エイリアン


『エイリアンシリーズ』
(菊池秀行,ソノラマ文庫)
【入手容易】

宝探しとクトルフ神話、冒険とホラーのジュブナイル的な見事の融合です。主人公は、高校生で操るときのレジャーハントの機器はサイバーであり、そして相手にするのは、超古代の人智を越えた者たち。あるいは、遺跡。こうした設定だけで、冒険小説が好きな人たちは、ワクワクしてしまいます。
ちゃんと、お色気やトラブルがあり、主人公は能力は万能だけど、学校ではモテモテというよりも、変な目で見られている。そうした、ギャップもおきまりだけど、ちゃんとはまっている。・・・ここら辺は、作者のサービス旺盛(エンターテイメント)な精神に寄るところが大きいが。
とにかく、菊池秀行の小説は、クトルフと絡めて幻想的な雰囲気を醸し出すのがうまい。しかし、ラストには、ちょっと、オープニングの雰囲気が持続できないのか、現実的な対処やばたばたと終わらせている感じを与えています。ラストの部分で、雰囲気はそのままで、ガンガンと畳み込むように終われると・・・、いつも読了後に思います。

このシリーズは、ずっと続いていて、大きな流れで読むとすごく味わいのあるシリーズであると思います。
宝探し、この言葉は、忘れかけたロマンを感じさせます。それも、主人公の大胆かつ繊細な行動、人情やほろ苦い終わり方。読み終わった後、ほ〜とため息が出るときがあります。
実は、私たちの知らない世界で、このような宝探しをしている人たちがいるかも知れない。そう、思えたら、この小説にはまること間違いなしですね!
小説は、8年ぶり(2000年)に新しい物語が生み出されました。他のシリーズは、古本屋とかに行けば容易に手にはいるはずです。たぶん、どの巻から読んでも面白いと思います。


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