塩酸クロミプラミン clomipramine hydrochloride(JP) うつ病・遺尿症治療剤 1
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【組成】
[錠]:1錠中10 mg,25 mg
[注]:1アンプル(2 ml) 中25 mg。pH:4.1〜5.1
浸透圧比:約1
塩酸クロミプラミンは白色〜微黄色の結晶性の粉末で,においはない。氷酢酸に極めて溶けやすく,水,メタノ−ル又はクロロホルムに溶けやすく,
エタノ−ルにやや溶けやすく,無水酢酸にやや溶けにくく,アセトンに溶けにくく, 酢酸エチル又はエ−テルにほとんど溶けない。融点:192〜196°
【適応】
(1)精神科領域におけるうつ病・うつ状態
(2)(内服)遺尿症

【用法】
[内]:(1)うつ病・うつ状態:1日50〜100 mg,1〜3回に分服(増減)。1日最高
量225 mg
(2)遺尿症:1日6歳以上の学童20〜50 mg,6歳未満の幼児10〜25 mg,1〜2回に分服(増減)
[注]:生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液250〜500 mlに1アンプルを加え,2〜3時間で1日1回点滴静注。その後漸増し,1回3アンプルまで投与で
きる。一般に1週間以内に効果の発現をみるが,症状の改善がみられた後は徐々に 経口投与に切り換える

【注意】
(b)アルコ−ル摂取及び次の医薬品との併用により,作用の増強がみられることがあるので,これらを併用する場合には,慎重に投与する:抗コリン作動薬,エピネフリン作動 薬(特にエピネフリン,ノルエピネフリンの心血管作用を強めるおそれがある),中 枢神経抑制剤(バルビツ−ル酸誘導体等),キニジン,メチルフェニデ−ト,黄体・ 卵胞ホルモン製剤,シメチジン,フェノチアジン系精神神経用剤,全身麻酔剤,抗不 安剤(アルプラゾラム等)
異常(無顆粒球症では前駆症状として発熱,咽頭痛,インフルエンザ様症状等が現れる場合もある) が認められた場合には中止する
(c)三環系抗うつ剤の長期投与でう歯発現の増加を招くことが報告されている
(d)連用中は定期的に肝・腎機能検査を行うことが望ましい
(9)過量投与・急性中毒(内服)(a)徴候・症状:最初の徴候・症状は通常服用30分〜2時間後に高度の抗コリン作用を主症状として出現する。中枢神経系症状(眠気,昏迷, 運動失調,情動不安,激越,反射亢進,筋強剛,アテト−シス及び舞踏病アテト−シ ス様運動,けいれん),心症状(不整脈,頻脈,伝導障害,心不全,非常にまれに心停止 ),その他に呼吸抑制,チアノ−ゼ,低血圧,ショック,嘔吐,散瞳,発汗,乏尿,無尿等 がみられる

【作用】
(1)薬効薬理:抗うつ剤の作用機序は確立されていないが,脳内のセロトニン(5-HT)及びノルエピネフリン(NA)の神経終末への取り込み阻害による受容体刺激の増 強が抗うつ効果に関与すると考えられる。脳内(ラット)での5-HT及びNA取り込み 阻害の比は,他の抗うつ剤に比べNA取り込み阻害より5-HT取り込み阻害が強い

【製品・薬価】
アナフラニ−ル錠10mg チバガイギ− 10mg1錠 14.40

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