バラールの屋敷

とあるTRPGのシナリオをD&D用に書き出しました。

レベルは1レベルで、パーティは「戦士」、「僧侶」、「魔法使い」、「盗賊」です。
シナリオの成功や失敗や考察は後にして、とりあえず載せてみることにしました。
このシナリオを選んだのは、結構、早く終われそうなことと、比較的ハードなミッションでないこと、また、仕掛けなど物語を達成するには、モンスターを倒すことによって終わるものでないこと、その要素が強いことで選びました。
また、本来、盗賊は鍵開けや罠の探知などは1レベルだとものすごく低く、活躍の場が少ない。このシナリオでは、鍵開けや罠が多いため、活躍してもらわないといけないことから、特別ルールにしている。また、バランス的に、到死性の強い罠を排除し、D&DにはいないモンスターやD&Dでは強いモンスターについては、いくらかヒットダイズを少なくし、何らかの解決策を設ける。

目次
導入など
1階
2階
最後に



インデックスインデックス



導入

街の郊外に、一軒の館が建っている。建てられたのは、もう何十年も前の古さびた館。館の主は、一人であったが、数ヶ月前に他界している。
冒険者であるプレーヤーに、協会を通じて連絡が入る。館の主の甥が、館を調査してほしいというもの。館にあるという遺言状を持ってきてほしい。主だったバラールは、異常なまでに猜疑心が強いひとであった。自分の財産を狙っている者がいると信じていて、館に様々な罠を仕掛けていた。また、捕まえてきた怪物を館の中に放っているという噂があり、迂闊に近づけない。
甥は、冒険の報酬として 各々500ゴールドを約束する。(また、遺言の内容が分かれば、)

詳しく聞かれた場合
バラールは、(光の方向を自由に操ることの出来る「光操の鏡」という)ガラスを研究していた。大した発明ではないらしいが、秘密主義が災いし、発明を奪おうとして館に侵入した人たちによって、バラールの妻子が殺害される。
それ以来、バラールは猜疑心の塊になり、誰にも遺産を渡さないため、館に様々な仕掛けを施し、怪物を放って亡くなったとされる。

外観
郊外から20キロの田舎にあり、林を抜けて、小高い丘の頂上に立てられた、煉瓦造りの2階建ての建物。まわりに人家も少なく、館自体も廃屋のような感じになりつつある。(上から見ると、ややひしゃげた6角形をしている)
館の窓は珍しい高価なガラス窓。窓には黒いカーテンが引かれていて部屋の中はうかがうことが出来ない。


目次


バラールの屋敷1階


1Fマップ



1.玄関
入り口となる2重開きの扉がある。床から170センチ程度の高さに、「ここは神聖なるバラールの館。何者も入る事なかれ」と書かれている。
扉には鍵がかかっている。
安易に開けると館じゅうに警報がなる。(しかし、誰かやってくるわけではない)
数分後に鳴りやむ。

廊下は、幅2メートルで、高さは2.5メートル。どこも同じ構造になっている。部屋の扉は3センチ幅のブロンズ製である。ノブの下には鍵穴があるが、中は暗く覗いても見ることが出来ない。

なお、1Fは部屋の中は暗く(2Fはカーテンで遮断開けると明るく、光の筋が通る)、昼と夜の区別が付きにくい構造になっている。ランタンなどを持参し、10メートルしか光が通らない。

2.部屋
5×6メートルの部屋で、南側に窓がある。食堂のようで、部屋の中央には青いテーブルクロスのかけられた、小さなテーブルがある。その脇に3つのいすが置かれている。扉の脇の壁に、女性と男の肖像画かおかれている。(20G相当40号サイズ)
他には、食器棚や花瓶、シャンデリアなど。(全て含めると100G)

3.通路
ここを歩くと床が抜け落ち、深さ5メートルの落とし穴に落下する。床のそこには何もない。落下の衝撃により3POINTのダメージを負う。罠の発見の難易度は、シーフが調べる場合は、40%の確率で見つけることが出来る。注意深く歩いている場合は、30%確率で誰もが気づく。先頭になっている人だけ落下する。

4.通路
ここには、4体のスケルトンが武装して、立っています。脇の方には、大きな鏡があります。スケルトンは、何度も侵入者との戦いで、かなり損傷をしています。

AC5(チェーンメール)
HP5
移動60
ダメージ1D6-1
XP10
士気チャック必要なし。「魅了」「眠り」の呪文は効かない。
また、鏡から5メートル離れて戦わない。
鏡の向こうは部屋になっていて、気づくのには、よく調べるといった場合はすぐに見つかるが、ただ、調べるといった場合は、1D6で1が出れば見つかる(エルフがいる場合は、2でも成功)

