カルバマゼピン carbamazepine(JP) 向精神作用性抗てんかん剤 1139i,1179i

【組成】

[細]:50%
[錠]:1錠中100 mg,200 mg
カル バマゼピンは白色〜微黄白色の粉末で,においはなく,味は初めないが,後にわずかに苦い。クロロホルムに溶けやすく,エタノ−ル又はアセトンにやや溶けにくく,水又はエ−テルに極めて溶けにくい。融点:189〜193°

【適応】
(1)てんかん:精神運動発作,てんかん性格及びてんかんに伴う精神障害,けいれん発作[強直間代発作(全般けいれん発作,大発作)]
(2)燥病,燥うつ病の燥状態,精神分裂病の興奮状態
(3)三叉神経痛

【用法】
(1)てんかん:最初1日量200〜400 mg,1〜2回に分服。至適効果が得られるまで(通常1日600 mg)徐々に増量。症状により1日1,200 mgまで増量できる。小児は年齢,症状に応じて1日100〜600 mgを分服
(2)燥病,燥うつ病の燥状態,精神分裂病の興奮状態:最初1日量200〜400 mg,1〜2回に分服。至適効果が得られるまで(通常1日600 mg)徐々に増量。症状により1日1,200 mgまで増量できる
(3)三叉神経痛:最初1日量として200〜400 mgから開始し,1日600 mgまでを分服するが,症状により1日800 mgまで増量できる。小児には,年齢,症状に応じて適宜減量

【注意】
(1)一般的注意
(a)連用中における投与量の急激な減少ないし中止により,てんかん重積状態が現れることがあるので,中止する場合には,徐々に減量するなど慎重に行う。なお,高齢者,虚弱者の場合は特に注意する
(d)精神分裂病の興奮状態への使用に際しては,抗精神病薬で十分な効果が認められない場合に使用する
(2)禁忌
(a)本剤又は三環系抗うつ剤に対して過敏症の患者
(b)重篤な血液障害のある患者
(c)第2度以上の房室ブロック,高度の徐脈(50拍/分未満)のある患者

(b)他の抗てんかん剤に投与変更する場合には,増悪を防止するため,通常,ジアゼパム又はバルビツ−ル酸系化合物の併用を行うことが望ましい

【作用】
(1)薬効薬理
(a)抗けいれん作用:ラットの電気ショックけいれんにフェノバルビタ−ルとほとんど同等の抑制作用,ストリキニ−ネけいれんには,ストリキニ−ネ2.5 mg/kg腹腔内注射マウスに対し十分なけいれん抑制作用を示さないが,100 mg/kg(経口)レベルでは,フェニトインやメフェネシンと比較して明らかにけいれん発現を遷延。ペンテトラゾ−ルけいれん(マウス),ピクロトキシンけいれん(マウス)にはそれ程強い防御作用を示さない
(b)キンドリングに対する作用:ネコの扁桃核刺激によるキンドリングの形成を本剤及びフェノバルビタ−ルは抑制し,てんかん原性獲得に対する予防効果を示すが,フェニトインは抑制しない。その際,フェノバルビタ−ルは後発射の発展よりも臨床症状の発展を抑制するが,本剤では後発射の発展と二次てんかん原性獲得を抑制する。一方,完成されたキンドリングけいれんには本剤,フェノバルビタ−ル,フェニトインのいずれもが中毒量以下の血清レベルで抑制作用(抗けいれん効果)
(c)大脳の後発射及び誘発反応に対する作用:ネコの運動領皮質,レンズ核及び視床腹外側核の後発射はほとんど抑制されないか,軽度短時間抑制されるに過ぎない。扁桃核及び海馬の後発射はかなり抑制され,新皮質系よりも大脳辺縁系に対しある程度選択的に作用
(d)抗興奮作用:行動薬理学的には,マウスで闘争行動抑制作用,常同行動抑制作用,麻酔増強作用がみられ,鎮静,静穏作用を持つ。電気生理学的には,ウサギで嗅球から大脳辺縁系に至る情動経H(嗅球-扁桃核,嗅球-海馬)の誘発電位を抑制
(e)三叉神経の誘発電位に対する作用:ネコに10 mg/kg(腹腔内)投与で顔面皮膚の電気刺激による三叉神経の延髄レベル及び視床中心内側核で記^した誘発電位を抑制

【製品・薬価】
テグレト−ル細粒 チバガイギ− 50%1g 42.30
テレスミン細粒 吉富 50%1g 37.30
レキシン錠 藤永-三共 200mg1錠 17.40

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