エスタゾラム estazolam(JP) 睡眠剤 1124

【組成】
[散]:1% [錠]:1錠中1 mg,2 mg
エスタゾラムは 白色〜微黄白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはなく,味は苦い。メタノ−ル又は無水酢酸にやや溶けやすく,エタノ−ルにやや溶けにくく,水又はエ−テルにほとんど溶けない。融点 :229〜233°

【適応】
不眠症,麻酔前投薬

【用法】
(1)不眠症:1回1〜4 mg就寝前(増減)
(2)麻酔前投薬:手術前夜1回1〜2 mg就寝前,麻酔前1回2〜4 mg(増減)

【注意】
(2)禁忌:重症筋無力症の患者
(3)次の患者には投与しないことを原則とするが,特に必要とする場合には慎重に投与する:肺性心,肺気腫,気管支喘息及び脳血管障害の急性期等で 呼吸機能が高度に低下している場合(炭酸ガスナルコ−シスを起こしやすい)
(4)慎重投与
(a)衰弱患者(副作用が発現しやすいので,できるだけ少量から開始する)
(d)脳に器質的障害のある患者
(6)副作用
(a)依存性:連用により薬物依存傾向を生じることがある。また,連用後投与を急に中止すると,ときにせん妄が,またまれ にけいれん等の禁断症状が現れることがある
(b)精神神経系()精神分裂病等の精神障害者に投与すると,逆に刺激興奮,錯乱等の奇異反応が現れることがある

【作用】
(1)薬効薬理:ジアゼパム,ニトラゼパム等既存のベンゾジアゼピン系化合物と同様の薬理学的スペクトラム(静穏,馴化,睡眠誘起,睡眠増強,抗けいれん及び筋弛 緩作用等)で,特に睡眠作用は速効性で,強力,安定
(a)睡眠脳波に及ぼす影響()日中睡眠-覚せい周期に及ぼす影響(サル):睡眠誘起作用は速やかに発現し,途中覚 せいの際にもその持続時間は短く,その回数も少ない安定睡眠が認められ,睡眠状態も8時間で消失()終夜睡眠脳波に及ぼす影響(健康成人):睡眠stage 2〜4には ニトラゼパム等他のベンゾジアゼピン系化合物と同傾向,REM睡眠期に対する影響 は比較的少ないと考えられる
(b)作用機序:睡眠発現機序は,既存のベンゾジアゼピン系化合物と同様,大脳辺縁系及び視床下部における情動機構並びに視床下部- 脳幹覚せい維持機構の抑制による。覚せい機構には直接作用せず,麻酔状態には 至らない
(b)副作用及び臨床検査値の変動:23.12%(2,454/10,613)に,ふらつき,頭痛・頭重,眠気等の精神神経症状2,271例,悪心,口渇等の消化器症状83例,GOT・GPT上 昇等の肝機能異常65例,血圧下降,動等の循環器症状62例,発疹等の過敏症状16例, BUN上昇等の腎機能異常15例,赤血球減少等の血液像異常14例等。なお,炭酸ガス ナルコ−シスの症例が報告されている
(c)薬物依存性試験:質的にはジアゼパム等のベンゾジアゼピン系化合物と類似の依存性,程度はジアゼパムと同等 又はそれ以下

【製品・薬価】
ユ−ロジン散 武田 1%1g 93.30

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