5.部屋
5×6メートルの部屋。北側に扉がある。通路側から鏡に見える隠し扉。
ここはバラールの寝室。本棚、机、ベットなどがある。空気がこもって、かび臭くなっている。
机の引き出しには、日記がおいてある。記述は断片的で曖昧。手がかりになりそうな箇所は、
20年前の日付
「なんということだ、アンとハンスが何者かに殺されてしまった。そんなにも私の財産がほしいのか。ならば意地でもわたすものか」
19年前の日付
「館の改造は完了した。わたしの発明を狙う愚か者め、罠にかかって死ぬが良い」
最後のページ一月前
「わたしの命も長くないだろう。アン、ハンス、わたしの所へ戻ってきてくれ。わたしの遺言は、次の分の隠しておく。賢明なおまえたちだ。理解できることだろう。わたしは待っているぞ。宝を守り続けて・・・」
「六芒星の光現れし時、赤と青の水晶、女神は掲げ、わたしの言葉を伝えん」
(死の直前、かなり意識が混乱していて、妻と子供がまだ生きていて、いつか戻ってくることを信じていたようである)

六芒星の箇所は、この館を解く上で重要。水晶球は6.と8.に、女神は20.の通路、六芒星は2階の光の軌跡を指す。

6.部屋
13×5メートルの部屋。ここは物置のようで、ほこりをかぶった数多くのがらくたが無造作に置かれている。がらくたの下には、宝箱が埋もれている。

よく探すと見つけることが出来る。また、宝箱をよく調べようとした場合は、盗賊の場合40%の確率で、他の場合は30%の確率で、チェスト・イミテーター、宝箱のモンスターであることに気づく。
もし、ロールに失敗した場合、イニシアチブを失い、不意打ちを食らう。

チェスト・イミテーター
AC5
HP14(HD2)
ダメージID4
XP25
「魅了」「眠り」の呪文は効果もなく、魔法の生物なため、クレリックの呪文も効果はない。
倒すと、中に赤い水晶球が入っている。(500G相当)

7.部屋
11×6メートルの部屋。壁には凹凸が見られる。扉には鍵がかかっていて、解除するには、盗賊の鍵開け、こじ開け(1D6+強さ、5か6なら成功)で成功する。

ここは、ガラスの作製場だったらしく、割れたガラスの破片や欠片などが散らばっている。(知能でロールをすれば特殊なガラスを作っていたことが分かる。)

ここには何もない。

8.部屋
5×9メートルの部屋で、食料庫のようで、外の温度よりも少々低温で、中には乾し肉やワインなどが置かれている。
部屋の東側にある棚には、小さな木工の施された鍵付きの箱が置かれている。
不注意に開けようとすると、中から毒バリが飛び出してくる。(毒STに失敗すると1POINTのダメージと共に、気絶する。)罠発見、解除は盗賊のスキルに従う。たたき壊す場合は、敏捷性で回避を行い、失敗した場合は、同様のSTを行う。
中には、青い水晶が入っている(500G相当)。

9.部屋
扉は、ドア・イミテーターで、不意打ち、イニシアチブを失う。
近づくときに、不用心であった場合は無条件で、何らかのアクションをおこした場合は、盗賊40%、他30%で気づく。

目の前の扉がうごめいたかと思うと、それは牙を持った生物のように隆起する。

もし、不用心に近づいた場合は、先頭の人の腕が捕まれた状態になり、強さでロールを行い、失敗した場合は腕を捕まれたまま身動きが出来ない。また、ドア・イミテーターの攻撃の回避が出来にくくなり、-3の回避のペナルティを負う。また、攻撃も捕まれた人がいる場合は、他の人は参加できない。

ドア・イミテーター
AC8
HP20(HD3)
ダメージ1D6
XP50
特徴はチェストと同じ

この部屋は空き部屋。

10.部屋
7×10メートルの部屋で、客室であったようで、ここには、ベットや家具、絵画など、豪華な品々が置かれている。持ち運ぶには大きすぎるものばかりである。せいぜい、絵画ぐらい20号(60G相当)くらい。部屋の天井の中央にシャンデリアがあり、明かりとなる。ここにはなにもない。

