社会病理学

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有斐閣:大橋 薫の古典です。
批判的にも、基盤としても使われることがある本です。

概論
群集心理理論
自殺の社会的原因
婚姻の病理家族
家族構造の変化
生活の病理
地域の病理
労働の病理
職業における病理
経営の病理
官僚制の病理

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概論
社会病理学とは社会生活上の困った事柄を研究したもので、社会問題と混同される。例えば、犯罪・非行や失業・貧困などは社会病理であり又社会問題であるが、労働問題・人口問題・住宅問題・青年問題は社会問題とされても社会病理にはあてはまらない。つまり、物の視点からの捕え方からの違いで社会病理と言われたり、社会問題ととらわれたりするのです。しかし、非行や犯罪などは現象形態が違っていても基本的には関連がある。社会病理学は生活関係の障害の根本や関連を追及する学問である。

まず二つの理論に大別される。
1・特殊的な方針社会病理の一面を表す。

2・包括的な方針社会病理の全体に枠組を設ける。
a・社会包括論

b・社会偏奇論社会病理の規定ある標準状態からのずれからの、その基準からの意識や行動のずれ。1、2からの過多のずれが変奇であると言う。それは、相対的な要素を含む。つまり、偏倚行動とは普遍的、制度的な行動基準から許容量を越えてずれた行動のことである。

c・総合理論個人や社会の生活機能の障害に拘わる事象その過程
(1)・個人的、個別的(個人病理)
(2)・社会的、集団的(社会病理)

d・個人病理の理論構造

e・社会ないし集団病理の論理構造社会構造(目標、資源、役割、行動様式)これらすべてが満たされるように努力するのが・・・集団組織化である。集団病理とは、その集団機能が十分に働くことを阻害することである。「集団の構造要件の偏倚、それらに対する価値観や態度の不一致などにより引き起こされる社会緊張の発生など、集団目標の実現が阻害されることである。」

社会変動は、反動と発展があり、反動が主に社会解体のカテゴリーに属する。

f・社会病理の発生条件
(a)・制度が古く現実に合わない
(b)・制度に欠陥があり、生活欲求が満たされない
(c)・必要性、欲求が存在しているのに制度が制定されていない。

人格の病理人格の病理は社会の病理に対してどのような関係をもつか。

精神分析理論の場合フロイト・正常とは病理が希薄化されたものに外ならない。人格:「エス」本能的な欲求の充足を求める。「自我」エスの分化、現実を認識し、行動する。「超自我」良心や、道徳的禁止など。

結論




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群集心理理論の場合ルボン・感情と思考について感情・「種族の根本的性質」「凶暴な破壊本能」「厳格な道徳原則」思考・「一時的な思想」「根本的な思想」感情

人格の病理は群集心理学においても社会的条件の産物である。
「間接原因」種族性、伝統、時、制度、教育による誤飃
「直接原因」イマージュ、言葉、標語、幻想、経験、道徳による見せかけ群衆と集団非組織的群衆と集合体、一時な集団と安定した集団。どちらも後者が群集心理を免れない。人格の病理への接近上記の2つ以外の概念

行動の逸脱
文化伝達論:都市の中心の商業地区周辺のスラムでの犯罪の発生率が最高で、都心から距離が遠くなるほど放物線上に減少する。非行的下位文化論:少年が非行を行うのは、生計の手段ではなく仲間におだてられ腕前を誇示するためであり、非功利的である。そのほかに、意地悪、否定性、気まぐれ性、短絡的、快楽主義、非行集団盲従性がある。もろもろの特性が正常な社会の文化とは逆転的な非行下位文化論を形成する。それは中産階級の価値観の支配する社会で下層階級の少年が陥る地位的欲求不満から発した一種の反動形式である。日本においては:
・生活遊興費に困ってから、
・好奇心、無動機に移りつつある。犯罪性向は習得され、相互作用の中で補強される。防止−家族の役割が大いに大切である。




