2018.9
メディアを活かす−地域共生社会を創りだすために
社会変化に対応した情報発信(佐藤佳弘)
- 情報を発信できない組織は滅びる…ということで,福祉法人は社会に対して存在意義を効果的に発信し,福祉サービス利用者に適切な情報を提供しないといけない.
- とはいえ,メディアとは多岐にわたる用途があり,そもそもは媒介するという意味である.一般的にメディアとはマスメディアを指し,放送,出版など不特定多数の人に届けることを意味する.その他,ICTで使う場合は,USBなどの記録媒体,あるいは紙媒体,チラシなども含まれる.また伝達手段もメディアとして,メール,電話,ネット,サイトなど…
- メディアの信頼度は,新聞が70%,テレビが65%であり,こうしたマスメディアを活用することは法人のアピールにはもってこいである.ただテレビはかなり費用がかかるので,新聞への積極的なプレスリリースをすると良い.
- その他はネットでの情報収集を一般の人々は行っている.またネットへの接触時間はかなり延びており,テレビや新聞とも比較してそん色ないものとなっている.
- その上,最近はソーシャルメディア(いわゆるSNS)への接触時間が飛躍的に伸びている.
- とはいえ,サービス利用者は高齢者や障害者であり,情報弱者である場合もある.アクセスのしやすさやコンテンツの理解もしやすいものが求められる.
(対談)障害のある人たちのことをもっと知ってもらうために
- 障害者のことをことさらテレビで取り上げなくても,地域の中で普通に生活できる社会ができればいいと思っている.
- メディアでもがんばっている障害者を取り上げるけれど,そればかりクローズアップすると障害のある人はみんながんばらないといけないんだという思わせてしまう側面がある.
- 障害を乗り越えてというけれど,当事者としてはこれ以上どうすればいいのか.むしろ,そんなことを言う健常者こそ,乗り越えることがたくさんあるんじゃ無いかとか.感動ポルノもいい加減にしろと.乗り越えるんじゃなくて,障害を特別視するこの社会こそが問題である.イギリスでは,障害者を勇敢なヒーローとか哀れむべき犠牲者として描くことは侮辱につながるとされたが,日本では…
- トム・クルーズはLDであるが,「LDのトム・クルーズ」とは言われない.同様に「視覚障害のスティービー・ワンダー」とも言われないが,日本では「視覚障害の辻井伸行くん」とか大きなお世話ですよ.
- メディアでもいろいろと規制とか配慮とかしすぎて,発言にまったく信用性もなく責任を感じないでそれぞれが場当たりで,軽薄な事が多い.結局,誰に向けた番組を作っているのか,誰に向けて配信していくのかが問われている.
- 昔は,テレビに杖や車いすで歩いている人が映像処理で消されていた時代があった.しかし,いまは後ろに映り込んでいても消されることはなくなった.そうして,そうした人たちがたくさんいること,地域に溶け込んでいることがあたりまえであるようにするべきである.