11.部屋
6×10メートルの部屋。不用心に扉を開けると、天井から睡眠ガスが放出される。

罠の発見は注意して入った場合、盗賊は40%、普通の場合は30%で、扉に罠がないということで無造作にはいった場合は、0%である。
対呪文でSTを行い。失敗した場合は、5−冒険レベルの間だけ眠ってします。そのあいだ、ワンダリングチェックを行い、モンスターが入ってくるか調べる。成功した人がいれば、たたき起こすことが可能。

ここは、資料室で、5つの本棚があり、どれにもぎっしりと本が詰まっている。
めぼしい書籍を見つけるためには、知能ボーナスを加算して、2D6で10以上を出す。
成功すれば、バラールが研究していた光操の鏡について書かれた本を探すことが出来る。

光操の鏡
形状=透明な鏡
魔力=特殊加工によって、太陽の光の精霊を取り込み、それを自由に形を変えて放出することが出来る。
基本取引価格=1000G

12.部屋
11×9メートルの部屋で。扉には鍵がかかっている。特に仕掛けはない。(1D6で6のみ解除)
部屋の中には、巨大な鉄製の宝箱がおいてある。中には、1000G、メイジスタッフ(アンデットにのみ効力が+1)(300CN)、宝石が5個(50CN/1個100G)、装飾品(100CN/2000G)等が置かれている。もちろん、鍵がかかっている。(1D6で6のみ解除)

13.部屋
13×11メートルの部屋で、ここは応接間に使われていたようである。この部屋には、ソファーや大きなテーブル、絵画(50G)や花瓶などが置かれている。また、南西の壁には暖炉がおいてある。

テーブルには、仕掛けがあり、テーブルの足の対角線に鏡が置かれ、その後ろにスケルトンが2体、隠れている。(マジックミラーのような形)そのため、不意打ちを食らいやすく、1D6で3以下だと、不意打ちを食らい、イニシアチブと攻撃権を失う。
慎重に調査などをした場合は、イニシアチブで-1の修正をして、通常の戦闘になる。

スケルトン
AC7
HP5
移動60
ダメージ1D6-1
XP10

目次



バラールの屋敷2階


2Fマップ


14.部屋
10×8メートルの部屋で、鍵かかっていて、(1D6で3以上で解除できる)中には誰もいない。
ここには外壁が一つ、内壁に4つの窓があり、これらは黒いカーテンで覆われている。
北の扉を挟んで2つのカーテン。東に2つのカーテン。西にカーテン。
外壁西、内壁外側の東のカーテンを開けると光の筋が、内壁北に北西のカーテンを開けると、光の筋が、現れる。20.の女神の一角を照らす。
バラールの妻と子の寝室だったようで、ベット、暖炉、テーブルなどがある。大した価値はない。

15.部屋
11×8メートルの部屋で、南に扉。扉には、毒バリが仕掛けられていて、不用意に回したときは、対毒STで失敗すれば、目が見えなくなり、丸1日続く。罠の発見は、盗賊で40%、普通で20%です。

部屋には、外壁西に一つ、内壁、東に2つ、南に扉を挟んで2つカーテンが引かれている。外壁の1つから東の一つが、外壁から、南西の壁から光の筋が出て、20.の女神の一角を照らす。

また、部屋の中央には、鉄製の大きな箱がある。これは巨大なオルゴールのようで、開けると、「ノスタルジー」という曲が流れ出し、全てのプレーヤーは対呪文STを行い、失敗したものは、その日1日戦闘が不能になる。仕掛けの発見は、調べるとすぐに分かるが、呪文であることが分かるためには、さらによく調べることと、魔法使いが知能のボーナス+で10以上出さないと気づかない。
戦闘不能になった場合、外に出るときに、ワンダリングモンスターとして、スケルトン2体を1回登場させること。

16.部屋
10×10メートルの部屋で、北に扉。ランタンの灯も通さない漆黒の闇で、全く何も見えない。

何かの気配があるが、何かは分からない。

暗闇の塊、シェイドが住みついているためである。マジックライトを持っていれば、その存在を知ることが出来る。しかし、ランタンやたいまつなどは、かき消してしまう。

シェイド2体
AC3
HP13(HD2)
ダメージ対呪文STで失敗すれば、1ポイントのダメージを負う。
XP30
移動が高速で、5マス動ける。

壁にカーテンがあり、南の外壁に一つ、西の内壁に2つ、東の内壁に2つある。南の外壁のカーテンを開けると、外壁側の2つの内壁へ2筋の光線が伸びる。もし14.と19.の内壁のカーテンを開けていれば、そっちに光が伸びていく。
もし、シェイドに苦戦をするようであったら、カーテンを開けることで、退散させてもよい。