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自殺の社会的原因
日本では、青年、老人、女、低階層:農村では心中が多い。青年は、「厭世」、「将来の苦慮」−アノミー的自殺:進学や就職の失敗者、喪失者、日本経済の二重構造の底辺層にある不安定な小零細企業に働く勤労青年など。女は、失恋、家庭不和、「家」の干渉、女性の弱者的立場による自殺で、これらは戦前には少なかったが、戦後女性の自覚により増加。近代の自殺では、抗議死や諌死である自殺の動機付に具体的な他者が関与し、又死が重要視される。日本ではその他に自殺を罪悪視なく、生命を手段に選ぶことがない。日本の文化に問題もある。死んでお詫びするとか、恥を注ぐとか。心中も結局は個人としての子供の人格を無視して子を所有物として見なしているからである。感想人格の病理は、まず社会が病理でありその次に人格が犯されるという感じであった。又は、人格的な社会への適合が苦手であったり、若しくは歪んだ形で接触をもったために人格が病理になったケースであろう。しかし、やはり底辺階級による社会的な虐待による病理は哀れなものである。最初に社会の病理から人格の病理が形成されると言ったが、そう言うのとは別にもともと社会と接触して生きて行かなければならない人間はいろいろな不条理を感じつつもまっとうに生きて行かなければならない。そういう意味では人格の病理は、自分の責任でもある訳である。時代にどう対応し、何がまっとうな生き方なのかは難しいことであるが、人格の病理に見たような生き方はやはりしてはいけない行為であることは確かである。




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婚姻の病理家族とは、衣食住を共にし、半ば永続的に営みをする生活共同体である。家庭内においては、融和し、それが強いほど外部に対し排他的になる。

家族の葛藤家族の不和、葛藤は、生物的感情をもった人々が互いに隠し事のない生活をした後に現れる問題で、理屈で相手を理解していても感情的に理解できないという特性がある。

結婚集団における葛藤

円満な夫婦とは、たとえ争いが生じてもお互いに相手を理解し、緊張を取り除く適応力がある。

不和、葛藤は個人が生活している社会の文化、形式、社会体制の型によって違う。

不和、葛藤の一般要因

離婚原因夫婦の敵対、離反力が統合、適合力を凌駕して強力となり、離反した方が結婚を持続するより価値があると考えられた結果のこと。また、法律的にも夫婦共同体を将来に向かって断絶することを社会宣言する行為である。

見解

性格の相違・夫婦の基本的パーソナリティの特性と、その組み合わせにより結婚の幸不孝が決まる。

経済生活・・生産のオートメーション化に基づく消費財の量産と、変化、回転の早さによる家の消費文化の追求に翻弄される。共働きは、子供の性格を不安定にする。また、家庭内の不和が起こり易い。
不貞・・・・当然、配偶者以外のものとの性的関係は、厳禁であると言った社会的抑制、期待を破るという意味において、配偶者、当事者の所属している社会集団の人々から非難を受ける。また、社会から排斥される危険をもつ。男性の不貞は、社会的風潮、習俗により女性の不貞より寛大である。それゆえに離婚が起こったりする。

離婚の影響結婚によって生じた苦悩、精神的葛藤から解放されるが、それによって生じる社会的、心理的影響は習俗、宗教などによって非難される。職業柄による離婚も又地位を危ぶませる。指導的、宗教、法律方面など経済的、年齢的にも困窮を余儀なくされる。子供の養育の問題とか。




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家族構造の変化
現代の都市化、産業化により現代の家族の構造の中心は親子関係から夫婦関係へと移行する。例・核家族、老人の人口の増加家族機能の変化家族は、自然発生的で、基礎的な性質をもっており、機能は多方面にわたって複合的である。また、地位や立場は不明確で役割も厳密に決められられたものでない。それらの機能が段々と縮小、明確化されていき、公共、又はその他の単一の機能の施設が定められて行く。

家族の基本的な機能

すべての家族は標準態であるかどうかに拘わりなく、原則として家族の危機的状況を幾度か経験しながら家族の解体と再組織のダイナミックな運動を展開する。

逸脱した家族では危機を乗り越えるのがより困難で多くの障害がある。

家族構造の病理

家族が病理的であるかどうかは家族の構造上の欠損や逸脱によるというより、むしろこのような構造上の逸脱からくる機能の障害を克服できる状況に家族の生活の生活資力や家族本来の機能を円滑にかつ十分に遂行できない状況におかれたときに家族構造の病理が現れると見るべきである。家族機能の病理家族解体・家族の相互作用が不均等であったり、緊張を伴っていたりして家族的機能が十分に行われていない状況。

特徴

1〜4のような特徴がなくても、家族員に目標や関心に共通性がなく、家族全体が集団的な統合性に欠けると、解体を引き起こしかねない。また、家族の病理は全体社会の病理と極めて密接な相関性をもっている。

