、コツを教えて上げないと単なるお遊びになってしまいます。また、二次元で書かれたパターンカードを3次元のブロックに再現することが難しい年齢です。なので、ゆっくり焦らずに教えることが必要です。しかし、教えて、出来たことを褒めて上げると、すごく子供は喜びます。やっぱり、どんなことでも達成感とは人にとって重要なんだナァと思います。
 知能テストや何かの訓練に使えそうなゲームだと思います。といっても専門家ではないので、どういう効果があるのかは分かりません。
 2006.9.18

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