塩酸ピパンペロン pipamperone hydrochloride(JAN) ブチロフェノン系精神分裂 病治療剤 1179i

【組成】
[散]:10% [錠]:1 錠中50 mg
塩酸ピパンペロン(塩酸フロロピパミドflor opipamide hydrochloride)は白色〜淡黄色の結晶又は結晶性の粉末で,においは なく,苦味及び酸味がある。水又はギ酸に溶けやすく,メタノ−ルにやや溶けにく く,エタノ−ルに溶けにくく,アセトン,酢酸エチル又は氷酢酸に極めて溶けにく く,無水酢酸にほとんど溶けない。水溶液(1→20)のpHは約3。融点:約255°(分 解)

【適応】
精神分裂病

【用法】
投与初期(1〜2週間)1日50〜150 mg,以後漸増し1日150〜600 mg,3回に分服(増減 )

【注意】
(2)禁忌
(a)昏睡状態の患者,又はバルビツ−ル酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者
(b)重症の心不全患者
(c)パ−キンソン病のある患者

(5)副作用
(a)循環器:血圧降下,頻脈が現れることがあるので,観察を十分に行い慎重に投与する。また, 他のブチロフェノン系化合物の投与中,心電図変化(QT間隔の延長,T波の変化等) が現れることがあるので,観察を十分に行い異常が認められた場合には減量又は 中止する
(b)Syndrome malin:無動緘黙(かんもく),強度の筋強剛,えん下困難,頻脈,血圧の変動,発汗等が発現し,それに引き続き発熱がみられる場合は中止し,体 冷却,水分補給等の全身管理と共に適切な処置を行う。本症発症時には,白血球の 増加や血清CPKの上昇がみられることが多く,また,ミオグロビン尿を伴う腎機能 の低下がみられることがある。なお,他のブチロフェノン系化合物の投与中,高熱 が持続し,意識障害,呼吸困難,循環虚脱,脱水症状,急性腎不全へと移行し,死亡し た例が報告されている

【作用】

(1)薬効薬理
(a)クロルプロマジンタイプの作用:ラットによる実験で抗ノルエピネフリン作用,条件回避反応抑制作用,カタレプシ−引起し作用,眼瞼下垂作用,抗 アポモルヒネ作用,抗トリプタミン作用,抗アンフェタミン作用などの傾向からク ロルプロマジンタイプの薬剤に分類
(b)抗アンフェタミン作用,抗トリプタミン作用:マウスによる実験で抗アンフェタミン作用がクロルプロマジンよりも2〜4倍 強力で,また,ラットによる実験で抗トリプタミン作用が相対的に強いことなどか ら抗精神病薬として独特な治療効果が期待できる
(c)作用機序:黒質-線条体Hを始めとするドパミン作動性中枢神経でドパミン受容体遮断作用

【製品・薬価】
プロピタン散(10倍散) エ−ザイ 10%1g 40.70

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