家族病理と個人の逸脱行為

まとめ
家族とは、社会の一要因である。それは、最も大事で、重要なものである。それは国や政治よりも身近かで、尊重するものである。また、社会の一つの結合体である家族は又、国や政治、とりわけ、経済に結び付き、左右される。家族が健全であるためには、国の安定と、経済的保障が十分になされていないといけない。そして、人格の安定、これはよほど逸脱していなければ、上記のような状況においては家族の解体はそう簡単に起こらないものと思われる。家族の病理は、人の理性の及ばない所で大きく左右される。経済の変動、国際間の緊張、小さいものでは、理性を曇らせる憎悪、敵対的な緊張の長期化によるストレス又はフラストレーションン等である。それは、学問的には、論評に値しないように見えて、重要な要因である。我が家では、万年家族的緊張が絶えなかった。しかしながら、幸いにして、父が怒れば、母が仲介に入り、その逆もあった。また、妹が癇癪を起こせばだれかが止めに入ったりするといった調整的な癒着力が強かった。また、性格的な逸脱もなく、愛情が欠如している訳でもなかったし、いまでも変わらない。家族的な病理は、本当に行き着いた不幸である。そして、性格も又大きな原因である。さかのぼって、その問題になる性格も又、家族によって形成されて来たことも明記されたし。地域構造の解体地域社会の構造要素が偏倚したり、相互の不適応状態にあって、地域社会の生活機能の遂行が阻害され、その結果、様々な偏倚行動が派生することである。




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生活の病理

構成要素とは、地域社会の生活目標、生活資源、住民組織、生活文化、行政機構などによったものである。

相互に適応なら、円滑に機能は働く。そして、これらを効果的に関連付けようという努力が地域組織化なのである。もし、これらの機能が阻害されると、失業、貧困、文盲、犯罪、公害など様々な社会病理が起こる。また、地域解体が集中すると、解体地域が形成され、ドヤ街などが出来上がる。

解体地域の形成と存続形成:「社会的落伍者が一定の立地条件の元に凝集した場合に見られる」存続:「一度そうした地域が生じると、そこには彼らの居住に便利な生活上の仕組みができる。そして、新たな落伍者は好んで集まり、内外の条件の変化がない限りその地域は存続し、発展する。」

社会的落伍者

第1次的落伍
広域社会の社会、経済的な仕組みに解体状況が発生し、倒産などの失業を余儀なくされる。
第2次的落伍
平行移動に止まるものが大半だが、没落して下降するものもある。直接的落伍身体、精神、経済などもろもろのハンディキャップのため、最初からそうした状態におかれたもの。

立地条件

解体地域の特質
(1)・・・生活施設の不備、環境衛生の劣悪
(2)・・・精神異常者、疎外された人、この種の地区はガラが悪い。住民の生活解体、内縁関係や家族病理、単純労働者、ヤクザ
(3)・・・定着する人が少ない。30〜40代の男子が多い。全体として連帯性が少なく、地元生活に対して無関心なものが多い。しかし、地元生活の中には町内会など地域団体組織がある。解体地域にはアノミー的人間ないし、無法者が多いだけに価値基準、行動基準も偏倚している面が少なくない。物的荒廃の面では、一番ひどいのは、借り小屋密集地区であり、世帯持ちも多い。解体地域の社会的機能スラムは、現代都市社会の重要な目的を果している。スラムは単に社会的無秩序の厄介な兆候と片付けてしまわないで、それがこれまでの果して来た役割を明確に認識してやらないといけない。スラムは、常に社会移動の上昇と下降の二方向にたいして一時的な停留所たる役割を果して来た。つまり、都市への新参者に対しは一時的な寄り場を提供し、上層階級にその経済的立場を失った市民たちを包容した。また、一時的とは限らず、沈殿層、停滞層、移動層に分けられる。

未解放部落とマイノリティグループ

感想
地域の解体とは何であるのか、自分は経験したことがないがよく映画のモチーフとして昔の映画に使われて来たのではないだろうか。それは主に戦争の終わった後の映画の初期に見られるもので、時代を象徴したものであった。あのギタギタしたむさ苦しい人々が、家と呼べないような住宅に住み、そこでの喜怒哀楽を真剣に描写されている。そこで自分はそのスラムに住む人々を客観的にそしてそこで幸福を見いだしている人々に暖かいものを感じていた。スラムは、隠されていない人間の情感であり、重苦しくも真剣なものである。今の世の中では彼らに栄光はないかも知れない。それは当然なことであり残酷なことである。




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地域の病理
サバービアにおける地域機能と病理地域の機能要件

