塩酸イミプラミン imipramine hydrochloride(JP) 抗うつ剤・遺尿症治療剤 1174

【組成】
[顆]:10% [錠]:1錠中10 mg,25 mg [注] :1アンプル(2 ml)中25 mg。pH:4.0〜5.0 浸透圧比:約0.3
塩酸イミプラミンは白色〜微黄白色の結晶性の末で,においはない。水又はエタノ−ルに溶けやすく,エ−テルにほとんど溶けない。水溶液(1→10)のpHは4.2〜5.2。光によって徐々に着色する。融点:170〜174°(分解)

【適応】
(1)精神科領域におけるうつ病・うつ状態
(2)(イミド−ル,トフラニ−ル錠)遺尿症(昼,夜)

【用法】
[内]:(1)うつ病・うつ状態:1日25〜75 mgを初期用量とし,1日200 mgまで漸
増,分服。まれに300 mgまで増量することもある。適宜減量
(2)遺尿症:1日学童25〜50 mgを1〜2回に分服,幼児25 mg 1回(増減) [注]:1日25〜125 mgを1〜数回に分け,筋注。適宜減量

【作用】
(1)薬効薬理:抗うつ剤の作用機序は確立されていないが,脳内のセロトニン(5-HT)及びノルエピネフリン(NA)の神経終末への取り込み阻害による受容体刺激の増強が抗うつ効果と結びついていると考えられている。各種抗うつ剤の脳内(ラット)での5-HT及びNA取り込み阻害の比[ED50(NA)/ED50(5-HT)]では,イミプラミンは両者に作用するが,NA取り込み阻害がより強く,代謝物デシプラミンではNA取り込み阻害は更に強くなる
(3)臨床適用(経口投与)
(a)うつ病・うつ状態:二重盲検試験11試験における総症例708例中有効率64.2%(432/673)。副作用は67.6%(465/688)に,口渇34.3%,めまい・ふらつき・立ちくらみ20.9%,眠気18.9%,便秘15.3%等(b)遺尿症:二重盲検試験を含む319例中有効率84.2%(256/304)。副作用は17%(54/317)に,食欲不振6.9%,口渇4.7%,悪心2.2%等

【製品・薬価】
イミド−ル糖衣錠(10) 吉富 10mg1錠 9.10
塩酸イミプラミン顆粒「アメル」 共和薬品 10%1g 60.10
クリテミン錠10mg 藤永-三共 10mg1錠 9.10
デイプレス錠10mg BMKK 10mg1錠 9.10
トフラニ−ル錠10mg チバガイギ− 10mg1錠 9.10

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