2019.4
‌多文化共生で地域をつくる

セーフティネット対策などに関する検討会の記事があり,最近無料低額宿泊所に高齢者が住んでいること.ケースワークの低下,火災に対する対策が十分ではなくしばしば火事が起こっていることなどを紹介している.

‌鼎談(ていだん) 多文化共生を地域ですすめていくには

多文化ソーシャルワークの必要性(石河久美子)

これまでの外国人の受け入れに加え,2019年の入管法の改正により,介護,外食,建築業に重点を置き,5年間で最大34万人以上を受け入れることになり,地域社会における大幅な在住外国人の増加が予想される.外国人の問題は,例えば国際結婚家族では,育児不安,夫婦間のコミュニケーションギャップ,DVや国際離婚のケースが増加.在留外国人の不就学,非行,10代の未婚での妊娠や出産など.高齢化については,従来から日本に居住する在日韓国朝鮮人のほか,日本人男性と結婚した中国,韓国,フィリピンなどのいわゆるニューカマーも目前となっている.障害が疑われても言語や文化の違いと思われて,受診をためらうとか…
そうした多問題に対応する,多文化ソーシャルワークが必要である.このSWは,クライエントとワーカーが異なる文化に属する援助関係において行われるソーシャルワークである.これまで日本の社会福祉から切り離され排除されてきた分野でもある.しかし,問題はさまざまな分野で適用することができるはずである.例えば,不就学は児童福祉で,高齢者の問題は高齢者福祉や地域福祉で…などである.
しかし,多文化SWは極限られており,外国人の生活問題対応の大半は,日本語教育支援者,通訳,外国人支援ボランティアの献身的活動によって支えられている.専門職でも亡い人たちが行きがかり上,外国人の相談により,試行錯誤しながらSW的支援を行っていることが多い.一方,専門職としてに多文化SWはまったく機能していないか,丸投げか,丸抱えの状況になっている.
この作者が愛知で多文化ソーシャルワークの講座とかカリキュラムを作成して,実施した事例の紹介がされている.しかし,実際に多文化SWとしての雇用はなしえていなかった.しかし,非専門職の外国人支援者と社会福祉系支援者とのネットワークの構築ができたことが大きな成果であったとのこと.それぞれが社会資源となり必要なときに連絡を取り合えると言うことができるようになったとのこと.興味のある方は,以下の作者の論文がPDFで読めるのでどうぞ.

CiNii 論文 - 滞日外国人支援プログラムの開発に向けて―飯田市の事例から―
CiNii 論文 - 「多文化ソーシャルワーカー」 の育成―アメリカの取り組みからの応用課題の検討―

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