抱水クロラ−ル chloral hydrate(JP) 催眠・抗けいれん剤 1123

【組成】
[末]:99.5% 以上
[坐]:1個中250 mg,500 mg
抱水クロラ−ルは無色の結晶で,刺激性のにおいがあり,味は刺激性でやや苦い。水に極めて溶けやすく,エタノ−ル又はエ−テルに溶けやすい。空気中で徐々に揮散する

【適応】
[内]:不眠症 注腸:静注が困難なけいれん重積状態
[坐]:理学検査時における鎮静・催眠,静注が困難なけいれん重積状態

【用法】
[内]:1回0.5 g,1日3回(増減)
注腸:小児では30〜50 mg/kgを微温湯に溶かし注腸(増減)
[坐]:小児では30〜50 mg/kgを標準とし,直腸内に挿入する(増減)。総量1.5 gを超えないようにする

【注意】
(1)一般的注意
(a)本剤又はトリクロホスナトリウムに対し過敏症の患者
(b)急性間欠性ポルフィリン症の患者

(5)副作用
(a)依存性:連用により薬物依存を生じることがあるので観察を十分に行い,用量及び使用期間に注意し慎重 に投与する。また,大量投与又は連用中の投与量の急激な減少ないし中止により,まれにけいれん発作,ときにせん妄,振戦,不安等の禁断症状が現れることがある ので中止する場合には,徐々に減量するなど慎重に行う

【作用】
(1)薬効薬理:
中枢神経系(大脳皮質)に作用し,中枢抑制・催眠作用並びに抗けいれん作用。生体内でトリクロルエタノ−ルに変化し,これが活性物質として中枢 抑制作用を示すが,本剤自身にも中枢抑制作用があり,投与直後の作用は本剤によ るもので,その後の作用はトリクロルエタノ−ルによるとされる
(a)イヌに500 mg/kgを直腸投与時の脳波測定では,投与後20〜200分にわたり,麻酔第1〜3期の麻酔深度を示す自発脳波が変化
(b)ウサギに200〜250 mg/kg又は500〜600 mg/kg直腸投与で,I〜IV度(坂本の方法による麻酔深度)の麻酔効果
(c)マウス又はラットに500 mg/kg直腸投与し,一般症状を観察したところ,数分以内に運動量の減少,眼下垂,歩行失調及び正向反射の消失
(d)マウス又はラットに直腸内前投与で,各種の実験的けいれん発現(電気ショック,ペンテトラゾ−ル,ストリキニ−ネ,ニコチン )に対し抑制効果

【製品・薬価】
エスクレ坐剤「250」 エスエス・小玉 250mg1個 50.90
抱水クロラ−ル「ホエイ」 藤沢アストラ 1g 42.20

目次