フルニトラゼパム flunitrazepam(JAN) 睡眠及び麻酔導入剤 1124

【組成】
[錠]:1錠中1 mg,2 mg [注]:1アンプル(1 ml)中2 mg。(1 mg/ml注射用水)pH:3.5〜5.5 浸透圧比 :約25
フルニトラゼパムは白色〜微黄色の結晶性粉末で,においはない。クロロホルム又は氷酢酸に溶けやすく,アセトン,アセトニト リル又は無水酢酸にやや溶けやすく,メタノ−ル又は無水エタノ−ルに溶けにくく,水又はヘキサンにほとんど溶けない。融点:168〜172°

【適応】
[内]:不眠症,麻酔前投薬 [注]:全身麻酔の導入,局所麻酔時の鎮静

【用法】
[内]:1回0.5〜2 mg就寝前又は手術前(増減)。なお,高齢者には1回1 mgまで
[注]:注射用水で2倍以上に希釈調製し,できるだけ緩徐に(1 mgを1分以上かけて)静注。全身麻酔の導入0.02〜0.03 mg/kg,局所麻酔時の鎮静0.01〜0.03 mg/kg, 必要に応じて初回量の半量〜同量を追加(増減)

【注意】
(1)一般的注意
(b)(注射)麻酔を行う際には原則としてあらかじめ絶食をさせておく
(c)(注射)麻酔を行う際には原則として麻酔前投薬を行う (e)(注射)麻酔の深度は手術,検査に必要な最低の深さにとどめる(f)(注射)麻酔前に酸素吸入器,吸引器具,挿管器具等の人工呼吸のできる器具を手もとに準備しておく ことが望ましい
(2)禁忌
(a)急性狭隅角緑内障の患者
(b)重症筋無力症の患者

【作用】
(1)薬効薬理
(a)睡眠作用及び麻酔・鎮痛増強作用:各種動物試験(マウス,ラット,ネコ,カニクイザル)で他のベンゾジアゼピン系化合物と同様の薬理学的スペクト ラム(静穏・馴化・睡眠誘起・睡眠増強,抗けいれん・筋弛緩作用等)。経口では 特に各種刺激によるネコ脳波覚せい反応を著明に抑制,強力な睡眠作用。カニク イザルを用いた試験でも睡眠作用。注射では特にネコに静注後,脳波は睡眠パタ −ンを示し,各種刺激による脳波覚せい反応を著明に抑制。マウス,ラットで麻酔 剤,鎮痛剤の作用を増強
(b)ヒト終夜脳波試験及びヒト臨床脳波試験:健常成人男子に1 mg及び2 mgを経口投与時の終夜脳波試験で,入眠潜時の短縮と全睡眠時間 の延長。手術患者に0.02〜0.04 mg/kgを静注時の脳波,呼吸曲線,心電図等の測定で,著明な入眠作用が認められたが,血圧,脈拍,呼吸にはほとんど変化が認められ なかった
(c)作用機序:抑制性のGABAニュ−ロンのシナプス後膜に存在するベンゾジアゼピン受容体にアゴニストとして高い親和性で結合し,GABA親和性を増大 させることにより,GABAニュ−ロンの作用を特異的に増強すると考えられている

【製品・薬価】
サイレ−ス錠1mg エ−ザイ 1mg1錠 24.40
ビビットエ−ス錠1mg 辰巳 1mg1錠 24.40
ロヒプノ−ル注 ロシュ 2mg1管 211

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