ジメタンスルホン酸チオプロペラジン thioproperazine dimethansulfonate(JAN ) フェノチアジン系神経安定剤 1172

【組成】
[錠]:1錠中チオプロペラジン5 mg相当量 ジメタンスルホン酸チオプロペラ ジン1.43 mgはチオプロペラジン1 mgに相当
ジメタンスルホン酸チオプロペラジン(メシル酸チオプロペラジンthioproperazine mesilate)は白色〜帯黄白色の結 晶性の粉末で,においはない。水に極めて溶けやすく,メタノ−ル又はエタノ−ル にやや溶けにくく,クロロホルムに溶けにくい。水溶液(1→10)のpHは1.5〜2.5。 わずかに吸湿性である。光によって徐々に着色する。融点:約227°(分解)

【適応】
慢性精神分裂病

【用法】
チオプロペラジンとして1日10〜60 mg分服(増減)

【注意】
(2)禁忌
(a)昏睡状態,循環虚脱状態の患者又はバルビツ−ル酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者
(b)フェノチアジン系化合物及びその類似化合物に対し過敏症の患者
(3)次の患者には投与しないことを原則とするが,特に必要とする場合には慎重に投与する:皮質下部の脳障害(脳炎, 脳腫瘍,頭部外傷後遺症等)の疑いがある患者(高熱反応が現れるおそれがあるので,このような場合には全身を氷で冷やすか,又は解熱剤を投与するなど適切な処 置を行う)
(e)Syndrome malin(悪性症候群):無動緘黙(かんもく),強度の筋強剛,えん下困難,頻脈,血圧の変動,発汗等が発現し,それ に引き続き発熱がみられる場合は中止し,体冷却,水分補給等の全身管理とともに 適切な処置を行う。本症発症時には,白血球の増加や血清CPKの上昇がみられるこ とが多く,また,ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお, 高熱が持続し,意識障害,呼吸困難,循環虚脱,脱水症状,急性腎不全へと移行し,死 亡した例が報告されている
(f)錐体外路症状:パ−キンソン症候群(手指振戦,筋強剛,流等),ジスキネジア(けいれん性斜頚,顔面及び頚部のれん縮,後弓反張,眼 球回転発作等),アカシジア(静座不能)が現れることがある。また,長期投与によりときに口周部等の不随意運動が現れ,中止後も持続することがある
(h)内分泌:ときに体重増加,女性型乳房,乳汁分泌,射精不能,月経異常,糖尿等が現れることがある。また類似 化合物(チオリダジン,プロペリシアジン)で,低ナトリウム血症,低浸透圧血症,尿中ナトリウム排泄の増加,高張尿,けいれん,意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不 適合分泌症候群(SIADH)が現れることが報告されているので,このような場合には 中止し,水分摂取の制限等適切な処置を行う
(i)精神神経系:錯乱,不眠,,頭痛,不安,興奮,易刺激等が現れることがある
(k)その他:口渇,鼻閉,倦怠感,発熱,浮腫,尿閉,無尿,頻尿,尿失禁,皮膚の色素沈着,全身性紅斑性狼瘡等が現れることがある

【作用】
(1)薬効薬理
(a)抗ドパミン作用()amphetamineによる運動亢進の抑制ED50(mg/kg)マウス:経口=3.34(3.84)()apomorphineによるよじ登り行動の抑制ED50(mg/kg) マウス:経口=1.63(1.97)()apomorphineによる嘔吐の抑制ED50(mg/kg)イヌ:経 口=0.29(3.27)()dopamine受容体(D2)への親和性Ki(nM)ラット:線条体=0.7(8.6)
(b)抗ノルエピネフリン作用()norepinephrineによる致死への拮抗ED50(mg/kg)マ ウス:経口=45.44(5.67)()norepinephrine受容体(α1)への親和性Ki(nM)ラット :脳皮質=25(8)
(c)自発運動抑制作用ED50(mg/kg)マウス:経口=6.86(4.39)
(d)抗セロトニン作用()tryptamineによる首振り運動の抑制ED50(mg/kg)マウス:経口= 40.42(2)()serotonin受容体(S2)への親和性Ki(nM)ラット:脳皮質=254(22)(e)条 件反射抑制作用ED50(mg/kg)ラット:経口=3.8(15.09)。( )内はクロルプロマジ ン値

【製品・薬価】
セファルミン錠 塩野義 5mg1錠 10.40

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