ジアゼパム diazepam(JP) マイナ−トランキライザ− 1124, 1139i

【組成】
[散]・[細]:1% [錠]:1錠中1 mg,2 mg,3 mg,5 mg,10 mg
[シ ]:0.1%
[注]:1アンプル(1 ml,2 ml),1 ml中5 mg。pH:6.0〜7.0 浸透圧比:(セル シン)約30,(ホリゾン)約27
[坐]:1個中4 mg,6 mg,10 mg
ジアゼパムは白色〜淡黄色の結晶性の粉末で,においはなく,味はわずかに苦い。アセトンに溶けやす く,無水酢酸又はエタノ−ルにやや溶けやすく,エ−テルにやや溶けにくく,無水エタノ−ルに溶けにくく,水にほとんど溶けない。融点:130〜134°

【適応】
[内]:(1)神経症における不安・緊張・抑うつ
(2)うつ病における不安・緊張
(3)次の疾患における不安・緊張・抑うつ及び筋緊張の軽減:高血圧症,動脈硬化 症,肺結核,がん,自律神経失調症,甲状腺機能亢進症,胃・十二指腸潰瘍,幽門けい れん症,神経性嘔吐,周期性嘔吐,更年期障害,月経困難症,月経前緊張症,眼精疲労, 神経性頻尿,アルコ−ル中毒,慢性リウマチ性疾患,腰痛症,頚肩腕症候群,頭部外 傷後遺症,脳炎後遺症,不随意運動症
(4)次の疾患における筋緊張の軽減:脳脊髄疾患に伴う筋けいれん・疼痛
(5)麻酔前投薬
[注]:次の疾患及び状態の不安・興奮・抑うつの軽減:麻酔前,麻酔導入時,麻酔中,術後,てんかん様重積状態,て んかん性もうろう状態,不安神経症,ヒステリ−,心気症,抑うつ状態,アルコ−ル中毒,面接前処置,分娩時
[坐]:小児に対して次の目的に用いる:熱性けいれん及びてんかんのけいれん発作の改善

【用法】
[内]:用量は患者の年齢,症状により決定する。1回2〜5 mg,1日2〜4回。外来 患者は原則として1日15 mg以内とする。筋けいれん患者は1回2〜10 mg,1日3〜4 回。小児1日12〜4歳2〜10 mg,3歳以下1〜5 mg,1〜3回に分服
[注]:疾患の種類,症状の程度,年齢及び体重等を考慮して用いる。初回10 mgをできるだけ緩徐 に筋注又は静注。静注には,なるべく太い静脈を選んで,できるだけ緩徐に(2分以 上の時間をかけて)注射。以後必要に応じて3〜4時間ごとに注射
[坐]:小児1回0.4〜0.5 mg/kg,1日1〜2回,直腸内に挿入(増減)。1日1 mg/kgを超えないよう にする

【注意】
(2)禁忌
(a)急性狭隅角緑内障のある患者
(b) 重症筋無力症のある患者
(c)(注射)ショック,昏睡,バイタルサインの悪い急性ア ルコ−ル中毒の患者
(5)相互作用:次の医薬品との併用又は飲酒により,その作用が増強されることがあるの で,このような場合には投与しないことが望ましいが,やむを得ず投与する場合に は慎重に投与する(フェノチアジン誘導体,バルビツ−ル酸誘導体等の中枢神経抑 制剤,モノアミン酸化酵素阻害剤,シメチジン)
(6)副作用
(a)依存性:大量連用によりまれに薬物依存を生じることがあるので,観察を十分に行い,用量を超えない よう慎重に投与する。また,大量投与又は連用中における投与量の急激な減少ないし中止により,まれにけいれん発作,ときにせん妄,振戦,不眠,不安,幻覚,妄想 等の禁断症状が現れることがあるので,中止する場合には徐々に減量するなど慎 重に行う
(b)精神神経系()精神分裂病等の精神障害者に投与すると逆に刺激興奮,錯乱等が現れることがある()(内服)ときに眠気,ふらつき,,歩行失調,頭痛,失禁, 言語障害が,また,まれに振戦,霧視,複視,多幸症等が現れることがある。
(注射)ときに眠気,ふらつき,,歩行失調,頭痛,失禁,言語障害,また,まれに振戦,霧視,眼 振,失神,複視,多幸症等が現れることがある
(d)動脈内に注射した場合には,末梢の壊死を起こすおそれがあるので,動脈内には絶対に注射しない