サバービア郊外という意味であり、

欠点

スラムサバービアと対照をなし、

発展として、定住化が進み地縁的連帯性が緊密に保たれる。また、サバービアと違った住民参加は主に相互扶助の生活防衛機能が支配している。

郊外化過程における地域機能の変貌と問題郊外的悲哀黒人侵入に伴う白人の郊外部への逃避無関心層の問題日本において顕著なのが無関心層の避難所としての郊外生活は、定住の根を下ろすという心構えを有していないため、地域社会に対する帰属意識が極めて希薄である。住民間の緊張生活環境の相対的な劣悪さが既存の地域社会に新設の団地が積み合わさるという重層的構造を示している。この構造が住民間の緊張、軋轢、葛藤などの問題にも移し替えられる。

公害の問題現段階地域生活を不快、不安なものとし、その程度が悪化すれば急性又は慢性の健康障害を引き起こし、また、災害事件の要因ともなる。初期工場公害として、当然その被害者も工場労働者に限られていた。郊外への無計画な工場なり、住宅のスプロール化がこの公害を生活妨害問題として拡大再生産する方途につながっている。

感想
この病理も又、自分に無関係の物であり、その対象も外国に向けられており日本に絡めているのは限りなく少なく、漠然としか理解をすることしかできなかった。詰まるところが、その地域の病理というのはそうした病理を有した人々が群れをなし、地域機能がまず病理に陥り、それが地域広範を犯し、地域そのものが病理に包まれるという仕組みになっているようである。元を正せば、人にその責任があるということになる。そしてそれは、そうした経済的立場や社会的立場に追い込んだ国にも責任がなきにしろあらずと言ったところか。だがこの病理を国に求めるのは些か無理がある。まず、国においてあぶれものの出ない国というのは皆無に等しく、それは必然と言っても過言でない。しかし、そうした人々を少なくすることも可能である。よって、国としては、そうした人々をできるだけ少なくするというのがその責任である。よって、こうした人々の責任は当人にのみ責任があることになる。しかし、こうした人々を責めることはできない。そして、軽蔑や攻撃的な感情をもつことは避けるべきである。差別はそうした人々を脅かすだけでなく、増やすだけでなく、彼らにおける暴動、そして病理の悪化に加速度を付ける契機となる。そして、この知識から得られる物は単に病理の形態にのみらず、そこに生きる人々への理解であり、救済であることである。それにはさらなる理解と知識が必要である。職業と労働の病理一般に労働や職業生活を通じ、それにかにょするひとが主観的に苦痛や不満を感じたり、また、その結果客観的に見てその生活が破壊され、不満に陥ったりするならば大きな問題である。





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労働の病理

1が最も本質的な原因としての病理であり、階層においても貧困を再生産する。貧困は量的な側面から完全失業者や低所得の職業層を見るだけでなく、その尺度はもっと質的な所へ向かなければならない。それは、「生活危機の深浅」や「生活の不安」である。




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職業における病理
1・社会的、機能的、職能的偏倚露天商人など社会的に多少とも役だつ職業であり、人々が嫌々ながらしかたなしに従事するもの。
2・反社会的、逆機能的、職能的偏倚社会的に役立たないだけでなく、逆に有害でしかも人々が最初から喜んで従事しない職業。
基本的にその職業を通じて、生活の維持やそこにおける人間に文化的な関心が満たされていないとするならばその状態は明らかに職業生活における病理である。職業はその生計の維持を目指す人間の活動であると共に他の社会的、文化的諸要素を内包する。

疎外された労働労働から得られる満足度について、それは現在の社会組織内のほかの労働によって得られる満足度を相対的に比較できるだけである。賃金労働者は、職人気質の人々と異なり労働における主体性、価値の創造、技能の発展や楽しみを積極的に見いだせず、客観的には人間の自己疎外及び社会疎外が極端にまで達しているかのようである。

疎外された労働の形態について

疎外の側面

病理としての失業、労災、疾病失業は個人的な動機や怠慢あるいは心身上の障害によるのでなく、資本の有機的構成の変化と増大に対する相対的な過剰人口−流動、停滞、潜在的過剰人口−として成立する。失業は明らかに対象−生活手段からの労働における疎外の一面を示す。また、失業における生活の危機は就労における欲求不満の堆積と共に、その解決方法をもたず、その結果、生活目標を失い社会的にも孤立するという「アノミックな状態」をもたらす。そして、低所得者や日雇い賃金労働者はたえず、水平移動のみであり、そして社会上昇の機会もない。また、失業原因として疾病、傷害などが上げられる。これは工業化の進展に応じて拡大の傾向になる。あと、職務場の労災、職業病の現状やその結果の精神的、肉体的荒廃化の過程や状況についても留意すべき点がある。

