クロナゼパム clonazepam(JP) ベンゾジアゼピン系抗てんかん剤 1139i

【組成】
[細]:0.1%,0.5%
[錠]:1錠中0.5 mg,1 mg,2 mg
クロナゼパムは白色〜淡黄色の結晶又は結晶性の粉末で,においはない。無水酢酸又はアセトンにやや溶け にくく,メタノ−ル又はエタノ−ルに溶けにくく,エ−テルに極めて溶けにくく,水にほとんど溶けない。融点:約240°(分解)

【適応】
(1)小型(運動)発作:ミオクロニ−発作,失立(無動)発作,点頭てんかん(幼児けい縮発作,BNSけいれん等)
(2)精神運動発作
(3)自律神経発作

【用法】
初回量1日成人・小児0.5〜1 mg,乳・幼児0.025 mg/kg,1〜3回に分服。以後症状に応じて至適効果が得られるまで徐々に増量し,維持量1日成人・小児2〜6 mg,乳 ・幼児0.1 mg/kg,1〜3回に分服(増減)

【注意】
(1)一般的注意
(a)投与初期に眠気,ふらつき等の症状が現れることがあるので,少量から開始し,慎重に維持量まで漸増する(b)連用中における投与量の急激な減少 ないし中止により,てんかん重積状態が現れることがあるので,中止する場合には, 徐々に減量するなど慎重に行う
(c)混合発作のある患者に投与すると,強直間代発作の誘発や回数が増加することが,またLennox症候群の患者に投与するとinduced microseizures(睡眠中の多呼吸発作等)を誘発することがあるので,観察を十分 に行い,このような症状が現れた場合には適切な処置を行う
(d)連用中は定期的に肝・腎機能,血液検査を行うことが望ましい
(4)相互作用
(a)バルビツ−ル酸誘導体,ヒダントイン誘導体等の抗てんかん剤と併用する場合,作用が増強されること がある
(b)次の医薬品との併用又は飲酒によりその作用が増強されることがあるので,このような場合には投与しないことが望ましいが,やむを得ず投与する場合 には慎重に投与する:フェノチアジン誘導体等の中枢神経抑制剤,モノアミン酸 化酵素阻害剤
(f)消化器:ときに唾液増加(流等),食欲不振,悪心,嘔吐,また,まれにえん下障害,口内炎,腹痛,便秘,下痢,吃逆,食欲高進,口渇が現 れることがある
(g)泌尿器:ときに尿失禁,また,まれに排尿困難が現れることがある
(h)血液:まれに白血球減少,貧血,血小板減少,好酸球増多が現れることがある

【作用】
(1)薬効薬理
(a)抗けいれん作用:実験てんかんモデルに対し,pentetrazolけいれん(マウス,ラット)及びbemegride・bicuculline・strychnine・picrotoxin・電 撃けいれん(マウス)に抑制作用,特にpentetrazolけいれんに著明
(b)脳波に対する作用:海馬及び扁桃核刺激による脳波後発射(ラット,ネコ),pentetrazol誘発脳波発作波(ラット)及びpenicillinけいれん(ネコ)に抑制作用
(c)作用機序:抑制性のGABAニュ−ロンのシナプス後膜のベンゾジアゼピン受容体にアゴニストと して高い親和性で結合し,GABA親和性を増大させ,GABAニュ−ロンの作用を特異的 に増強
(a)臨床効果()有効 率:小型(運動)発作45.2%(328/726),精神運動発作49.6%(66/133),自律神経発作7 5%(12/16)()二重盲検比較試験:小児科及び精神科のてんかん患者で,有用性が認 められた

【製品・薬価】

ランドセン細粒0.1 住友製薬 0.1%1g 23.20
ランドセン錠2 住友製薬 2mg1錠 40.20
リボトリ−ル錠2 ロシュ 2mg1錠 40.20

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