2024.3
「ともに生きる力」を育む
2024年から「孤独・孤立対策推進法」が施行される.
座談会 共に生きる力を育むための,これからの取り組み
- 学校教育で強調される「生きる力」は社会において自分で課題を見つけ,学び,考え判断して行動する力.福祉での「共に生きる力」は誰もが取り残されない地域づくりを目指すものである.この育む力と言った場合,高校生くらいまでの子どもに絞って考えていきたい.
- 福祉の制度があってもどのような条件で使えるのか,どこに相談できるのかということがあまり知られていない.共に生きる力とは何かということもあまり知られていない.ホームレスを襲うのは大半が子どもや若者であった.こうした人たちの背景を知ること.孤独や孤立していたときに声を上げてもいい,頼れる先があることを伝えることが大事だと思う.
- 退学したり不登校になりやすい学校というのがあって,それを重点的に取り組んでいる方からは,若者が社会との接点を失ってから公的機関に頼ってくるまで約10年かかると言われていること.また学校と実社会を結びつける職業的自治津支援教育プログラムがあることなどを紹介.高校生に求められるのは助けてと声を上げられる環境をいかに作るかである.
- 発達障害や軽度の知的障害,虐待を受けている子どもなどへの対応→ユースソーシャルワーカーが運営する校内居場所カフェの設置を2024年東京都教育委員会の施策として都内高校の計画に盛り込むことが出来た.
- そもそも共に生きる力は「一人一人の生きる力を育むだけではなく,子どもが他者と,様々な個性,性別,障害,国籍,世代などを超えて共に生きる力を育むことが福祉教育の目標である」→多様な人々が存在していることに気づくこと,そしてそれらを対話をしたり体験を共有出来る環境をつくること.そして障害のある方などをかわいそうな人だと思わないこと.貧困者などを対象化することではないこと.
- あるべき姿が無意識の内にすり込まれてそのギャップや分断や,そうなっていない自分へのスティグマ,生きずらさを生み出している.
- 学校以外の人たちとの接触などは学生にとって強いインスパイアとなる.学校の中だけでの完結は,そうした多様性との接点にはなり得ない.同様に福祉関係者だけと取り組んでいると共感を得やすいが,コレまでの活動の延長線上から抜け出せない.あえて福祉から遠い分野の人と組むことを考えている.そのことで普段で会うことが無い分野との連携から,色々な出会いを作ることが出来る.
- 子どもに教える前に,まずは大人が共に生きるとは何かについてしっかりと言語化していくことが大事であること.共に生きるとは当事者の気持ちを理解すること.話を聞くこと.居場所があることなどである.
レポート
- 生きてさえいれば,笑える日が来る→ホームレスによる出前授業,抱僕生笑一座
- ユースは教えられる存在ではなく,共に活動する存在,ふつーに社会課題に取り組む生徒共に→国際教養という学習で行われるソーシャルアクションについて.
- 一足先に認知症になった私から伝えること→当事者による高校生などへの出前授業について
- 地域共生社会の礎となる福祉教育機能→社協による出前授業などの活動報告
制度からの排除による孤立の問題に対する社会保障制度教育の可能性(横山北斗)
- 制度があってもどのようにアクセスして良い変わらない人がたくさんいる.確かに申請主義は申請する権利を認めるものであり,それ自体は悪くないが,だからこそ社会保障制度をセーフティーネットとして機能させるためには申請する権利の行使をサポートする施策が社会の隅々に張り巡らされていることが必要である.
- まずもって正しい知識を持つこと.制度を利用した人人の経験を知る機会の価値である.偏見や差別を無くし,実際に制度を使った人たちから話を聞くこと.それを追体験し,想像すること.それがスティグマの軽減につながる.
- 人生の早期に社会保障制度について知る機会を得られる環境整備は,正しい社会保障制度の知識を持ち,自分自身や周りの他者を助けることが出来る個人を増やす.そのような個人が増えることで,制度利用に対するスティグマの軽減につながる可能性がある.
精神障害の経験をもつ当事者の「語り」が拓く福祉教育の可能性 | CiNii Research https://cir.nii.ac.jp/crid/1390020762779344256