アモバルビタ−ル amobarbital (JP) 催眠鎮静剤 1125
【組成】
[末]:99%以上 [錠]:1錠中100 mg 注射用:1ア ンプル中ナトリウム塩250mg,500 mg。溶解後pH:10.0〜11.0 浸透圧比:5%約1.5,10%約 3 アモバルビタ−ルは白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはなく,味はわずかに苦い。エタノ−ル,アセトン又はエ−テルに溶けやすく,クロロホルムにやや溶けにくく,水にほとんど溶けない。水酸化ナトリウム試液又は炭酸ナトリウム試液に溶ける。飽和水溶液のpHは5.0〜5.6。融点:157〜160° 注射用アモバルビタ−ルナトリウムamobarbital sodium(JP)は白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはなく,味は苦い。水又はエタノ−ルに溶けやすく,エ−テル又はクロロホルムにほとんど溶けない。水溶液(1→10)のpHは10.0〜11.0。吸湿性
【適応】
[内]:不眠症,不安緊張状態の鎮静 [注]:不眠症,不安緊張状態の鎮静。麻酔面接,昏迷の軽減。けいれん状態の抑制。麻酔前投薬
【用法】
[内]:不眠症には1日0.1〜0.3 g就寝前,不安緊張状態の鎮静には1日0.1〜0.2 gを2〜3回に分服(増減) [注]:1回0.25〜0.5 g静注又は筋注(増減)。5〜10%注射液を1分間に1 ml以下の速度で静注するが,静注が不適当な場合は筋注
【注意】
(1)一般的注意:投与中の患者には,自動車の運転等,危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意する
(2)禁忌:バルビツ−ル酸系化合物に対し過敏症の患者
(3)次の患者には投与しないことを原則とするが,特に必要とする場合には観察を十分に行い,慎重に投与する
- (a)心障害,肝障害,腎障害のある患者
- (b)呼吸機能の低下している患者
- (c)急性間欠性ポルフィリン症の患者
- (d)薬物過敏症の患者
(4)慎重投与- (a)幼小児,高齢者,虚弱者(呼吸抑制を起こすことがある)
- (b)頭部外傷後遺症又は進行した動脈硬化症等の脳の器質障害のある患者
(5)相互作用
- (a)飲酒又は次の薬剤により,相互に作用が増強されることがあるので,このような場合は減量するなど慎重に投与する:抗不安薬,抗精神病薬,催眠鎮静薬,抗うつ薬,抗ヒスタミン薬,チアジド系薬物,ジスルフィラム,解熱鎮痛剤,クラ−レ様物質,(注射)抗パ−キンソン薬
- (b)クマリン系抗凝血薬の作用に影響を与えるので,クマリン系抗凝血薬の治療下にある患者に投与する場合には,通常より頻回にプロトロンビン値の測定を行い,クマリン系抗凝血薬の量を調整する
(6)副作用
- (a)過敏症:過敏症状が現れた場合には中止する
- (b)Stevens-Johnson Syndrome:まれにStevens-Johnson Syndrome(皮膚粘膜眼症候群)が現れることがあるので,観察を十分に行い,このような症状が現れた場合には中止する
- (c)神経系:連用により,ときに知覚異常,構音障害,精神機能低下,せん妄,昏迷又は運動失調が現れることがあるので,このような症状が現れた場合には,減量する等適切な処置を行う
- (d)腎臓・血液:連用により,ときにヘマトポルフィリン尿,タンパク尿,低カルシウム血症又は葉酸代謝異常によると思われる巨赤芽球性貧血の現れるおそれがあるので,連用に際しては注意する
- (e)その他:ときに頭痛,発熱,発疹,めまいが現れることがある
(7)高齢者への投与:高齢者では,運動失調等の副作用が発現しやすいので,少量から開始するなど慎重に投与する
(8)妊婦への投与
- (a)妊娠中に投与すると,新生児の出血傾向,呼吸抑制等を起こすことがあるので,妊婦に投与する場合には慎重に投与する
- (b)分娩前に連用した場合,出産後新生児に禁断症状(多動,振戦,反射亢進,過緊張など)が現れることがある
(9)薬物依存:連用により,薬物依存傾
向を生ずることがあるので,観察を十分に行い慎重に投与する。特にアルコ−ル中毒,薬物依存の傾向又は既往歴のある患者,重篤な神経症患者には注意する
(10)禁断症状:連用中における投与量の急激な減少ないし中止により,ときに不安,不眠,けいれん,悪心,幻覚,妄想,興奮,錯乱又は抑うつ状態が現れることがあるので,中止する場合には徐々に減量する等慎重に行う。なお,高齢者,虚弱者の場合は特に注意する
(11)適用上の注意(注射)
- (a)呼吸抑制,血圧降下が現れることがあるので,注射方法については十分注意し,注射速度はできるだけ遅くする
- (b)筋注後,注射部位によっては神経麻痺,又は硬結等を来すことがある。なお,幼児・小児・高齢者・衰弱者においては,特に注意する
(12)室温保存
(13)規制等:アモバルビタ−ル・注射用アモバルビタ−ルナトリウム局劇向習指要
【作用】
(1)薬効薬理
- (a)催眠・鎮静作用:バルビタ−ルに比べ強い催眠作用,作用発現は早く,持続時間は短い(マウス,イヌ,ウサギ)。低用量で鎮静作用(マウス,ラット)
- (b)その他:抗けいれん作用(ストリキニ−ネ,ピクロトキシン等によるけいれん,ウサギ),血圧低下作用(ウサギ),呼吸(マウス,ウサギ)及び心機能(ネコ)を抑制
【製品・薬価】
イソミタ−ル 日本新薬 1g 30.30
イソミタ−ルソ−ダ 日本新薬 250mg1管 164