感想
職業の病理について実際言えることはアルバイトのことくらいしか自分では言えない。なぜなら、職業はもっていないからである。正確に言うならば、学生という職業になるのだがそれはここには当て嵌まらない。とにかく、アルバイトは一つの病理を映しだしているしているのかは分からないが、とにかくそのとき、強制されていたと思ったし、何とも非生産的であると感じ、いらだちを堪えることもままならなかった。つまり、ささやかな職業の病理を味わったというべきであろう。だから、職業とは避けてとおれないものである故にその病理は深刻なものとならざるを得ない。また、それを病理と取るか、取らないかはその人の意志次第ということで、極めて相対的なものであると考える。

職場緊張職場には、
公式構造・・・分業的構造、職業段階
非公式構造・・インフォーマルな小集団、その相互関係

職場の機能経済的、コミュニケーション、リーダーシップ、成員維持・補充、福祉的、文化的機能、構造及び機能に支障や歪みが生じたとき、職場に争いや緊張が生まれる。

労働者意識

職場緊張の一般形態
1・個人的原因から起こる職場緊張
2・集団間に起こる職場緊張

職場緊張の特殊な形態労使関係の緊張

感想
職場緊張は、大人になってから起こるものとは限らない。それは、人が集団を作って生きて行く段階にもう起こり得ることである。幼稚園の中で、小学校の中で、その職場緊張は既に知見している。いじめ、先生の叱責、受験等は、職場緊張とは言えないのだろうか。あるルールの中で人間は生きて行くことを強要させられる。感受性の強い小さいときほど、余りにそのルールは脅威なこととして、少なからず脅えることがある。職場緊張は上記のような単純で簡単なものではない。そこには、小さいときからの集団として生きて来た術の凝集されたもので有り、職場緊張はその悪しきめんとして根強い問題として残っている。




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経営の病理
経営の病理原因資本主義体制にある利潤追求、私有財産制、自由競争からくる様々の社会病理の弊害である。
1・制度にあった健全な経営無くしては資本社会に生き残れない。
2・技術革新に応じた経営の改善が必要である。1・2・を果し得ないところに病理が発生する。


経営体の病理

まとめ
自由競争の原理を取り上げてみてもそれは最強者の貫徹であり、利潤追求は利潤配分のために争いが起こる。そして、経営の病理は資本主義制度からのみ生じるのでなく、人間の性質や組織体にも根差している。




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官僚制の病理
社会学における官僚制とは、組織の大規模な公式組織体に典型的な発達しているところの
第2の点は官僚制の機能と逆機能である。官僚組織は合理主義という建前に従っているべきであるが、上記の1・による逆機能は、能率の向上と実現に貢献する機能的な過程ばかりでなく、集団目標以外の価値のあるもの・・・人間性などを権柄づくで損なう。

・逆機能過程と官僚的性格公務員を中心に展開される。
*ヒエラルヒー・・・ピラミッド型の身分序列による階層組織
*クライエント・・・国民

公務職は行政上の公的な役割を通して国民全体に奉仕すべきものであることが官僚機構の目標であり、建前である。その逆機能が2つある。

1・2・は、民主政治が官僚政治に変質する危険がある。行政官僚制は「国民の、国民のための政治」という目標実現に従属し、これに奉仕する行政、手段であるので、官僚政治は手段と目標の倒錯、管理の自己目的かによって、官僚政治の価値体系と利害関心が先行することによって、「官僚の、官僚による、官僚のための政治」になる。それは又、機能的には官僚にとって誠に好都合な、しかしながら「国民のための行政」には不都合な機能を果す。

その逆機能の過程

アノミーとしての汚職汚職は権力から派生する。そして、歴史的には古い。しかし近代の官僚制が法による支配により、汚職の発生を有効に発見できる。しかし、汚職は後を立たない。その不正行為は、会計検査、行政監察によって発見されても「部内」で寛大な行政処分で終わったり、汚職に発展する潜在的可能性をもつ「不当経理」が多数ある。社会病理的なとらえかたとしては、汚職とは官僚制上の公的な職権や行政手段、管理資源の私的な利用ないしは私物化によって、「不正な」報酬を獲得する官僚の行動である。本来は、職務権限と公金などの行政手段を規則に準拠しながら活動のために行使し、その遂行に対する定額の棒給のみである。そして、不正は「不正な」役割行動は「不正な」準拠枠に則り、「不正な」報酬によって動機付けられる。



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