クロルプロチキセン chlorprothixene(JAN) 精神神経用剤 1179i

【組成】
[錠]:1錠中15 mg,50 mg クロルプロチキセンは白色〜淡黄 色の結晶又は結 晶性の粉末で,わずかにアミン様のにおいがある。クロロホルムに溶けやすく,エ −テルにやや溶けやすく,エタノ−ル又は無水エタノ−ルにやや溶けにくく,水に ほとんど溶けない。0.1 N塩酸試液に溶ける。融点:96.5〜101.5°

【適応】
精神分裂病,うつ病。精神分裂病の広範囲な症状には第一選択の薬剤ではない。
情動安定剤として扱うことは適切でない

【用法】
1日15〜200 mg分服(増減)。1日300 mgまで増量できる

【注意】
(f)錐体外路症状:パ−キンソン症候群(手指振戦,筋強剛,流等),ジスキネジア(けいれん性斜頚,顔面及び頚部れん縮,後弓反張, 眼球回転発作等),アカシジア(静座不能)が現れることがある。また,長期投与に
より口周部等の不随意運動が現れ,中止後も持続することがある
(g)眼:視覚障害が現れることがある。長期又は大量投与により,角膜・水晶体の混濁,網膜・角膜 の色素沈着が現れることがある
(h)内分泌:ときに体重増加,乳汁分泌,射精不能,月経異常等が現れることがある。また類似化合物(チオチキセン等)で,低ナトリ ウム血症,低浸透圧血症,尿中ナトリウム排泄の増加,高張尿,けいれん,意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)が現れることが報告されてい る(i)精神神経系:不眠,,頭痛,不安,興奮,易刺激等が現れることがある

【作用】
(1)薬効薬理
(a)クロルプロマジン型の作用:(ラット)条件回避反応抑制作用,抗アンフェタミン作用,抗ノルエピネフリン作用,抗エピネフリン作用
(b)錐体外路症状が少ない:(マウス・ラット)カタレプシ−引起し作用が弱く,(摘出モルモッ ト回腸)強い抗コリン作用。これは錐体外路症状の発現の少ないことの根拠と考 えられる
(c)速やかな抗うつ作用の発現:うつ病患者の抑うつ気分の好転化や不安,不穏,気分易変などの感情を速やかに安定化
(d)作用機序:黒質-線条体Hを初めとするドパミン作動性中枢神経のドパミン受容体遮断作用

【製品・薬価】
トラキラン錠15mg 三生-エ−ザイ 15mg1錠 9.70

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