クロキサゾラム cloxazolam(JP) マイナ−トランキライザ− 1124

【組成】
［散］：1%
［錠］：1錠中1 mg,2 mg
クロキサゾラムは白色の結晶又は結晶性の粉末で,におい及び味はない。氷酢酸に溶けやすく,ジクロルメタンにやや溶けに くく,無水エタノ−ル又はエ−テルに溶けにくく,エタノ−ルに極めて溶けにくく, 水にほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。光によって徐々に着色する。融点：約 200°(分解)

【適応】
(1)神経症における不安・緊張・抑うつ・強迫・恐怖・睡眠障害
(2)心身症(消化器疾患,循環器疾患,更年期障害,自律神経失調症)における身体症候並びに不安・ 緊張・抑うつ
(3)術前の不安除去

【用法】
(1)1日3〜12 mg,3回に分服(増減)(2)術前の不安除去には0.1〜0.2 mg/kg手術前 (増減)

【注意】
(5)副作用
(a)依存性：大量A用によりまれに薬物依存を生じることがあるので,観察を十分に行い,用量を超えないよう慎重に投与する。また,大量投与又はA用中にお ける投与量の急激な減少ないし中止により,まれにけいれん発作,ときにせん妄, 振戦,不眠,不安,幻覚,妄想等の禁断症状が現れることがあるので,中止する場合 には,徐々に減量するなど慎重に行う
(b)精神神経系()精神分裂病等の精神障害者に投与すると,ときに刺激興奮,不眠等が現れることがある()眠気,ふらつきが,ま た,ときにめまい,頭痛・頭重,見当識障害,運動失調,不眠,舌のもつれ,視覚異常, 焦燥感が,また,まれに多弁,振戦が現れることがある

【作用】
(1)薬効薬理
(a)動物実験(マウス,ハムスタ−,ラット,サル)では,闘争反応,狂暴性,攻撃性,興奮の抑制作用(静穏作用・馴化作用)が強く,自発性行動(マウス,ネ コ)の抑制作用は弱い。この静穏作用(ネコ,ウサギ)は,扁桃核-視床下部-中心灰 白質系に作用する結果と推定
(b)ベメグリド,ペンテトラゾ−ルによる間代性けいれん(マウス,ラット),振動誘発けいれん(Elマウス)に抑制効果
(c)動物実験(ネコ)で除脳固縮の抑制,γ-運動ニュ−ロンの活動性の低下,中枢性の筋弛緩作用
(2)臨床適用
(a)臨床試験成績(神経症,心身症及び術前の不安除去等を対象とした二重盲検試験を含む42施設1,510例の有効率)：不安神経症89.5%(128/143),強迫神 経症・恐怖症84.9%(62/73),抑うつ反応85.7%(66/77),心身症73.8%(206/279),術 前の不安除去92.3%(301/326)。神経症群,心身症群では,投与後1〜2週間までに有 効例の90%以上に効果がみられ,効果の発現は速やか。ジアゼパムとメダゼパムを 対照とした二重盲検比較試験で有用性が認められた

【製品・薬価】
エナデ−ル散 ファイザ− 1%1g 31.90
セパゾン散1% 三共 1%1g 36.20