塩酸ロフェプラミン lofepramine hydrochloride(JAN) うつ病・うつ状態治療剤
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【組成】
[錠]:1錠中ロフェプラミンとして10 mg,25 mg 塩酸ロフェプラミン10.87 mg はロフェプラミン10 mgに相当
塩酸ロフェプラミンは黄白色の結晶性の粉末で,わずかに特異なにおいがあり,味はない。メタノ−ル,クロロホルム又は氷酢酸に 極めて溶けやすく,エタノ−ルに溶けやすく,ジオキサン又はアセトンに溶けにくく,水又はエ−テルにほとんど溶けない。光によって徐々に灰黄色となる。融点 :150〜155°

【適応】
うつ病・うつ状態

【用法】
ロフェプラミンとして初期1回10〜25 mg 1日2〜3回,1日150 mgまで漸増。年齢,症状により適宜減量

【作用】
(1)薬効薬理:イミプラミンやアミトリプチリンと同様に抗レセルピン作用,メタンフェタミン増強作用等抗うつ剤としての行動薬理学的特性を示すが,イミプラ ミン,アミトリプチリンと異なり中枢性抗コリン作用を欠き,鎮静作用,睡眠増強 作用,筋弛緩作用,運動失調作用は極めて弱く,けいれん助長作用は認められない
(a)脳神経細胞へのアミン取り込み抑制作用:ラットの脳神経のシナプトソ−ム へのノルエピネフリン及びセロトニンの取り込み抑制作用
(b)抗レセルピン作用:マウスのレセルピン投与時にみられる眼瞼下垂,カタレプシ−,体温下降に対し拮抗作用
(c)自発運動に及ぼす作用:ラットに経口投与で自発運動量の増加作用
(d)メタンフェタミン増強作用:マウスのメタンフェタミン投与時にみられる自発運動の増加に対し,増強作用
(e)作用機序:視床下部・大脳辺縁系でシナプス前末端へのモノアミン取り込みの抑制によると考えられる
(3)臨床適用
(a)臨床効果:28施設の臨床試験の改善率59.1%(308/521),軽度改善以上78.3%(408/521)。病型別では内因性うつ病,反応性うつ病,退行期うつ 病に,また症状別では抑うつ気分,動作・行動緩慢,意欲減退,思考抑制,食欲減退, 倦怠感,頭重・頭痛に改善が認められた。34施設,総計244例の3種の二重盲検比較 試験で,有用性が認められた
(b)副作用及び臨床検査値の変動:副作用は17.8%(832/4,675)に,口渇5.2%(317件),便秘4.4%(204件),めまい・ふらつき・立ちくらみ2. 5%(117件),眠気2.3%(106件)等。臨床検査値の変動は,GOT,GPT,Al-Pの上昇等。他の抗うつ剤に共通のもの

【製品・薬価】
アンプリット錠10mg 第一製薬 10mg1錠 10.40

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