フルトプラゼパム flutoprazepam(JAN) ベンゾジアゼピン系持続性心身安定剤 1
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【組成】
[細]:0.2% [錠]:1錠中2 mg
フルトプラゼパムは白色〜淡黄色の結晶又は結晶性の粉末で,においはない。アセトン,酢酸エチル又はクロロホルムに溶けや すく,メタノ−ル,無水エタノ−ル又は無水酢酸にやや溶けやすく,ヘキサンに溶けにくく,水にほとんど溶けない。融点:118〜122°

【適応】
(1)神経症における不安・緊張・抑うつ・易疲労性・睡眠障害
(2)心身症(高血圧症,胃・十二指腸潰瘍,慢性胃炎,過敏性腸症候群)における身体症候並びに不安・ 緊張・抑うつ・易疲労性・睡眠障害

【用法】
1日2〜4 mg,1〜2回に分服(増減)。高齢者には1日4 mgまで

【注意】
(2)禁忌
(a)急性狭隅角緑内障のある患者
(b)重症筋無力症の患者

【作用】
(1)薬効薬理:中枢薬理作用は他のベンゾジアゼピン系化合物と類似しているが,その作用強度はジアゼパムよりも強く,作用持続も長い
(a)馴化作用:マウスでの電撃誘発闘争行動に対しジアゼパムの約6倍の抑制作用。嗅球摘出ラットのmuric ide抑制作用はジアゼパムの約1/2倍だが,抗不安薬にとって特異的と考えられる 情動過多にはジアゼパムの約2倍の持続的な抑制作用
(b)抗けいれん作用:マウスのペンテトラゾ−ル,ベメグリド,ストリキニ−ネけいれん抑制作用はジアゼパム よりも強い
(c)抗コンフリクト作用:ラット及びサルのコンフリクト状態下の反応に対する作用はジアゼパムとほぼ同程度の効果
(d)正向反射抑制作用:マウスでジアゼパムの約0.15倍(e)筋弛緩作用:マウスでの回転棒法による協調運動抑 制作用はジアゼパムの1.4倍,懸垂法では約1.8倍
(f)脳波に対する作用:ウサギで の脳波試験ではジアゼパムと同様,大脳皮質及び扁桃核の自発脳波の徐波化並びに海馬覚せい波の不規則化,扁桃核後発射の抑制がみられ,情動の形成,情動行動の発現に関与する大脳辺縁系や視床下部に対して抑制的に作用し,情動を安定化 すると考えられる
(3)臨床適用
(a)臨床効果:精神科,内科,産婦人科等の神経症,心身症などを対象とした28試験1,570例()改善率:神経症62%(409/664)[不安 神経症74%,抑うつ神経症59%],心身症74%(417/560)[高血圧症68%,胃・十二指腸潰 瘍2%,慢性胃炎70%,過敏性大腸症候群56%]()投与方法別では1日2〜4 mgの1回投与 で改善効果が認められ,二重盲検比較試験で従来の1日頻回投与方法と比較してそ の有用性が認められている
(b)副作用及び臨床検査値の変動:副作用は5.2%(55810,794)に,眠気3.5%,ふらつき0.9%,易疲労感・倦怠感0.4%,めまい感0.3%等。臨 床検査値の変動ではGOT,GPT,Al-Pの上昇等,肝への軽度の影響以外特に問題とな る異常は認められなかった

【製品・薬価】
レスタス細粒 鐘紡 0.2%1g 29.20

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