塩酸デシプラミン desipramine hydrochloride(JAN) 三環系抗うつ剤 1174

【組成】
[錠]:1錠中25 mg
塩酸デシプラミンは白色〜微黄白色の結晶性の粉末で,においはない。クロロホルムに溶けやすく,水又はエタノ−ルにやや溶けやすく,ア セトンに極めて溶けにくく,エ−テルにほとんど溶けない。光によって徐々に着色する。融点:212〜216°

【適応】
精神科領域におけるうつ病・うつ状態

【用法】
1日50〜75 mgを初期用量とし,1日150 mgまで漸増し,分服。まれに200 mgまで増量。適宜減量

【注意】
(2)禁忌
(a)緑内障のある患者(抗コリン作用を持つため)
(b)三環系抗うつ剤に対し過敏症の患者
(c)心筋梗塞の回復初期の患者
(c)てんかん等のけいれん性疾患又はこれらの既往歴のある患者(けいれんを起こすことがある)
(d)燥うつ病患者(燥転,自殺企図が現れることがある)
(e)脳の器質障害又は精神分裂病の素因のある患者(精神症状が増悪されることがある)
(e)次の医薬品の血中濃度を上昇させることがある:フェニトイン
(f)三環系抗うつ剤で,インスリン製剤,スルフォニル尿素系糖尿病用剤との併用により過度の血糖低下を来したとの報告がある
(g)けいれん閾値を低下させるおそれがあるので,本剤を投与中の患者に,電気ショック療法を施行する場合には,十分注意する
(5)副作用
(a)Syndrome malin:無動緘黙(かんもく),強度の筋強剛,えん下困難,頻脈,血圧の変動,発汗等が発現し,それに引き続き発熱がみられる場合は,中止し,体冷 却,水分補給等の全身管理と共に適切な処置を行う。本症発症時には,白血球の増 加や血清CPKの上昇がみられることが多く,またミオグロビン尿を伴う腎機能の低 下がみられることがある。なお,他の三環系抗うつ剤の投与中,高熱が持続し,意識障害,呼吸困難,循環虚脱,脱水症状,急性腎不全へと移行し,死亡した例が報告 されている
(c)精神神経系:パ−キンソン症状・振戦・アカシジア等の錐体外路障害,運動失調,構音障害,知覚異常,幻覚,せ ん妄,精神錯乱,不眠,不安,焦燥,眠気,てんかん発作,ミオクロヌス,性欲減退,またときに激越,燥状態,筋けい直等が現れることがあるので,このような症状が現 れた場合には,減量又は休薬等適切な処置を行う
(c)うつ病の患者では,自殺企図の危険が伴うため,注意する。また,自殺目的での過量服用を防ぐため,自殺傾向が認められる患 者に処方する場合には,1回分の処方日数を最小限にとどめることが望ましい

【作用】
(1)薬効薬理:抗うつ剤の作用機序は確立されていないが,脳内のセロトニン(5-HT)及びノルエピネフリン(NA)の神経終末への取り込み阻害による受容体刺激の増 強が抗うつ効果と結びつくと考えられる。各種抗うつ剤の脳内(ラット)での5-HT 及びNA取り込み阻害の比(ED50NA/ED505-HT)では,5-HT取り込み阻害に比べて,NA 取り込み阻害が強い

【製品・薬価】
パ−トフラン錠 チバガイギ− 25mg1錠 16.30

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