17.部屋
9×10メートルの部屋で、南に扉。部屋の中央に侵入者撃退用のグールが1体いる。

グール
AC6
HP13
ダメージ1D4-1/1D4-1/1D4-1+麻痺(エルフをのぞく)
XP25
麻痺したプレーヤーには攻撃しない。

また、この部屋にも外壁北に1つ、西の内壁に2つ、東の内壁に2つカーテンがあり、15.の部屋を開けていれば、西から東に、外壁から2筋の光が走る。

18.部屋
11×8メートルの部屋で、南に扉。扉には鍵がかかっている。(1D6で5か6以上失敗しても開く)
部屋の床は、白と黒のタイルが交互にしかれている。また、部屋には人骨が転がっています。

別に何もない。何もないことを見破るためには、冒険者レベル+知力ボーナスで、2D6で12以上を指せばよい。

ここの部屋にも、東の外壁に1つ、西の内壁に2つ、扉を挟んで2つの黒いカーテンがしかれている。
17.の部屋が開けられている場合は、17.の部屋へまた、17.の外壁から光が射し込んでくる。

19.部屋
10×8メートルの部屋で、北に扉、扉の向こうから、大きないびきが聞こえる。

部屋の中の南側に、1体のグリフォンが寝ている。
冒険者が何をしようとしても、目を覚ますことはない。なぜなら、魔法によって作られた幻であるため。この幻を「魔法解除」で消すこともできる。攻撃に関しては、全て通り抜けてしまう。カーテンを開けると消えることにしてもよい。

東の外壁に1つ、扉を挟んで2つ、西に2つのカーテンがある。14.と17.の部屋に帯状になって光が走る。

20.通路
通路の東端、部屋18.と19.の入り口のすぐ前に、アフローディアの像が西の方向を向いて立っている。黒水晶の像で、床に固定されていて、持ち運びは出来ない。通路の西端14.と15.の入り口の前に、全く同じ女神像が東の方向を向いて建っている。女神はどちらも両方の前方に両手を掲げている。

ここで、青い、赤い水晶を載せるのが正しい行動。どちらでも構わない。

ヒントとして、バラールの日記
また、カーテンを開けているのであれば、女神のところで、交差していることを示唆してもよい。水晶球に2本の光の筋が交われば、21の部屋に光の筋が伸びていくことを示唆してもよい。

21.部屋
9×12メートルの部屋で、東西南北全てに扉がある。ここには何もない。

ただし、カーテンを開けている。女神に水晶を載せている場合、さらに、東の西野扉を開けた場合、
全ての光が2個の水晶球に集中し、そこから放射された赤と青の光線が、伸びていき、ぶつかり、バラールの幻影が登場する。(ぼんやりとした光の中からローブを着た男が登場する)この男が、北を向かって、
「わたしの前に立っているのは、わたしの遺産が目的のものであろう、わたしは病気にかかり、もうあまり長くない、意識がしっかりしているうちにこのメッセージを残す。
わたしが研究していたのは、「光操の鏡」すなわち、光の方向を自由に操ることの出来るガラスだ。これを使えば、深い洞窟のおくまで太陽の光を導くことが出来る。たいまつやカンテラが節約できる。ただそれだけの代物だ。実用的な価値はほとんどない。わたしの趣味の研究に過ぎなかった。
しかし、わたしの頑固な性格から、世間に対して秘密を守ってきたのが災いした。わたしの研究が価値のあるものと誤解した悪人たちが、発明を奪おうとしてわたしの留守中に館に侵入し、妻と子供を殺害してしまったのだ。
わたしは、目に見える財産のために、真の宝を失ってしまった。もはや、わたしにはこの世に残す財宝は必要ない。愚かな探索者たちよ、わたしの遺産を好きにしろ。
わたしには、ついに真の宝は帰ってくるのだ。家族というなの無二の宝が・・・」
幻影はそういうと、消え去り、女神の手の上にあった2つの水晶球は、粉々に砕けてしまう。

目次



XP
物語を達成させて、12.の部屋に行かなかった場合
2000xpを獲得する。
達成させて、12.の部屋に行って、財宝を持ってきた場合は
2000+1/4とする。しかし、メイジは、ゴールドに換算し、XPに加えられない。

物語を達成しない場合、
収穫した財宝のみの報酬とする。
目次