読売新聞より

欧州で発展した日本古来の柔術が「里帰り」熱戦

 開催中の国際的なスポーツの祭典、秋田ワールドゲームズ2001で、日本古来の武道「柔術」が本家に里帰りした。競技としては欧州で生まれ、欧州で育った柔術の国内初大会で、熱戦が繰り広げられている。
秋田市の県立体育館。15か国から72選手が集まった。体重別の各クラスで19日、フランスやオーストリアなど欧州勢が圧倒的な強さを発揮。日本からは、柔道4段の安藤喜友選手(東京)ら2人が出場したが、いずれもメダルに手は届かなかった。

 柔術は、敵と徒手で対する武道として発達。明治期に、この中から柔道が生まれた。その後は柔道、空手などに押され、国内の柔術愛好者は各流派合わせて500―600人。一方、欧州では格闘技のあらゆる要素を含んでいる点が注目され、愛好者が増加。約15年前に各流派で対戦できるよう国際ルールが整えられ、毎年、世界大会も開かれる。

 日本では5年前、全日本柔術競技連盟が発足。選手の発掘と育成に乗り出したが、苦戦を強いられている。それだけに、連盟の原田貞朋会長は「これを契機に競技人口を増やしたい」、安藤選手も「結果はともかく、競技の楽しさはアピールできた」と期待。国際柔術連盟のリナルド・オルランディ会長は「日本で広まれば、東南アジアでの普及にもつながる」と話した。

(8月20日11:59)

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