【作用】
[内]・[注]:(1)薬効薬理
(a)馴化,鎮静作用:大脳辺縁系に特異的に作用し,正常な意識・行動に影響を及ぼさずに馴化,鎮静作用(粗暴猿,闘争マウスに対す る馴化作用。ラット,ウサギにおける条件刺激に対する回避行動の抑制作用。中隔野損傷ラットの興奮に対する鎮静作用)
(b)筋弛緩作用:主として脊髄反射抑制により筋の過緊張を緩解(マウス傾斜板法,除脳硬直ネコ)
(c)抗けいれん作用:ストリキニ−ネけいれん,メトラゾ−ルけいれん,電気ショックけいれんに対し抗け いれん作用(マウス)
(d)子宮筋弛緩作用:子宮筋に作用し,子宮筋の異常緊張を除去(マウス摘出子宮,ヒト子宮)
(2)臨床適用 副作用及び臨床検査値の変動:注射 で25%(578/2,312)に,眠気232例,ふらつき54例,構音障害41例,逆説反応23例,頭痛 ・頭重19例等の精神神経症状,血管痛77例,注射部疼痛・異和感42例等の注射局所 の反応,悪心・嘔吐33例,口渇19例等の消化器症状,舌根沈下による上気道閉塞23 例等の呼吸器症状,血圧低下16例等の循環器症状,倦怠感・脱力感57例等
[坐]:(1)薬効薬理
(a)マウスにおける経口投与との比較:投与後30分のED50(mg/kg)抗Bemegride けいれん:直腸内=0.25,経口=0.56,抗電撃けいれん:直腸内=0.45,経口=0.71
(b)作用機序:ベンゾジアゼピン受容体は中枢でGABA受容体と複合体を作り,ジアゼ パムのベンゾジアゼピン受容体結合によりGABAのGABA受容体に対する親和性が高 まり,GABA結合量が増加,Clイオンチャンネルの開口を促進,興奮性シナプス伝導 を抑制
(3)臨床適用
(a)臨床効果(有効率):比較試験を含み86.6%(258/298)[熱性けいれんの再発防止96.2%(176/183),けいれんの救急治療71.3%(82/115)]
(b)副作用:副作用は30.6%(117/382)に,ふらつき19.1%(73例),眠気14.1%(54例),興奮,喘鳴, 運動失調,入眠,下痢,悪心・嘔吐,筋緊張低下等が各数例

【製品・薬価】
アゼジパミン注射液 大洋 10mg1管 136
オイホリンP 同仁 1%1g 10.40
5mgセルシン錠 武田 5mg1錠 12.90
コンディション錠5 鐘紡 5mg1錠 6.00
ジアゼパム散「日アル」 アルツ-共和薬品 1%1g 10.40
ジアパックス錠2mg 大鵬薬品 2mg1錠 6.00
10mgセルシン錠 武田 10mg1錠 26.20
セエルカム錠2 鶴原 2mg1錠 6.00
セレナミン錠2mg 旭化成 2mg1錠 6.00
セレンジン散 住友製薬 1%1g 10.40
ソナコン錠5 中外 5mg1錠 6.00
ダイアップ坐剤4 和光堂 4mg1個 85.70
セルシン錠2mg 武田 2mg1錠 6.00
パ−ルキット錠2mg 菱山 2mg1錠 6.00
ホリゾン散 山之内 1%1g 26.00
リリ−ゼン散 マルコ 1%1g 10.40
リリバ−錠 模範 2mg1錠 6.00

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